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「隙のない仕上がりで注目の一台」

リアカメラ追加で360度ドライブレコーダーはどう進化? ケンウッド「DRV-C770R」を試す

公開日 2022/06/15 06:30 会田 肇
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モニターサイズは2.4型と少し小さめだが、撮影内容のチェックには十分なサイズだ。前後左右の映像を4分割してプレビューしても動きは十分把握できるレベルにあり、各映像は本体右側の一番下にある「画面切替ボタン」を押して切り替えられる。前後カメラの同時表示が行えるほか、前方/左側/右側/後方の映像を同時表示も可能。さらに、前方のパノラマ映像と後方映像を組み合わせた表示も行える。

各種設定やモード切り替えは、右側サイドに縦に並ぶ。上から「メニュー」「カーソルキー(上)」「カーソルキー(下)/写真撮影」「画面切替/決定(メニュー表示時)」

また、画面上には動作状態のステータスが表示され、右側タテには右側面スイッチの機能に対応するアイコンを表示する。メニュー構成もわかりやすく、初めて使う人でもすぐに扱えるようになるだろう。若干、ボタン位置とのずれが気になるが、それも操作には困らない範囲だ。

搭載したセンサーは、前後カメラとも暗所特性に優れた高感度CMOSセンサー「STARVIS(スタービス)」を採用し、レンズにはフロントカメラがF2.0、リアカメラがF1.8の明るいレンズを組み合わせる。本体カメラでカバーできる範囲は驚くほど広く、車両前方、車両側方、室内で、全方位をカバーできる。これならどの方向からぶつけられたとしても状況の把握はしやすく、仮に暴漢に襲われたとしてもその映像を記録しておけるのは心強い。

左右の状況もしっかり撮影できるのが360°型ドラレコの最大の魅力。側面からの動きもしっかり把握できる

さらに、オプションの車載電源ケーブルを組み合わせれば、駐車中の振動を検知して自動的に録画を開始。車上荒らしや車体へのいたずらなどの監視が可能となる。本機ではこの時でもイベント記録と同じように、衝撃が加わる5秒前から記録するようになった。これも見逃せないポイントになるだろう。

高く評価できるHDR効果。映像のバランスの良さを実感



では期待の映像はどうか。当然ながら360度撮影を行うフロントカメラと、後方だけを映すリアカメラとでは傾向が異なる。

フロントは従来よりも解像度は明らかに上がっているものの、前方だけを捉えるカメラのようなレベルにはない。それでも昼間なら先行車のナンバーも判別できており、その解像度で全周囲を捉えられるのは360度型ドラレコとして十分な能力を発揮できていると言えるだろう。一方でリアカメラは解像度が高く、画角も広いので昼夜を問わず後方の様子を鮮明に捉えることができる。

DRV-C770R本体の360°カメラで撮影した映像から、前方を切り出した。先行車が遠く離れていなければナンバーは読み取れる(※以後、記録映像からの切り抜き画像はプライバシー配慮のため一部にボカシ処理あり)

本機で高く評価したいのがHDRの効果だ。前後共に露出設定がアンダー気味ではあるが、その分だけ白飛びがしっかり抑えられており、トンネルの出口付近では先行車や周辺の様子を鮮明に捉えることができる。車内の露出も適切で、映像としてのバランスはすこぶるレベルが高い。このバランスの良さはケンウッド製ドラレコに共通するものだ。また、前後カメラとも7段階の明るさ調整に対応しており、それぞれ独立して調整できるのはありがたい。

HDRの補正能力が高く、トンネルから出る輝度差が大きいシーンでも白飛びすることなく撮影できた

記録媒体には2カメラ型として十分な容量を確保するために32GB ・microSDカードを付属。最大128GBまでのmicroSDカードに対応しており、定期的なカードフォーマットが不要な「SDカードメンテナンスフリー」や「SDカード寿命告知機能」を備えたことも見逃せない。

リアカメラで後方を撮影。広い範囲で周囲を撮影し、後続車のナンバーも鮮明に映し出していた


夜間に後方からの様子を撮影。ヘッドライトが点灯しているにも関わらずナンバーはハッキリと読み取れる

ユーザーニーズの高まりとともに、様々なスタイルで進化を遂げているドライブレコーダー。ドライブの安心・安全に関わるものだけに、その信頼性には可能な限りこだわりたいもの。その意味でケンウッド「DVR-C770R」は、車両の全周囲をカバーするドライブレコーダーとして隙のない仕上がりを見せている。360度型ドラレコとして注目の一台となることは間違いない。

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