【特別企画】Bluetooth送信機能付ケースが便利
驚きの高音質!完全ワイヤレスで“B&Wサウンド”、唯一無二の機能も備えた「PI7」レビュー
同じくアプリの“アンビエント・パススルー”項目からは、外音の取り込み具合をスライダーで微調整できる。デフォルト位置の“自然”からプラス/マイナスすることで、まさに自分好みにカスタマイズが可能だ。
■バイアンプ駆動のハイブリッドドライバーが“B&Wの音”を再現
PI7は完全ワイヤレスイヤホンの基本となるドライバーユニットの設計もハイエンドだ。BAドライバー+新開発9.2mmダイナミックドライバーをバイアンプ駆動。サウンドチューニングはB&WのHi-Fiスピーカーのフラグシップ“800Dシリーズ”の音響担当がチューニングに参加と、Hi-Fiオーディオファンが知れば知るほど魅力的なポイントが並ぶ。
実際にiPhoneでYOASOBI「夜に駆ける」から聴いてみると、鮮やかなまでの解像感と空間再現性に、B&Wのスピーカーが脳裏をよぎる。歌声も透明感があり鮮やかだが、メロディだけではなく空気の揺らぎまで精密に描写するし、克明過ぎるベースの表現、コーラスの音場の立体感も高い。
オーディオ的な経験を踏まえてPI7の音質を語ると、バイアンプらしく2基のドライバー共に完璧に独立駆動した全帯域に渡るスピーディーな応答性と、時間軸の精緻な再現。マルチドライバーをまとめ上げた巧みな音場再現まで、これぞB&Wの音だ。同クラスの高級NC完全ワイヤレスイヤホンと比べても、その音質の高さは傑出している。
ダイアナ・クラール「夢のカリフォルニア」でも、歌声の艶と共にジャズの生音の再現、そしてどこまでも繊細で丁寧な音場感に唸らされる。この機種ならばとベルリオーズ作曲「幻想交響曲 第四楽章」を聴いても、クラシックの微細音から再現するダイナミックレンジの広さ、音場の再現性まで万能だ。
続いてXperia 1IIと接続してaptX Adaptiveのサウンドで聞いてみると、音の鮮度と純度が、さらに向上。YOASOBI「夜に駆ける」でも透き通るような歌声に、今まで聴いた事がない次元で再現される歌声、キーボード、ギターとパート間の空間的な立体感が素晴らしい。強めの低音もベースの音色すら単調ではなく完璧にコントロールされた躍動感を伴う。
ダイアナ・クラール「夢のカリフォルニア」は極めて広い音場、どこまでも真に迫る歌声、全く歪み感のない楽器の音、艷やかで空間で再現する。ベルリオーズ「幻想交響曲 第四楽章」も小音量の冒頭からステージが浮かぶ再現性だ。AndroidスマホのaptX系サウンドは若干高域が強く出る傾向もあるが、音の鮮度と純度はさらに向上する。PI7のサウンドのポテンシャルは、凄まじいものがある。
既存のワイヤレスイヤホンのどの機種にも似つかない、完全ワイヤレスの音質の限界を突破したかのようなPI7の音楽表現。Hi-Fiオーディオファンならその音を聴くと「ああ、これはB&Wのハイエンドスピーカーと同じだな」と納得できてしまうところが、また末恐ろしい。
なお、連続再生時間は本体のみで約4時間、充電ケースで16時間が加わる。最新の完全ワイヤレスイヤホンとして若干再生時間は短めの部類だが、その中身を考えると納得せざるを得ない。
■専用ケースがBluetooth送信機に早変わり。低遅延コーデックがいつでも使える
PI7はそのサウンドだけでもハイエンドだが、付属の充電ケースにも唯一無二の特徴がある。充電ケースにBluetoothトランスミッターを一体化しているのだ。3.5mm端子にアナログ音声を入力するか、USB Type-C端子からデジタル音声信号を入力。すると充電ケース内部でAD変換やDD変換などが行われ、PI7へaptX Low Latencyで送信ができるのだ。
ユースケースとして想定されているのは、航空機内の機内エンターテイメントシステムをPI7のケースにアナログ入力して完全ワイヤレスで楽しんだり、スマホと直接デジタルでつないで高音質再生したり、といった使い方だ。また、B&Wブランドのワイヤレスヘッドホンもケースとペアリングして使用できるという。今回は別の活用法を試してみた。
次ページ専用ケースを使えば、低遅延/高音質コーデックがゲーム機でも使える!