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サウンドと機能ともにステップアップ

新「AirPods」ハンズオン! 別モノの音質に進化、ノイキャンなしでも“価値あり”

公開日 2021/10/26 01:00 山本 敦
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音もれをしっかりと抑制。クリアな通話音声

AirPodsは開放型イヤホンなので、音漏れも気になるところかもしれない。第2世代のAirPodsと聴感上のボリュームを近づけて音漏れの具合を比べてみたところ、新しいAirPodsの方が特に高音域の漏れが抑えられているようだ。開放型のイヤホンなので、装着した状態でも屋外の環境音、隣にいる人の話声などが漏れ聞こえてくるものの、音楽再生やハンズフリー通話を始めると第2世代のAirPodsに比べてサウンドがしっかりと聴こえてくる。だからこそ、筆者は新しいAirPodsにも、あえて「外音取り込み機能」を付けて良かったのではないかと思う。

FaceTimeアプリではHD高音質の音声通話が行える。内蔵マイクによる通話音声の品質は第2世代のAirPodsよりもノイズ感が減り、通話相手に話者のクリアな声を届けられるようになった。通話相手の音声を聞く方もまた、音声の輪郭がボールドに描けるようになっている。

またiOS 15から、FaceTimeの通話時に、空間オーディオによる立体的な音声コミュニケーションが可能になった。新しいAirPodsがあれば、通話相手が目の前にいて話しているようなリアルな音声コミュニケーションが実感できるはずだ。

iOS 15からFaceTime通話も空間オーディオ再生に対応する

アップルらしさが光る機能を隅々までチェック

その他、第3世代のAirPodsに新しく搭載された機能の使い勝手をチェックしてみよう。

「肌検出センサー」は、イヤホンの「自動耳検出」機能による着脱検知の精度を高めるため新規に開発され、新しいAirPodsに初搭載された。イヤホン着脱検出機能を搭載した多くの完全ワイヤレスイヤホンは、同様の機能を光学センサーで実現している。なかには人の肌ではない箇所に触れてもセンサーが反応してしまい、バッグやポケットの中で音楽再生を始めることもあるという。

耳に触れる側に肌検出センサーを内蔵する

デュアル光学センサーにより自動耳検出を行うAirPods Proと比べてみたが、本機の機能は完成度が高いため差は出なかった。耳からの着脱には正確に反応するし、衣服の上からイヤホンを体に当てがってみても誤動作はおきなかった。アップルがより高精度なセンサーの開発に踏み切ったことで、今後、他社製品の間でも肌検出センサーがトレンドになるかもしれない。

新しいAirPodsもまた、アップルのデバイスが対応する「探す」アプリによるBLEベースの探索に対応する。今年の10月からAirPods Pro/AirPods Maxがファームウェアのアップデートにより「探す」ネットワークをサポートした。アプリから「探す」機能を選択した際のユーザーインターフェースも変わり、見当たらないAirPodsのイヤホンに近づいているのか、あるいは遠ざかっているかを知らせてくれる。同じ使い勝手が新しいAirPodsで実現されている。

「探す」アプリによるネットワークも活かした紛失時探索ができる

MagSafe充電器によるワイヤレスチャージにも対応した。一般的なQi規格に対応するワイヤレスチャージも従来通り利用できるのだが、MagSafe充電器の方がケースがマグネットで吸い付き固定されるのでより安心だ。

コンパクトになった充電ケース。念のためAirPods Proのケースで新しいAirPodsは充電できない

グネットで固定されるMagSafe充電器によるワイヤレスチャージに対応した



新しいAirPodsは、サウンドと機能の両面から、着実なステップアップが実感できる完全ワイヤレスイヤホンになった。

ANC機能を搭載する完全ワイヤレスイヤホンは、1万円前後で買える製品も増えているが、やはりiPhoneやiPadなどAppleのデバイスとあらゆる面で親和性が高く、サードパーティによる「AirPods専用アクセサリー」が今後増えてくることも期待すると、新しいAirPodsに2万円を投じる価値は大いにある。

特にサウンドは大きく様変わりしているので、既に第2世代AirPodsやAirPods Proを愛用している方も、積極的に新AirPodsをコレクションに加えて良いと思う。

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