UHD BD再生の実力をチェック
【検証】高性能なPS5は+20万円でさらに画音質が跳ね上がる! オーディオアクセサリーでAV機器レベルに強化
■電源周りのアクセサリー追加でPS5の音質が激変
ということで、ここから先がオーディオ&ビジュアル専門媒体の本領発揮。AV機器のクオリティは電源関連、ケーブル交換、振動対策といったアクセサリーによって向上を狙える。ということで、PS5に様々なアクセサリーを組み合わせてテストしてみた。
まずPS5の電源ケーブルをゾノトーン「6N2P-3.5 Blue MEGANE」(定価23,100円)に変更。『テネット』を再生してみると、スタートした瞬間からあまりの音質差に驚く。
チャプター5のエネルギーバランスが低域に寄り、緊迫感を盛り上げる。BGMもより深く響くし、爆音のパワーもダイナミックに派手さを増すのだ。『ボヘミアン・ラプソディ』も、特に歓声も空気を揺らす振動を伴うし、ドラムの音の情報量が増し、フレディの歌声も明瞭に抜ける。付属ケーブルで検証したPS5の初期状態の音質は何だったんだ……と言いたくなるほど、劇的に音質が変わる。
さらにアクセサリを追加してみよう。今度はクリプトンの電源タップ「PB-HR1500」(定価141,900円)だ。同じく『テネット』から試すと、映画のサラウンドに含まれる微細音が驚くほど鮮明になった。例えば航空機内のシーンでは、機体の外から聞こえる音といった微細音まで情報として掘り起こされ、視聴体験として場面への没入感も向上。
『ボヘミアン・ラプソディ』は歌声の響きに立体感と艶を増しているし、歓声も遠くの距離から全てが見通せて、ステージ上の包み込まれるような臨場感が現れる。ここまで来た段階で、DP-UB9000との価格差が埋まったが、その音質も十分勝負になるレベルになった。
今度は電源系以外のアクセサリーとして、PS5の下に振動を抑制するTAOC製のオーディオボード(定価36,750円)を追加。『テネット』では低音のパワー感が増してサラウンドの音の粒立ち、純度がアップ。『ボヘミアン・ラプソディ』では全体の音を引き締める方向で音質が向上し、バスドラムの音の輪郭と生々しさが増して、また異なる方面で高音質化が図られ、AVファンとしても評価すべき水準に到達した。
PS5に今回試したすべてのアクセサリーを買い足すと合計約25万円になり、UHD BDプレーヤーとしてもハイエンドな領域に入る。しかし、PS5にアクセサリーを組み合わせてアップグレードをするのはとても効果的なので、予算を考えて、吟味したアクセサリーを試してみてほしい。
もう一つ、当たり前のことながら忘れてはならないのは、PS5は新世代ゲーム機だ。PS5/PS4向けのゲームも遊べる。上記アクセサリーを付けた状態/外した状態でゲームタイトルを比較プレイしてみると、ゲームの効果音でもUltra HD Blu-ray再生時とまったく同傾向の音質向上を確認できた。例えば、サラウンド方向の物音を鮮明に聞き取れ、プレイ体験としても有利に働くとなると、俄然、音質向上を図るモチベーションも上がるというものだ。
総じて、PS5をUHD BDプレーヤーとして捉えると、初期状態での画質・音質は価格から見て標準的な水準と言える。ただ、そもそも自宅にUltra HD Blu-rayプレーヤーを所有していないなら、最高画質・音質を収録したディスクのプレーヤーはぜひ持っているべきだし、NetflixやAmazonプライム・ビデオなども再生できる点で実用性も高い。そしてもちろん、本来の用途であるゲームプレイも楽しめる。
今回は画質・音質のクオリティ向上というマニアックな方向も検証したが、やはりPS5は今後のAVファンが揃えるべき機器と言えるだろう。