Android 12標準搭載のフラグシップ機
グーグル「Pixel 6/Pro」速攻レビュー、最新機能盛りだくさんの“使える”5Gスマホ
■オーディオ・ビジュアルの気になるポイントもチェックした
オーディオ・ビジュアルの目線からPixel 6シリーズの実力を検証してみよう。2機種が搭載するディスプレイはともにHDR映像コンテンツの表示に対応するとうたわれている。輝度のパフォーマンスについてはスペックを公表していない。
ディスプレイの輝度を最大にして、iPhone 12 Pro Maxで撮影したHDR動画をPixel 6 Proに転送。映像の見え方を比べてみた。Pixel 6 Proのディスプレイはカラー設定がデフォルトの「ナチュラル」にした状態で色温度がやや高く、明暗のコントラスト感を強調した色づくりになっていた。Pixel 6シリーズはカラー設定以外にディスプレイの詳細を追い込むメニューを設けていない。
オーディオは3.5mmヘッドホンジャックを搭載してないところが、スタンダードモデルであるPixel 5a (5G)と異なっている。USB-C端子からの変換アダプター、またはハイレゾ対応のUSB DACを内蔵するヘッドホンアンプなどを併用したい。
ひとつ気になることは、リニアPCMで最大384kHz/32bit再生に対応するShanlingのUSB-C接続のポケットDAC「UA1」をつないで、Amazon Musicの192kHz/24bitのUltra HDコンテンツを再生してみたところ、Pixel 6/Pixel 6 Proともに端末の再生スペックが96kHz/24bitを上限として表示されたことだ。
Pixel 5a(5G)で確かめたところ、同じ192kHz/24bitのハイレゾ音源をそのまま再生できている。端末とアプリのどちら側に起因して発生した現象なのか、Pixel 6シリーズの発売後に再度確かめてみる必要もありそうだ。
Bluetoothオーディオのコーデックは、エンコーダがAndroid Open Source Projectに寄贈されているLDACとaptX HDがPixel 6シリーズでも利用できる。aptX Adaptiveには非対応だ。
内蔵スピーカーによるオーディオ再生も確認してみたが、本体を横に構えて視聴すると左右のバランスに若干の偏りが感じられる。トップが正面向き、ボトムが側面向きに開口部を配置するスピーカーであり、そのギャップをハードウェアやDSPによる調整で追い込み切れていないところに原因があるのではないかと推察する。
■Android 12の最新機能にいち早く触れられる
Android 12にはカスタマイズ性を高めた新しいユーザーインターフェース「Material You」が採用される。壁紙やノーティフィケーショントレイのアイコン表示の基本色を、ユーザーが好みに合わせて変更できる。ベータ版として提供される「テーマアイコン」を選択するとグーグル純正アプリのアイコンは設定した基本色に合わせて、単色でシンプルに表示される。
Pixel 6シリーズはGoogle TensorチップによるイノベーティブなAI関連の機能と、最新のAndroid 12のアップデートをいち早く試せる魅力的な5Gスマホだ。光学4倍ズーム機能を搭載する望遠カメラ、最大120Hz駆動のスムーズディスプレイなどにこだわらないようであれば、6.4インチの「Pixel 6」が4万円ほど安く買えるのでお得と言えるのではないだろうか。