素早い音声認識で、スマートホーム連携もスムーズ
1万円ちょいで買える驚きの高音質。アップル「HomePod mini」の完成度が衝撃的
■iPhone連携でHomePod miniをスマートディスプレイ的に使う
スマートスピーカーに話しかけて聞くことと言えば、その日の天気やニュースなどについ偏りがちになってしまう。HomePodの場合、iPhone連携を使いこなせるようになると、Siriとのボイスコミュニケーションに広がりが出てくる。
例えば「Hey Siri、Webでエリンギの写真を再生して」と話しかけると、見つかったエリンギの画像をiPhoneに転送して表示する。iPhoneの画面が、HomePodスピーカーによって調べた検索結果を視覚情報で補うスマートディスプレイになるのだ。
また、商業施設の営業時間を調べ、iOSのマップアプリに道順を転送することも可能だ。手順には少しコツがある。一例を挙げると「Hey Siri、立川のイケアは何時まで開いてる?」と聞くと、イケアの営業時間の検索結果を知らせてくるので、HomePod miniによる読み上げを一度中断する。次にiOSのマップアプリを開くと「HomePodから」と表示されて検索結果が出てくる。
HomePod miniからiPhoneの連絡先に登録されている相手にハンズフリー通話をかけたり、iMessageのテキストメッセージも送信できる。ほかにおiOSアプリとの連携は、リマインダーやメモの追加、カレンダーの予定の読み上げなど多岐に渡る。サードパーティのデベロッパが開発したSiriショートカットのアイテムを登録すれば、スマート家電の操作なども、HomePodを介して行える。。
■iPhone連携でより簡単にHomePod miniによる音楽再生を簡単にする方法
iPhoneとHomePodによる連携といえば、iOS 13.2.1からBluetooth Low Energyの技術を活用したハンドオフ(引き継ぎ)再生機能が使えるようになった。iPhoneで音楽を再生中に、iPhoneをHomePodに近づけて再生をバトンタッチしたり、その反対(HomePodからiPhone)もできる。
筆者はHomePodで再生する音楽をリビング全体に行き届かせたかったので、本機を使う時はリビングのテレビ横に置いている。スピーカーと自身の距離が少し離れていると、わざわざハンドオフするために近づかなくても、聴きたい曲を音声操作で検索・再生した方が手っ取り早い。便利かもしれないが、あまり使わない機能だなと思っていたが、HomePod miniはそのかわいらしさゆえに、入手してから仕事机に置いて手元近く楽しんでいる。
スピーカーが近くにあると、聴きたい曲をiPhoneで検索してから再生をはじめ、HomePod miniにハンドオフして聴くスタイルがとてもよくマッチする。特に洋楽のタイトルやインターネットラジオは、音声操作で検索・再生することが難しい場合があるので、HomePodとiPhone連携がとても役に立っている。
なお、HomePod miniにはアップル独自開発の無線チップ「U1」が内蔵されている。同じU1チップを搭載するiPhone 12シリーズを持って近づくと、再生中の楽曲情報、関連する楽曲の再生レコメンドをiPhoneの画面に表示する機能が使えるようになるという。この機能はアップデートによる追加を待ってまた報告したいと思う。
HomePodシリーズはiPhone、iPadとの連携については非の打ち所のないスマートスピーカーだが、Androidスマホしか持っていなかったり、好きな音楽はポータブルオーディオプレーヤーに保存し、一括管理しているといった場合、Bluetoothオーディオが使えないのが残念だ。
例えばHomePodにAirPlayで接続できるBluetoothレシーバーなど、仲介役として機能するアクセサリーがあれば嬉しい。ぜひ商品化を検討してほしいと思う。
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