【特別企画】オーディオアクセサリー銘機賞 グランプリ受賞
電源の空き端子に挿すだけ、CHORD COMPANY“パワーアレイ”の効果を評論家6名が語る!
英国のケーブルブランド、CHORD COMPANYが手掛けた電源アクセサリー「PowerARAY(パワーアレイ)」が本年度のオーディオアクセサリー銘機賞で「グランプリ」を受賞した。昨年登場した“ノイズ・ポンプ”「グラウンドアレイ」に続くモデルで、使用方法は電源の空き端子に挿すだけというシンプルなもの。その絶大な効果を、6人の審査委員に語ってもらった。
CHORD COMPANY
PowerARAY
電源用ノイズ対策アイテム
120,000円(1個/税別)
■スーパーアレイ技術を搭載、電源のノイズを除去してくれる(林)
電源の質を向上させるアクセサリーの中でも、急に伸びてきたのが壁コンセントなどに挿すタイプの製品だ。技術的や効果はメーカーそれぞれぞれ。いくつか集めて検証しているが、そんななかに英国のケーブルブランド、CHORD COMPANYが参入してきた。それが「パワーアレイ」、 好評の昨年度最高位グランプリを受賞した「グラウンドアレイ」に続く第2弾。ノイズ・ポンプの電源バージョンと言える。
電源からノイズを吸い取るとは一体どういういうことか? 同社の最高ランクのケーブルChord Musicの譲りの技術であるスーパーアレイを搭載しているのは確かだが、具体的なアレイ素子(パッシブ)や構造の詳細は明かされない。これは先入観による間違った想像を防ぐためだが、1〜2点補足をしておこう。
電源用の「パワーアレイ」は、オーディオ信号レベルの微細なノイズだけをキャッチする「グラウンドアレイ」とは違い、オルタネイティング(AC)の高電圧環境で、より高いノイズレベルに作用する仕組みだ。
また「パワーアレイ」自体には一切の電流動作や回路を持たない。フィルターとは異なる並列接続で、供給電源はアレイデバイスを経由せず、ダイレクトに機器に供給されることが他社との大きな違いだ。同社の上級ケーブル「Music」や「SarumT」のみに採用されている絶縁素材の“タイロン”や多層のシールディングも施すという厳重なものだ。
ボディ全体が極めて強固につくられ、手に持つと重い。75gだ。電磁シールドの内部はぎっしりと硬質樹脂を充填。素子のマイクフォニックノイズを抑えるためだが、素子同士が振動するとミクロの世界ではあるが歪みや色付けが発生する。ノイズを吸収しながら、一方で色をのせるなんて、絶対にあってはならない。ストイックなくらいに完璧を追求した作りになっているのだ。
■コンセントに挿入するだけで、桁違いの静寂に包まれる
使い方はシンプルで、壁コンセントや電源タップに挿すだけだ。タップを使っている場合は、上流側(電源入り口)を推奨している。瞬時にS/N向上や音場が澄むのは分かるのだが、その度合いがすご過ぎる。というか、広帯域にわたって根こそぎノイズが吸収される。桁違いの静寂に包まれるのだ。
まずはクラシックで、「ブルックナー:第7番」の霧のような弱音弦のみずみずしさはどうだろう。木管ソロがぽっと浮かび上がる。ハーモニーが次第にうねる。ぶ厚く重なりあって輝かしいクライマックスに至る。体か熱くなるこの高揚感は得がたい体験だ。静けさこそオーディオ再生の原点であるなと、改めて知らされた。
一転してミュージカルのライヴを聴くと、ただただ生々しい。ベタっと平面だったのが、3次元的に広がる声の位置と表情。そして歩幅まで分かる臨場感がすごい。これも静けさがベースで、S/Nや解像度がしっかり確保されているからこそだ。
ジャズは聴きなれたピアノトリオで、あっという間にステージができる。トリオの三角形があるべき位置にぴたっとおさまり、ドラムやシンバルの質感とリアルな点在感に目をみはった。一度つけてしまうと、外した時のあまりの落差に愕然とするだろう。
参考までに使い方の提案をしたい。「パワーアレイ」1本でもシステム全体を覚醒させることができる。そのポテンシャルは魅力だが、できれば上流と下流はタップごと分けたい。筆者の場合、モノラルパワーアンプ(ファーストワットSIT1)のセパレーションと純度感、駆動力が格段に増強された。予算を工面して2本、3本と複数本用意できればそれだけ用途も広がるわけで、電源環境の大きな改善につながる。
言うまでもなく、電源はすべての元だ。応用編としては「パワーアレイ」での改善をべースとし、これという機器の空き端子を「グラウンドアレイ」で対策する。CHORD COMPANYの開発魂による積み重ね効果が期待できよう。私はもう始めている。
PowerARAY
電源用ノイズ対策アイテム
120,000円(1個/税別)
■スーパーアレイ技術を搭載、電源のノイズを除去してくれる(林)
電源の質を向上させるアクセサリーの中でも、急に伸びてきたのが壁コンセントなどに挿すタイプの製品だ。技術的や効果はメーカーそれぞれぞれ。いくつか集めて検証しているが、そんななかに英国のケーブルブランド、CHORD COMPANYが参入してきた。それが「パワーアレイ」、 好評の昨年度最高位グランプリを受賞した「グラウンドアレイ」に続く第2弾。ノイズ・ポンプの電源バージョンと言える。
電源からノイズを吸い取るとは一体どういういうことか? 同社の最高ランクのケーブルChord Musicの譲りの技術であるスーパーアレイを搭載しているのは確かだが、具体的なアレイ素子(パッシブ)や構造の詳細は明かされない。これは先入観による間違った想像を防ぐためだが、1〜2点補足をしておこう。
電源用の「パワーアレイ」は、オーディオ信号レベルの微細なノイズだけをキャッチする「グラウンドアレイ」とは違い、オルタネイティング(AC)の高電圧環境で、より高いノイズレベルに作用する仕組みだ。
また「パワーアレイ」自体には一切の電流動作や回路を持たない。フィルターとは異なる並列接続で、供給電源はアレイデバイスを経由せず、ダイレクトに機器に供給されることが他社との大きな違いだ。同社の上級ケーブル「Music」や「SarumT」のみに採用されている絶縁素材の“タイロン”や多層のシールディングも施すという厳重なものだ。
ボディ全体が極めて強固につくられ、手に持つと重い。75gだ。電磁シールドの内部はぎっしりと硬質樹脂を充填。素子のマイクフォニックノイズを抑えるためだが、素子同士が振動するとミクロの世界ではあるが歪みや色付けが発生する。ノイズを吸収しながら、一方で色をのせるなんて、絶対にあってはならない。ストイックなくらいに完璧を追求した作りになっているのだ。
■コンセントに挿入するだけで、桁違いの静寂に包まれる
使い方はシンプルで、壁コンセントや電源タップに挿すだけだ。タップを使っている場合は、上流側(電源入り口)を推奨している。瞬時にS/N向上や音場が澄むのは分かるのだが、その度合いがすご過ぎる。というか、広帯域にわたって根こそぎノイズが吸収される。桁違いの静寂に包まれるのだ。
まずはクラシックで、「ブルックナー:第7番」の霧のような弱音弦のみずみずしさはどうだろう。木管ソロがぽっと浮かび上がる。ハーモニーが次第にうねる。ぶ厚く重なりあって輝かしいクライマックスに至る。体か熱くなるこの高揚感は得がたい体験だ。静けさこそオーディオ再生の原点であるなと、改めて知らされた。
一転してミュージカルのライヴを聴くと、ただただ生々しい。ベタっと平面だったのが、3次元的に広がる声の位置と表情。そして歩幅まで分かる臨場感がすごい。これも静けさがベースで、S/Nや解像度がしっかり確保されているからこそだ。
ジャズは聴きなれたピアノトリオで、あっという間にステージができる。トリオの三角形があるべき位置にぴたっとおさまり、ドラムやシンバルの質感とリアルな点在感に目をみはった。一度つけてしまうと、外した時のあまりの落差に愕然とするだろう。
参考までに使い方の提案をしたい。「パワーアレイ」1本でもシステム全体を覚醒させることができる。そのポテンシャルは魅力だが、できれば上流と下流はタップごと分けたい。筆者の場合、モノラルパワーアンプ(ファーストワットSIT1)のセパレーションと純度感、駆動力が格段に増強された。予算を工面して2本、3本と複数本用意できればそれだけ用途も広がるわけで、電源環境の大きな改善につながる。
言うまでもなく、電源はすべての元だ。応用編としては「パワーアレイ」での改善をべースとし、これという機器の空き端子を「グラウンドアレイ」で対策する。CHORD COMPANYの開発魂による積み重ね効果が期待できよう。私はもう始めている。