【特別連載】第3回「RITEK光ディスクへのこだわり」
プロ市場も納得の高品質「Ritek ArchivalシリーズBD-R」がVGP2022「金賞」と「企画賞」を受賞
■特別な配合の貴金属合金記録層を採用
世界有数の光ディスクメーカー RITEKから、注目の高品質の録画用BD-Rディスク「Ritek ArchivalシリーズBD-R 4X(BDR-25AG10SC)」(スリムケース入り10枚パック/オープン価格:市場想定価格2,400円前後)が正式発表され、発売予定日が2022年2月中旬に決定した。先頃開催されたVGP2022においてもディスクメディア部門「金賞」と「企画賞」を合わせて受賞。その優れた品質が高く評価された。
解像度の向上と記録データの増加に伴い、記憶媒体の再生品質にはより精密さを求められ、4Kなど超高画質の再生には記録品質、信号特性の安定、エラー率の低減が重要な品質要件となる。それらのニーズに応えるべく開発されたのが「Ritek ArchivalシリーズBD-R 4X」だ。多くの原料による記録特性テストを重ね、特別な配合の貴金属合金記録層を採用。優れた化学的・物理的性質を備え、高純度・高温耐性・不溶性など安定した性質を保つことで飛躍的な長期保存を可能にし、信号特性、パワーマージン、記録安定性、耐久性などにおいて非常に優れた性能を発揮する。長期保存や4K UHDの高品質を追求するプロ市場はもちろん、一般消費者においても間違いなく最適な選択肢になるに違いない。
そこで、今から発売が待望される「Ritek ArchivalシリーズBD-R 4X」の開発背景およびその実力を、RITEK開発チームの声とVGP審査委員・林正儀氏による製品レポートから掘り下げていく。
■開発チーム 責任者・鄭富文氏「マラソンのような厳しい戦いだった」
多大な努力が必要な開発テーマになることは明らかで、私はまず研究開発、生産、品質保証の各メンバーへコンタクトをとり、この重責を共に果たすための開発チームを結成し、マラソンのように長いノンストップの闘いが始まりました。アーカイブディスクとして、高温多湿下での1,000時間以上におよぶシミュレーションテストでデータを正常に保存する必要があり、その要件を満たすため、腐食や酸化に耐えるだけにとどまらない適切な材料を選択しなければなりません。記録特性に関連する文献や技術レポートを24時間体制で研究した結果、特定の貴金属をベースにした記録層の原材料を選択し、同時に保護層と反射層の原材料を準備しました。
続いて、それらの層の組み合わせと厚さを調整しなければなりません。テスト→分析→補正→テストのサイクルを何度も繰り返して行いました。タイムスケジュールを早める意味から、アーカイブディスクに求められる認定基準よりも高い値に設定した予備評価を行い、時には挫折しながらも修正を重ね、最終的に最適な組み合わせと厚さの条件を得ることができたのです。
サンプルが完成し、“ラストワンマイル”とも言える1,000時間の過酷な高温多湿条件下での内部試験が開始されました。多数のディスクをグループに分けて試験機に投入します。ディスクデータと記録信号が100時間ごとに測定され、その測定値の報告は我々にとってはまさに生死の宣告のようなものです。900時間をクリアし、あと100時間、最後の宣告を前にしたとき、もし最終的に満足のいく結果でなかった場合、すべてがふりだしに戻ってしまうという何とも言えない恐怖心に襲われ、それは100時間どころではない恐ろしく長く苦しい時間に感じられました。
最終結果が報告され、見事に内部試験に合格。認証機関の試験には自信を持って送り出すことができ、無事、長期保存が可能となるアーカイブディスクとしての認定を受けることができました。私たち開発チームにとって素晴らしいチャレンジであったと同時に、皆のキャリアにおいても決して忘れることができない1ページが刻まれました。(鄭富文氏)
■林正儀レポート「色調を見事に描き分ける!吸い込まれるような遠近感」
今回のVGP2022でも審査員の注目を集めたRITEKの録画用ブルーレイディスク「Ritek ArchivalシリーズBD-R 4X」が、プロ用途向けの高いクオリティと信頼性が評価され、金賞と企画賞を受賞した。また「Ritek Pro“CG”」の「VGP2021」受賞から、「VGP2021SUMMER」「VGP2022」の3期連続での受賞は、まさに快挙と言えるだろう。
「安心して手軽に記録、保存したい」というニーズは、プロ現場はもちろん、画質にこだわる多くの映像ファンが持っているもので、老若男女を問わずもっと広くの人にRITEKの光ディスクを知って欲しいし、ディスク市場がシュリンクする中でのBD-Rのありがたさ、存在意義を知って欲しいと思う。
本ディスクが画期的なのは、記録層として多くの原料の中から厳選された“特別配合の貴金属合金タ−ゲット”を採用したことに集約される。おかげで全周にわたってエラーレートやジッター値、反りや偏芯値の少ない極めて高精度かつ安定した映像記録を獲得する。他社ブランドの製品を大きく引き離し、国際規格で50年以上の長期保存性が認定されており、中でも“ディスクをお湯に入れたまま30分煮沸させる”という苛酷なRITEK試験には驚いた。ここまでやるのかと…。
仕事がらミュージシャンや録音技師から、新作の検聴用にファイルデータではなくCD-Rに焼いて渡されることがあるが、自宅システムで手軽に試聴ができるので重宝している。そうした経験からも、本ブルーレイディスクがどんな記録映像を見せるのか興味津々だった。
手持ちのパナソニックBDレーダーで録画してみる。ソースは高画質をウリにする4Kの放送番組で、主に映画やドラマ、アニメ作品などだが、まずは海外のドキュユメントで試す。面ブレや偏芯のない実に静かな回転だ。一見してディスク性能を実感できる美しい再生画で、自然風景がとてもナチュラルに描かれる。ノイズがなく見通しのよいヨーロッパの街並みだ。見所は色のデリケートさとその深みだろう。色調を見事に描き分け、吸い込まれるような遠近感に見惚れてしまう。NHKアーカイブスの『カーニバル』は高精細で鮮明そのもの。まばゆいばかりに衣装が華麗で、肌の質感も生々しく忠実に光の乱舞を再現した。ハリウッドの新作は映像にキレがあり、黒が締まってコントラスト十分。往年の名画の4Kリマスターは繊細で柔らか。レトロ感のあるフィルムっぽい味わいを見せてくれる。
内蔵HDDからのダビングでも、画質の劣化や変化は皆無。丁寧に見比べてもオリジナルどおりの高いクオリティを保ってくれた。これなら安心して、大切なアーカイブとして長く大切に所有したい。若い人にもぜひディスク文化を継承していって欲しいものだ。貴金属合金をはじめ、RITEKの技術力と品質がすみずみまで活かされた新ディスクの誕生を祝いたい。個人的にはCDレコーダーで手軽に記録できる音楽用CD-Rの開発を期待しよう。ディスク市場で奮闘するRITEKを力を込めて応援したい。(林正儀氏)
■BD-R 50GB、BD-R DSD両面 200GBも発売へ
「Ritek ArchivalシリーズBD-R 4X」のVGP2022受賞に対し、同社メディアビジネス部門 部長・呉孟翰氏は「日本国内最大級のオーディオ&ビジュアル機器の総合アワードVGP2022において、オーディオビジュアル機器の魅力を熟知した評論家や日本全国の有力販売店による厳正な審査により、ディスクメディア部門で3期連続にわたり受賞したことは大変光栄です。それはまさに、終始一貫して最高品質の記録ディスクを、常に積極的に追求し続けてきたRITEK社の姿勢と能力を証明するものでもあります。データ保存の安全性や耐久性だけでなく、最高品質のオーディオやビデオが要求される音響・映像業界向けにも最適設計のディスクと確信します」と自信をのぞかせた。
また、メディアビジネス部門 副部長・周文祥氏は「名誉あるVGP受賞に審査員の皆様に感謝申し上げます。本製品はアーカイブディスクの国際規格ISO/IEC16963の認定を受けた台湾初のBD-R 25GB製品となり、同規格で定められた非常に厳しい環境下、4種類の経年劣化シミュレーションに合格し、実に721年以上の長期保存が証明されました。これはM-DISCのレベルに匹敵します。研究開発、製造、品質管理、営業すべての努力が必要であったことは言うまでもありません」と開発を振り返った。さらに、「今回のBD-R 25GBと同時に、BD-R 50GB、BD-R DSD両面 200GBについても認定をいただいており、将来的に長期保存用光ディスクとして商品化を予定しております」と今後のラインナップ拡充を予告した。音楽用CD-Rの開発も噂されるなど、オーディオ・ビジュアルファンにとって、2022年もRITEKの動向から目が離せない。
(協力:RITEK)
世界有数の光ディスクメーカー RITEKから、注目の高品質の録画用BD-Rディスク「Ritek ArchivalシリーズBD-R 4X(BDR-25AG10SC)」(スリムケース入り10枚パック/オープン価格:市場想定価格2,400円前後)が正式発表され、発売予定日が2022年2月中旬に決定した。先頃開催されたVGP2022においてもディスクメディア部門「金賞」と「企画賞」を合わせて受賞。その優れた品質が高く評価された。
解像度の向上と記録データの増加に伴い、記憶媒体の再生品質にはより精密さを求められ、4Kなど超高画質の再生には記録品質、信号特性の安定、エラー率の低減が重要な品質要件となる。それらのニーズに応えるべく開発されたのが「Ritek ArchivalシリーズBD-R 4X」だ。多くの原料による記録特性テストを重ね、特別な配合の貴金属合金記録層を採用。優れた化学的・物理的性質を備え、高純度・高温耐性・不溶性など安定した性質を保つことで飛躍的な長期保存を可能にし、信号特性、パワーマージン、記録安定性、耐久性などにおいて非常に優れた性能を発揮する。長期保存や4K UHDの高品質を追求するプロ市場はもちろん、一般消費者においても間違いなく最適な選択肢になるに違いない。
そこで、今から発売が待望される「Ritek ArchivalシリーズBD-R 4X」の開発背景およびその実力を、RITEK開発チームの声とVGP審査委員・林正儀氏による製品レポートから掘り下げていく。
■開発チーム 責任者・鄭富文氏「マラソンのような厳しい戦いだった」
多大な努力が必要な開発テーマになることは明らかで、私はまず研究開発、生産、品質保証の各メンバーへコンタクトをとり、この重責を共に果たすための開発チームを結成し、マラソンのように長いノンストップの闘いが始まりました。アーカイブディスクとして、高温多湿下での1,000時間以上におよぶシミュレーションテストでデータを正常に保存する必要があり、その要件を満たすため、腐食や酸化に耐えるだけにとどまらない適切な材料を選択しなければなりません。記録特性に関連する文献や技術レポートを24時間体制で研究した結果、特定の貴金属をベースにした記録層の原材料を選択し、同時に保護層と反射層の原材料を準備しました。
続いて、それらの層の組み合わせと厚さを調整しなければなりません。テスト→分析→補正→テストのサイクルを何度も繰り返して行いました。タイムスケジュールを早める意味から、アーカイブディスクに求められる認定基準よりも高い値に設定した予備評価を行い、時には挫折しながらも修正を重ね、最終的に最適な組み合わせと厚さの条件を得ることができたのです。
サンプルが完成し、“ラストワンマイル”とも言える1,000時間の過酷な高温多湿条件下での内部試験が開始されました。多数のディスクをグループに分けて試験機に投入します。ディスクデータと記録信号が100時間ごとに測定され、その測定値の報告は我々にとってはまさに生死の宣告のようなものです。900時間をクリアし、あと100時間、最後の宣告を前にしたとき、もし最終的に満足のいく結果でなかった場合、すべてがふりだしに戻ってしまうという何とも言えない恐怖心に襲われ、それは100時間どころではない恐ろしく長く苦しい時間に感じられました。
最終結果が報告され、見事に内部試験に合格。認証機関の試験には自信を持って送り出すことができ、無事、長期保存が可能となるアーカイブディスクとしての認定を受けることができました。私たち開発チームにとって素晴らしいチャレンジであったと同時に、皆のキャリアにおいても決して忘れることができない1ページが刻まれました。(鄭富文氏)
■林正儀レポート「色調を見事に描き分ける!吸い込まれるような遠近感」
今回のVGP2022でも審査員の注目を集めたRITEKの録画用ブルーレイディスク「Ritek ArchivalシリーズBD-R 4X」が、プロ用途向けの高いクオリティと信頼性が評価され、金賞と企画賞を受賞した。また「Ritek Pro“CG”」の「VGP2021」受賞から、「VGP2021SUMMER」「VGP2022」の3期連続での受賞は、まさに快挙と言えるだろう。
「安心して手軽に記録、保存したい」というニーズは、プロ現場はもちろん、画質にこだわる多くの映像ファンが持っているもので、老若男女を問わずもっと広くの人にRITEKの光ディスクを知って欲しいし、ディスク市場がシュリンクする中でのBD-Rのありがたさ、存在意義を知って欲しいと思う。
本ディスクが画期的なのは、記録層として多くの原料の中から厳選された“特別配合の貴金属合金タ−ゲット”を採用したことに集約される。おかげで全周にわたってエラーレートやジッター値、反りや偏芯値の少ない極めて高精度かつ安定した映像記録を獲得する。他社ブランドの製品を大きく引き離し、国際規格で50年以上の長期保存性が認定されており、中でも“ディスクをお湯に入れたまま30分煮沸させる”という苛酷なRITEK試験には驚いた。ここまでやるのかと…。
仕事がらミュージシャンや録音技師から、新作の検聴用にファイルデータではなくCD-Rに焼いて渡されることがあるが、自宅システムで手軽に試聴ができるので重宝している。そうした経験からも、本ブルーレイディスクがどんな記録映像を見せるのか興味津々だった。
手持ちのパナソニックBDレーダーで録画してみる。ソースは高画質をウリにする4Kの放送番組で、主に映画やドラマ、アニメ作品などだが、まずは海外のドキュユメントで試す。面ブレや偏芯のない実に静かな回転だ。一見してディスク性能を実感できる美しい再生画で、自然風景がとてもナチュラルに描かれる。ノイズがなく見通しのよいヨーロッパの街並みだ。見所は色のデリケートさとその深みだろう。色調を見事に描き分け、吸い込まれるような遠近感に見惚れてしまう。NHKアーカイブスの『カーニバル』は高精細で鮮明そのもの。まばゆいばかりに衣装が華麗で、肌の質感も生々しく忠実に光の乱舞を再現した。ハリウッドの新作は映像にキレがあり、黒が締まってコントラスト十分。往年の名画の4Kリマスターは繊細で柔らか。レトロ感のあるフィルムっぽい味わいを見せてくれる。
内蔵HDDからのダビングでも、画質の劣化や変化は皆無。丁寧に見比べてもオリジナルどおりの高いクオリティを保ってくれた。これなら安心して、大切なアーカイブとして長く大切に所有したい。若い人にもぜひディスク文化を継承していって欲しいものだ。貴金属合金をはじめ、RITEKの技術力と品質がすみずみまで活かされた新ディスクの誕生を祝いたい。個人的にはCDレコーダーで手軽に記録できる音楽用CD-Rの開発を期待しよう。ディスク市場で奮闘するRITEKを力を込めて応援したい。(林正儀氏)
■BD-R 50GB、BD-R DSD両面 200GBも発売へ
「Ritek ArchivalシリーズBD-R 4X」のVGP2022受賞に対し、同社メディアビジネス部門 部長・呉孟翰氏は「日本国内最大級のオーディオ&ビジュアル機器の総合アワードVGP2022において、オーディオビジュアル機器の魅力を熟知した評論家や日本全国の有力販売店による厳正な審査により、ディスクメディア部門で3期連続にわたり受賞したことは大変光栄です。それはまさに、終始一貫して最高品質の記録ディスクを、常に積極的に追求し続けてきたRITEK社の姿勢と能力を証明するものでもあります。データ保存の安全性や耐久性だけでなく、最高品質のオーディオやビデオが要求される音響・映像業界向けにも最適設計のディスクと確信します」と自信をのぞかせた。
また、メディアビジネス部門 副部長・周文祥氏は「名誉あるVGP受賞に審査員の皆様に感謝申し上げます。本製品はアーカイブディスクの国際規格ISO/IEC16963の認定を受けた台湾初のBD-R 25GB製品となり、同規格で定められた非常に厳しい環境下、4種類の経年劣化シミュレーションに合格し、実に721年以上の長期保存が証明されました。これはM-DISCのレベルに匹敵します。研究開発、製造、品質管理、営業すべての努力が必要であったことは言うまでもありません」と開発を振り返った。さらに、「今回のBD-R 25GBと同時に、BD-R 50GB、BD-R DSD両面 200GBについても認定をいただいており、将来的に長期保存用光ディスクとして商品化を予定しております」と今後のラインナップ拡充を予告した。音楽用CD-Rの開発も噂されるなど、オーディオ・ビジュアルファンにとって、2022年もRITEKの動向から目が離せない。
(協力:RITEK)