素早い音声認識で、スマートホーム連携もスムーズ
1万円ちょいで買える驚きの高音質。アップル「HomePod mini」の完成度が衝撃的
■スマートホーム機器の音声操作もスムーズにできる
HomePod miniによるスマートホーム機器のリモコン操作も快適だった。筆者宅にはHomeKitに対応するフィリップスのスマート照明「Hue」がある。繰り返しになるが、HomePod miniのSiriによる音声操作はかなり反応が良いので、スマート家電の音声操作も快適だ。
Nanoleafが発売するスマート電球「Nanoleaf Essentials A19」も試してみた。こちらはHomeKitに対応しているIoTデバイスなのだが、HomePod miniがWi-FiとBLEのほかに搭載する「Thread(スレッド)」という2.4GHz無線通信規格にも対応しているのだ。
Thead対応デバイスの良いところは、ブリッジになる機器を介さずにIPネットワークに接続できるので、HomePod miniやiOS端末のホームアプリからダイレクトにリモコン操作できる。こちらのデバイスもまた、HomePod miniによる音声操作と非常に相性が良かったことを報告しておきたい。もちろんホームアプリから設定できるオートメーションも利用できる。
■ソフトウェアアップデートで進化する楽しみ
HomePodシリーズはソフトウェアアップデートにより、新しい機能を追加しながら進化するスマートスピーカーだ。10月下旬に提供を開始したHomePod向けのソフトウェアバージョン14.1では、Siriの機能強化を図ったほか、HomePodシリーズ同士で音声メッセージを送り合える新機能の「インターコム」にも対応した。
インターコムは、例えば2階建ての住宅や、とにかく広い家に暮らす家族には便利だと思われる機能だ。2台以上のHomePodシリーズを同一のホームネットワークにつなぎ、離れた別々の部屋にセットする。スピーカーに向かって「Hey Siri、“夕食の準備ができたよ” とインターコム」「Hey Siri、“ちょっとコンビニに行ってくる” と全員に知らせて」といった具合に音声コマンドを話しかける。特定の部屋にあるHomePodに対してインターコムを伝えたい場合は「Hey Siri、“一緒にテレビを見ない?” と子ども部屋に連絡」と話しかければよい。
筆者宅はそれほど広くないので、音声メッセージを吹き込んでいる最中に、家族に聞かれて「何!?」と返されてしまった…。ただ、インターコムが便利なところは、音声メッセージを伝えられるデバイスがHomePodシリーズに限らないことだ。
11月上旬に実施されたHomePod向けソフトウェアバージョン14.2へのアップデート完了後から、ユーザーのApple IDに紐付いているiPhone/iPad/Apple Watch、CarPlay機器にも音声メッセージが送れるようになった。Apple WatchはwatchOS 7.2からの本格対応になるようだが、短い一言メッセージをApple Watchから吹き込み、自宅のHomePodにインターコムで送れるようになれば、使う機会がさらに増えそうだ。
watchOS 7.1のApple Watchでも、ホームネットワーク内でインターコムが使えた。Siriを起動してから「インターコム」と話しかけると、Siriが「メッセージの内容」を聞いてくるので、音声メッセージを入力するとHomePodに送られる。
■使い込めばさらに発見がありそう
今回は速報レポートとして、筆者の期待を大幅に超えてきたHomePod miniの高音質ぶりと、本機を活用するためのアイデアを大まかに紹介してみた。Siriがスムーズにストレスなく使えるので、筆者自身、いよいよHomePodシリーズを日常生活の中で本格的に使い倒してみたいと思っている。色んな発見がありそうだ。
音楽再生については、Apple Musicに登録していない方も、CDからリッピングしてiPhoneに保存した音楽を、AirPlayを使ってHomePod miniに飛ばすことで、心地よいスピーカーリスニングがすぐに体験できる。販売価格が10,800円(税抜)と大変にお手頃なので、iPhoneユーザーはぜひ今年のクリスマスに、家族への、あるいは自分へのプレゼントにしてみてはいかがだろうか。