あの国内大手ブランドがゲーミングに本腰
「JVC GAMING」第一弾ゲーミングヘッドセット「GG-01W」を試す。「音が鳴っている位置の再現がきわめて正確」
GG-01Wを使ってまず驚いたのは、音が鳴っている位置の再現がきわめて正確なことだった。敵拠点で数m先を歩く歩哨の足音や兵士同士の会話、拠点外を走る車の駆動音やカーステレオから流れる歌声といった、状況把握のために必要な物音の方向がしっかりと把握できる。これは次の行動を決める材料として役立つだけでなく、作品世界の解像感を上げ、臨場感を出す観点でも貢献しており、個人的にかなりテンションの上がる体験となった。
今回は試していないが、GG-01Wが持つ位置再現の正確さは、たとえば「Counter-Strike: Global Offensive」(CS:GO)のように、足音のする距離感や方向から敵の位置を把握することが重要な対戦シューターでも活きる性能だといえるだろう。
■「日常的に使い倒せるゲーミングヘッドセットとして優秀な製品」
また、GG-01Wを試用してみて印象に残ったのは、「軽くて取り回しがしやすい」ことだった。これはヘッドセット自体が軽量であるということだけでなく、ヘッドセット自体の構造にもよるものだ。
たとえばイヤーカップは水平方向に90度回転するので、ゲームの合間にちょっと首にかけて一息つきたいときでも、さっと掴んですっと下ろせる気軽さがある。無線接続時であれば、少し席を外すにも抵抗感がほとんどない。ヘッドセットを長時間使っていると、ある種の一体感というか「めんどくささ」が生まれて、着脱に若干の気合いが必要になるものだが、GG-01Wの場合は着脱にかかる負荷が低いように感じた。
こうした「気軽さ」のある製品は、着脱が多くなる分、すぐ壊れてしまうのではないかという懸念もあるだろう。長期間使ってみないと強度面の評価はできないが、筆者が2週間程度試用してそれなりの回数(40〜50回程度)着脱した範囲では、パーツの接合部や可動部にがたつきなどは特に発生しなかった。JVCによれば軽量化と並んで強度面にも配慮して開発したそうなので、無茶な使い方をしない限りは長く使えるのではないだろうか。
正確な音の位置再現能力と、長時間装着していても疲れない軽快さを併せ持ち、手頃な価格で入手できる点からみても、日常的に使い倒せるヘッドセットとして優秀な製品といえる。
今回のレビューではあまり音質について触れていないが、GG-01Wの場合はさすがにオーディオメーカー製というだけあって、普段遣いのヘッドホンとして見ても、価格相応の音が鳴ってくれていたように思う。ゲーミングデバイスはゲームプレイにおいて性能を出すことが存在意義なので、ヘッドセットの場合「音質は必要最低限で十分」という考え方もあるが、本機の場合はゲーミングデバイスとして求められる性能をクリアしつつ、ヘッドホンとしての音質と価格のバランスをうまいこと取っているようにも感じられた。
Bluetooth接続はできないのでスマホとの接続は有線のみに限られるが、PCゲームをメインに遊ぶプレイヤーにはおすすめできるヘッドセットだ。