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CHORD COMPANYのスピーカーケーブルが激変! 「絶縁体」と「プラグ処理」の進化が鍵

公開日 2021/07/27 06:30 林 正儀
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■地獄の2年から救ってくれた「Chord Music」の存在

小林保則さんは以前からCHORD COMPANYのケーブルを愛用してきたユーザーだが、このほど愛用してきたウイルソン・オーディオの「Sasha」から180度志向を変え、ソナス・ファベールのクレモナシリーズ「IL CREMONESE」を導入。音楽鑑賞を楽しむ毎日という。東京郊外の静かな環境、天然木の響きを生かした明るい18畳のリスニングルームだ。天井が高く、左右対象でないこの部屋に、巨大なスピーカーが設置されている。

CHORD COMPANYケーブルのユーザー、小林保則さん

「実は少し病気をしましてね。快気祝いに迎え入れたのがソナスのスピーカーでした。古希でもありますし(笑)」。それにしても思い切ったというか、ウィルソンからソナスは振り幅が大きすぎるなあ……などと考え事をする間もなく、「これが鳴ってくれなくて、地獄の2年でした」と遍歴を語る小林さんである(嬉しそうだが)。

小林さんの18畳のリビングルーム。平屋建てにこだわり、天井の高さも魅力的。床と壁は杉材、柱は檜で天然木の響きを生かしている

部屋のせいなのか。周波数のかぶりというか、とにかく低音が出ない。そこで駆動力のあるダン・ダゴスティーノのパワーアンプを導入。コンステレーションのプリと試行錯誤しつつ、デジタルプロッサーも導入する。だが、強制的に整えた音楽再生だけでは潔しとしない。ケーブルは某メーカーのシルバー線を使ったこともあったそうだ。

パワーアンプはダン・ダゴスティーノのモノラル仕様

そんな時、アンダンテラルゴの無料貸し出しサービスで頼んだ「Sarum T」と「Chord Music」のスピーカーケーブルが届いたのだ。「どうせダメだろうと思ったけど、違いましたね。これにはビックリ。俄然低音が出るようになり、音が生き生きとしてきたのです」。そして色々な音楽を試していった結果「Chord Music」が“救い”をもたらしたのだ。

ソナス・ファベールの「IL CREMONESE」に装着されたスピーカーケーブル「Chord Music」

■一音一音が味わい深く、開放的な音楽を堪能

その音を、いや小林さんの愛する音楽を聴かせていただいた。気品のあるクレモナらしい、艶やかでありなら凛としたたたずまいの音楽たちが次から次へ……。45回転盤の『シャブリエ』(マーキュリー)は、明るく迫力がある。情熱のリズムと華やかな金管が印象的だ。続いてバッハのモテット集。これも80年頃の録音だが、豊かな低音域に支えられ天井から至福のコーラスが舞い降りる。

ピアノ三重奏の「大公トリオ」は絶品だ。ゆったりとくつろいで音の重なりを楽しむ。一音一音が味わい深くこれぞ燻し銀の音である。「エテルナ盤の室内楽が聴けるようになりました」。私が持参した「角田健一ビッグバンド」(SACD)はスカっと開放的なサウンドが味わえた。小林さんの温かな人柄を感じながらのあっという間の3時間だった。

(提供:アンダンテラルゴ)

本記事は『季刊・analog vol.72』からの転載です

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