[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域【第264回】
フェイスプレート交換でサウンド調整!画期的イヤホンNF Audio「NE4 Evolution」の出来栄えは?
■フェイスプレート交換機構はシンプルで実用的
しかしこの手のシステムの実用性はその実装の出来栄え次第。このイヤホンのネットワーク回路内蔵フェイスプレート交換システムはその点どうだろう?
フェイスプレートの固定は、一箇所を引っ掛けてその反対側をネジで固定してあるだけ。シンプル!シンプルであるからこそ、その使いやすさは加工精度や細部の工夫次第となるが、このイヤホンはそこの作り込みが見事だ。
まず、フェイスプレートとその受けとなるハウジングは遊びなく綺麗にハマる。そしてフェイスプレート側のネットワーク回路とハウジング側のドライバーとの接続端子もポイント。ハウジング側の端子にバネが仕込まれており、フェイスプレートを軽く押し上げるようになっている。
それによってフェイスプレート固定のガタ付きをなくすと同時に、接点同士の接触を確実にしている。一箇所のバネで二つの効果を得ている、巧みな設計だ。
搭載ドライバーのセレクトにも納得がいく。
●Knowles 31736×2(高域ドライバーとして定番)
●Knowles 29689
●Knowles 22955(低域ドライバーとして定番)
※31736はいわゆるデュアルドライバーで、2基のドライバーが1つのパッケージにまとめられている
この組み合わせは定評ある様々なイヤホンで採用実績のある、いわば「定番セット」だ。各社各製品ごとの様々なサウンドキャラクターを生み出している組み合わせなだけに、ネットワーク回路変更によるチューニングにも素直に幅広く応えてくれると期待できる。
■フェイスプレート交換の威力!
ではいよいよ、フェイスプレート交換=ネットワーク変更の威力をお伝えしていこう。
まずはこちらの表で付属の各フェイスプレートの内容と、それぞれの試聴印象をまとめて紹介!
総じて、メーカーの狙いと実際に聴いての印象はほぼ一致していた。試聴曲には以下の3曲を使用した。
■José James「Just The Two of Us」
■Robert Glasper Experiment「Human」
■YOASOBI「怪物」