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音も使い勝手も“ちょうどいい”の集大成!agの完全ワイヤレス「COTSUBU」レビュー

公開日 2021/07/15 06:40 高橋 敦
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明瞭さと柔らかさのバランスを取った、まさに「ちょうどいい」音質

では最後に“final監修”による音質をチェック。イコライザーによる処理は最小限にとどめ、アコースティックな調整を主体とすることで実現される、聴き疲れない音。そのコンセプトに沿ったサウンドデザインの最新版と呼ぶにふさわしい仕上がりとなっている。

様々な曲を聴いた中でこのイヤホンの特徴との相乗効果を最も強く感じられた楽曲は、星野源「不思議」だった。アナログ感のあるシンセサウンドのその柔らかさや肉感。全体の穏やかな空気感。それらの雰囲気を変に鋭い解像感で描いたりはせず、かといってさらに柔らかくしてぼやかしたりもせず、まさに「ちょうどいい」感触のままで届けてくれる。中高域の良質なほぐれや和らぎは、agらしい持ち味だ。

低音域の描写も良好。この曲はハマ・オカモトが初めて5弦ベースを使用していることもポイントだが、その届け方も見事だ。5弦ベースは単純に出せる最低音が下がるというだけではなく、低い音域全般でポジションニングの自由度が高まり、フレーズの幅が広がることも特徴。

例えばサビ前の歌詞の裏でのベースラインは、最低音の低さとその付近での動き方、ともに5弦ベースならではのフレーズとなっている。このイヤホンで聴くそれは、音色は温かく優しく、それでいて輪郭や音程感は明瞭。瞬間的な細かな動きもぼやけず、生き生きと躍動してくれるのが嬉しい。

音質もfinal監修で、明瞭さと柔らかさのバランスをとった聴き疲れしにくい音を届けてくれる

まったく毛色が異なるYOASOBI「怪物」を聴くとこちらでは、攻撃的な音色のシンセサイザーでのリフのその攻撃力は少し弱まるが、それゆえの聴きやすさもある。相対的にボーカルの存在感が強まりもするので、歌中心に聴きたい方にとってはこれはこれで魅力的かもしれない。

またこの曲は相当に音数が詰め込まれているが、それで空間が窮屈になってしまうこともない。空間表現の余裕も十分に確保してあるようだ。



総じて、聴きやすく心地よいサウンドという個性をしっかりと打ち出しつつ、決定的な得手不得手は出さないバランスにまとめられている。シャープな音が好き!とか迫力重視!といった場合は別として、おおよそ多くの音楽ファンに好まれるのではないだろうか。

自分で使うにしても周りにおすすめするにしても、今後しばらくは間違いない選択肢のひとつであり続けるであろうモデルだ。ただし、このモデルを選ぶところまでは迷わないとしても、どの色を選ぶかではかなり迷うことになるかもしれない。

(企画協力:株式会社final)

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