【特別企画】“現代オーディオ向け”最新シリーズを検証
30年のロングセラーを刷新!オーディオテクニカの新ケーブル「FLUAT」は偉大なる“普遍の音”を実現した
オーディオテクニカが誇る超ロングセラーのケーブル「ART LINK」シリーズ。30年近く販売してきたという実績もあり、オーディオ雑誌の試聴室にも結構な確率で常備されていた信頼性の高いケーブルがこのたびモデルチェンジを果たした。その新たなシリーズ名は「FLUAT(フリュエット)」という。
FLUATというシリーズ名の由来は「Fluent(淀みのない)」という英単語とオーディオテクニカの社名を組み合わせたもので、今回登場したのはインターコネクトケーブル「AT-IC700R」(RCA)「AT-IC700X」(XLR)と3ピンプラグを有する電源ケーブル「AT-AC700」の3種類。長年のベストセラーラインを「現代オーディオ向け」としてリニューアルを行ったというケーブルシリーズの実力を検証していきたい。
■ベストセラーの後継として不足のない「FLUAT」のこだわり
RCA/XLRインターコネクトから内容を解説すると、芯線は6N純度のOFCとハイテク素材のPCUHD、そして今や世界的にも貴重な日本のディップ・フォーミング製法で製造されたHyper OFC導体をハイブリッドした高品位素材で、+と−の信号線が1本ずつ、それに細いアース線が2本配され、いわゆるスターカッドのような4芯配置。個人的に信号線は対称に配した構造の方が、音が整うように感じられるので、この作りは大賛成だ。
信号線の絶縁体はフッ素樹脂テープ+架橋PEの2重構造、アース線は架橋PEが用いられている。介在は綿糸で、シールドは銅テープとHyper OFC編組の二重構造、そこにエラストマー素材を配して制振させ、PVCのシースが覆うという構成だ。RCAのプラグは中心導体を中空にし、その中にグラスファイバー配合のPBT樹脂を注入するといった、何とも手の込んだ高音質化が図られたものだ。XLRプラグについてはノイトリック社製のものを採用している。
電源ケーブルは、導体の構成はやはり6N-OFCとPCUHD、Hyper OFCの3種ハイブリッドで、珍しいことに導体は5芯構成となっている。+と−が2本ずつ、そしてアースが1本という配分だ。それぞれ2スケアずつの太さを持ち、+と−はそれぞれ4スケアの極太線ということになる。
5芯の中心にはエラストマー制振材を配置。絶縁体はPVC、介在は綿糸で、シールドはアルミテープとHyper OFC編組を組み合わせて使用。シースもPVCでその外にPET素材のメッシュスリーブがかけられている。
両端プラグはモールド成形品だが、同社によると一般的な組み立て式プラグは内部に空洞があって共振の原因になりかねないとのことで、音質的な優位性があると見込んでモールド成形を採用したという。なお、ブレードは両端とも厚金メッキが施されている。
さらに、インターコネクトケーブルと電源ケーブルの両方に絶縁体やシースなどの樹脂のみをアニールする同社の独自技術Heat Relieve(ヒートリリーブ)処理が加えられている。ケーブル内部に残る応力をこれで逃がすというこの方法論は、芯線のエージングとはまったく違う音質向上を私たちにもたらしてくれる。
FLUATというシリーズ名の由来は「Fluent(淀みのない)」という英単語とオーディオテクニカの社名を組み合わせたもので、今回登場したのはインターコネクトケーブル「AT-IC700R」(RCA)「AT-IC700X」(XLR)と3ピンプラグを有する電源ケーブル「AT-AC700」の3種類。長年のベストセラーラインを「現代オーディオ向け」としてリニューアルを行ったというケーブルシリーズの実力を検証していきたい。
■ベストセラーの後継として不足のない「FLUAT」のこだわり
RCA/XLRインターコネクトから内容を解説すると、芯線は6N純度のOFCとハイテク素材のPCUHD、そして今や世界的にも貴重な日本のディップ・フォーミング製法で製造されたHyper OFC導体をハイブリッドした高品位素材で、+と−の信号線が1本ずつ、それに細いアース線が2本配され、いわゆるスターカッドのような4芯配置。個人的に信号線は対称に配した構造の方が、音が整うように感じられるので、この作りは大賛成だ。
信号線の絶縁体はフッ素樹脂テープ+架橋PEの2重構造、アース線は架橋PEが用いられている。介在は綿糸で、シールドは銅テープとHyper OFC編組の二重構造、そこにエラストマー素材を配して制振させ、PVCのシースが覆うという構成だ。RCAのプラグは中心導体を中空にし、その中にグラスファイバー配合のPBT樹脂を注入するといった、何とも手の込んだ高音質化が図られたものだ。XLRプラグについてはノイトリック社製のものを採用している。
電源ケーブルは、導体の構成はやはり6N-OFCとPCUHD、Hyper OFCの3種ハイブリッドで、珍しいことに導体は5芯構成となっている。+と−が2本ずつ、そしてアースが1本という配分だ。それぞれ2スケアずつの太さを持ち、+と−はそれぞれ4スケアの極太線ということになる。
5芯の中心にはエラストマー制振材を配置。絶縁体はPVC、介在は綿糸で、シールドはアルミテープとHyper OFC編組を組み合わせて使用。シースもPVCでその外にPET素材のメッシュスリーブがかけられている。
両端プラグはモールド成形品だが、同社によると一般的な組み立て式プラグは内部に空洞があって共振の原因になりかねないとのことで、音質的な優位性があると見込んでモールド成形を採用したという。なお、ブレードは両端とも厚金メッキが施されている。
さらに、インターコネクトケーブルと電源ケーブルの両方に絶縁体やシースなどの樹脂のみをアニールする同社の独自技術Heat Relieve(ヒートリリーブ)処理が加えられている。ケーブル内部に残る応力をこれで逃がすというこの方法論は、芯線のエージングとはまったく違う音質向上を私たちにもたらしてくれる。
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