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2万円前半で“お値段以上“の高音質。デノンのサウンドバー「DHT-S216」でゴージャスおうち時間
■テレビに足すだけでお手軽ホームシアターが完成。モード選びも楽しい
本機のサウンドチェックは、筆者の自宅で行った。テレビとはARC対応のHDMI出力端子をつなぎ、BDレコーダーやゲーム機はHDMI入力に接続している。
まずはテレビのバラエティ番組を、初期設定の「Movie」モードで視聴する。一聴しただけで、一つひとつの音の解像感が高く、くっきりしていることが分かる。左右にナチュラルな音場が拡がり、その中央で明瞭で浸透力がある音がしっかりと耳に届く。
サウンドバーは大きく分けて音の輪郭が柔らかい「音場重視」タイプと、音のエッジが明瞭な「音像重視」タイプがあるが、本機は後者寄りでありつつ、音場感にも長けた「いいとこ取りタイプ」といえそうだ。
対するテレビのスピーカーは、解像度が低くスカスカで浸透力に欠ける。リビングのソファまでの距離でも音が届きにくく、つい音量を上げたくなる。それが、本機を追加して音がリッチで聴きやすくなっただけで、映像まで良くなったように錯覚してしまうから驚きだ。
試しに「Pure」モードをオンにすると、音の鮮度が一段とアップ。DSPがオフになるため音場空間は狭くなるが、ニュースの音声が自然なまま聞きやすくなった。同じくニュースで人の声を明瞭にする「DIALOG ENHANCER」を試す。こちらは望遠鏡で特定の部分をクローズアップしたようなイメージで、人の声が一段前に定位する。確かに音声は聞きやすくなるが、やや不自然に感じる場面もあり、使う場面を選びそうだ。
コンテンツを映画に切り替え、『ジョーカー』のBDを再生する。サラウンドモードは「Movie」を選択。素の再生能力が高いためか、Movieモードでも音の鮮度が高い。陰鬱な空気感が生々しく、再生を始めて数分で、映画館で見ているような感覚に陥る。
本作の主人公アーサーは周囲の状況とは無関係に笑ってしまう病を煩っており、この笑いが彼を狂気に導いていく。故に「笑い」が作品のキーポイントであり、シーンごとに特徴が異なるのだが、圧巻だったのが狂気に目覚める地下鉄の場面。笑いを止めたくても止められない、ヒリヒリした緊迫感が感じられ、音が肌に突き刺さるようだ。完全に作品の世界に引き込まれ、ポイントだけを視聴するつもりが、つい最後まで見届けてしまった。
『ガールズ&パンツァー 劇場版』では、密度が濃く厚みのある低域の迫力に圧倒される。Movieモードのままリモコンで低域の音量を調整する「BASS」を最大にすると、戦車が砲撃を受けた際の爆音は体が振動を感じるほど。一般的に低域を上げすぎると、他の場面で不用意に低域が主張してしまい、違和感を覚えやすいのだが、本機ではそれが極めて少ない。低域がサウンド全体を支えるように、絶妙にバランスが調整されているのだろう。会話や日常シーンなど中高域の表現力が高いのも納得だ。
音楽は映画『ボヘミアン・ラプソディ』のBDから「LIVE AID」のシーンと、『ザ・ビートルズ1 デラックス・エディション』のBDに収録されている「ゲット・バック」のMVを視聴した。ボヘミアン・ラプソディは、まず「Music」モードで視聴。横方向の音場がグンと広がり、たちまち音に包まれる。歌声は生き生きしており、映像の躍動感が増して見える。
すかさず「DTS Virtual:X」をオンにして、縦方向の拡がりを追加すると、音場がさらに広がり、頭の上から自分の背後まで音に包まれる。ソファから立ち上がっても音場に包まれたままで、コンパクトなDHT-S216のどこからこれだけの音が出ているのか不思議で仕方がない。ちょっと大げさかもしれないが、リビングがウェンブリー・スタジアムになり、自分もライブに参加しているかのようだった。
続いてPureモードにして、ゲット・バックを再生する。音の密度が濃くクリアで、鮮度が素晴らしい。ハイレゾ音源をピュアオーディオで聴いている感覚だ。映像のざらざら感と若干アンマッチに思えるが、それがかえって新鮮で、つい何度もリピート再生してしまった。