<山本敦のAV進化論 第199回>
ソニー究極のAVスマホ「Xperia PRO」はデジタル一眼“α”との連携で何ができる?
■YouTubeライブストリーミングはモニターの表示に注意
モニター機能の設定をクリアしたら、カメラで撮影中の動画をYouTubeにライブストリーミングするための設定は比較的簡単にできた。Xperia PROでYouTubeアプリを起動して、ライブ配信を開始。外部端末として接続中のカメラとファイルへのアクセスを許可するだけだ。
シューティングを始めようとしたところ、Xperia PROのモニターに表示される映像が左右反転してしまった。調べてみたところ、これはYouTubeモバイルアプリの仕様によるもので、撮影される映像は反転されることなく正しい向きで配信される。YouTubeモバイルアプリを使う場合はカメラ側のLCDモニターの表示も同時に確認する必要がありそうだ。
■αで撮影した静止画をFTPサーバーにアップロードする
FTPサーバーを用意して、α7S IIIで撮影した静止画像ファイルをサーバーに転送する機能も試した。本機能を使用する場合、カメラとXperia PROはUSBケーブルで接続する。FTP転送やファイルへのタグ・キャプション指定に対応する「Transfer & Tagging add-on」もXperia PROの側に必要だ。
作業環境としては、Xperia PROを使ってカメラで撮影した画像ファイルをUSBテザリング機能を使ってFTPサーバーに送る格好になる。そのため必要になる前準備はカメラ側の「ネットワーク」>「転送/リモート」設定の中にある「USB-LANテザリング」をオンにすることだ。α7S IIIにはこのメニューが用意されている。
なお、編集部員が所有するソニーのカメラ「α7C」で同じことができないか試してみたが、α7CにはUSB-LANテザリングの機能がなかった。αシリーズの現行ラインナップでは他に3月19日の発売を控える「α1」が対応しているようだ。
機器どうしをつないでXperia PROの側でTransfer & Tagging add-onアプリを起動すると、カメラで撮影した画像ファイルをアプリに有線(USBケーブル)で取り込むための設定メニューが表示される。カメラの「FTP転送機能」>「サーバー設定」から必要な情報を入力すれば準備完了だ。
画像ファイルは撮影後に選択して必要なものだけをFTPサーバーに送り出すか、またはカメラ側で「撮影時自動転送」をオンにするとシャッターを切った瞬間にすべての静止画がサーバーに送られる。
今回はソニーのα7S IIIによる検証を中心にXperia PROとデジタル一眼レフカメラの連携による映像クリエイター向けの機能を試したが、HDMI接続によるカメラのサブモニター機能についてはパナソニックのカメラ「GH5」でも使うことができた。
今回は機材を用意できなかったが、GoProシリーズのように小回りが効くアクションカメラのHDMI出力搭載機にXperia PROを接続できたら、よりダイナミックなスポーツ映像のライブ配信も実現できそうだ。Xperia PROも本体はIPX5/IPX8相当の防水、IP6X相当の防塵対応だ。
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