明日7月15日発売
「M2 MacBook Air」ハンズオン!薄く軽く速いだけでなく「プレーヤー」としても超優秀
広いディスプレイ表示領域で、より高まる没入感
新しいMacBook Airは13.6インチのLiquid Retinaディスプレイを搭載したため、M1搭載MacBook Airよりも動画や写真をワイドに表示できる。HDRには非対応だが、最大輝度がM1搭載Airよりも100nits高い600nitsになったので、明るい場所でも映像や写真の表示がとても鮮明だ。
ディスプレイの上部も限界までベゼルを狭くした。FaceTime HDカメラなどを配置する箇所にはノッチ(切り欠き)がある。MacBookの場合、ノッチの両隣にはOSやアプリケーションのメニューが表示される。iPhone 13シリーズのように、写真や動画のコンテンツをフルスクリーン表示しても一部分が隠れることがない。Apple TVやNetflixの動画コンテンツ、ゲームなどを再生すると、ノッチの左右ディスプレイはブラックアウトするので、没入感は削がれない。
FaceTime HDカメラは、720pから1080pに解像度の性能が向上した。Zoomアプリケーションのビデオ通話画面をキャプチャーして新旧Air同士で比較してみたが、解像感の差はさほど大きくなかった。ただ、Apple M2チップに統合されている画像信号プロセッサが一新されたこともあり、映像の明るい箇所は白飛びを抑えて、色彩やテクスチャーをより忠実に再現するようだ。
プレミアムヘッドホンを力強く鳴らせるヘッドホン出力
WWDCの現地取材でも報告した通り、M2搭載MacBook Airは13/14/16インチのMacBook Proと同様に、3.5mmヘッドホンジャックからのオーディオ出力が強化され、インピーダンスの高いヘッドホンが単体で鳴らせるようになった。
ベイヤーダイナミックの「T1 2nd Generation」を3.5mmヘッドホンジャックに直接つなぎ、M1搭載Airと比べながらApple Musicのハイレゾロスレス楽曲を試聴した。M2搭載Airでは、ボリュームゲージの目盛りを全体の50%、「8/16」あたりのゲージまで上げれば十分に力強くT1を鳴らせる。かたやM1搭載Airの場合は、ボリュームゲージを「11」前後まで上げてようやく同程度のリスニング感になった。
ハイレゾ再生のクオリティに一歩踏み込むならば、やはりUSB直結タイプのDAC内蔵ヘッドホンアンプも上手く使いたい。新しいM2搭載Airは、MagSafeから給電しながら2つのUSB-Cポートが使えるメリットが活かせる。
4スピーカーサウンドシステムは、セパレーション良好
M2搭載Airには、左右2基ずつのトゥイーターとウーファーにより構成される「4スピーカーサウンドシステム」が新たに採用された。M1搭載Airと、内蔵スピーカーによるデスクトップ再生を比べながら聴いてみた。
Apple TV+のオリジナルコンテンツとして配信されている『インベージョン』のシーズン1、エピソード2から、米軍の特殊部隊がエイリアンと初めて遭遇するラストの場面。猛烈な砂嵐に囲まれ、頭の上から無数の砂粒が振ってくる様子を、MacBook Airの内蔵スピーカーが迫力たっぷりに描く。解像度が高く、音の定位が明瞭。M1搭載Airよりも明らかに、内蔵スピーカーによるサウンドの分離感が向上している。
空間オーディオコンテンツの再生は、中央に力強く定位するダイアローグ、立体感あふれる効果音の迫力などに大きな進化が感じられた。低音の重心も、M1搭載Airに比べて低く下がり安定感がある。
M2搭載Airのスピーカーサウンドを楽しむ際に、ひとつ気を配るべきポイントがある。スピーカーユニットからの音の出口となるポートが、M1搭載Airの場合はキーボードの左右にある。対してM2搭載Airは、ポートを隠してルックスをスタイリッシュに見せたかったためか、本体キーボード側の上部側面にある。つまり、ディスプレイ側のパネルを開ききらないと、音がこもって聞こえづらくなるので注意したい。
ますます薄くなってポータビリティが向上した新型MacBook Airは、ビジネスからエンターテインメント鑑賞まで、様々な使い方に先進性を感じさせてくれる。
M1搭載Airよりも基本仕様モデルの価格が3万円ほど高くなっているが、使い込むほどに、実際に購入してからの期待が高まってきた。いまモバイルPCの買い換えを検討している方は、本機を候補に入れるべきだろう。