PRディスクメディア特化再生機の実力とは
REAVONの“映像哲学”がここに結実。4Kユニバーサルプレーヤー「UBR-X200」、圧巻の描画力
「なんて自然な映像だろう」。強調や作為、演出が微塵も感じられない。フィルムの中のマチエール(絵肌)そのものを目の前にしているようだ。みずみずしく生命感にあふれた光と影と彩…。電気信号が描いた画を見ていると信じられない。これがREAVONの4Kユニバーサルプレーヤー「UBR-X200」に抱いた素直な所感だ。
仕事であることを忘れ、'50年代のモノクロを含む仏伊日の名作、'70年代イーストマンカラー完成期の米映画、現代の8Kデジタルシューティングまでしなやかな浸透力で映画の数ほど存在するルックに千変万化に同一化していく…。ディスクからディスクへむさぼるように見ずにいられなかったのだ。
“あえて”ストリーミングサービスへの連携機能を搭載せず、ディスクメディア再生に特化したというストイックさを感じさせる逸品UBR-X200の魅力を、本稿では映像表現という側面にフォーカスを当てて掘り下げていきたい。
長く続いたユニバーサルプレーヤーの空位を埋める存在は意外なところからやってきた。フランスのアーキソフト・グループが送り出したREAVON「UBR-X200」はオーディオビジュアルの世界で最大の注目機といえるだろう。
アーキソフト・グループはフランスの有力リテールチェーン(AV機器、PC販売店)である。既存のメーカー各社がブルーレイディスクプレーヤー、ユニバーサルプレーヤーの生産を次々に終了して久しい。新たな製品の登場を望む声に応え、ディスクメディアの堅持のために自ら設計と生産に踏み切ったのである。フランスが映画を発明した国であることを思い出してほしい。古今東西の膨大な映像資産へのリスペクトから生まれたプロジェクトなのだ。
パナソニックのディーガやoppoとの技術上の関連性は一切ない。実際に操作していくと、GUI等のグラフィックにパイオニアのユニバーサルプレーヤーを連想させる。未確認だがパイオニア出身の技術者がソフトウェア面で協力したのかもしれない。
下位機種「UBR-X100」が同時に発売されたが、どちらもメカはソニー製で映像回路は共通。100はスイッチング電源でHDMI出力のみのデジタルトランスポート。一方の200はリニア電源を積み、SACD再生までをサポートする完全なユニバーサルプレーヤーといった次第だ。搭載される基板部品についてもグレードアップが図られており、アナログオーディオマルチチャンネル出力が可能となっている。
DACには、マルチチャンネル用のTI(テキサス・インスツルメンツ)社製バーブラウンPCM1690と別にアナログ出力専用段にPCM1795を2基搭載。さらに、フロントスピーカーのLRchに対応するアナログXLR出力を装備、というこだわりようである。成立の背景と出自の通り、ユニークでマニアライクなユニバーサルプレーヤーの新星といえよう。
どこまでも原画に忠実な本機だが、画質調整項目は非常に豊富だ。Video Parameterを開くと、「メモリー」1/2/3、「テレビタイプ」プロジェクター/リファレンス/LCD TV/OLED TV、「明るさ」「コントラスト」「色合い」「彩度」±10、「シャープネス」 0-16、「DNR」0/1/2/3、「HDR-SDR ADJ.」100−700(SDRのディスプレイで視聴する時のターゲット輝度設定機能 初期設定値300)など、細かな設定項目を用意するが、今回はUBR-X200の持ち前の素顔の美を重視してデフォルトで視聴に臨んだ。
仕事であることを忘れ、'50年代のモノクロを含む仏伊日の名作、'70年代イーストマンカラー完成期の米映画、現代の8Kデジタルシューティングまでしなやかな浸透力で映画の数ほど存在するルックに千変万化に同一化していく…。ディスクからディスクへむさぼるように見ずにいられなかったのだ。
“あえて”ストリーミングサービスへの連携機能を搭載せず、ディスクメディア再生に特化したというストイックさを感じさせる逸品UBR-X200の魅力を、本稿では映像表現という側面にフォーカスを当てて掘り下げていきたい。
芸術の国、フランスが生み出した“最大の注目機”
長く続いたユニバーサルプレーヤーの空位を埋める存在は意外なところからやってきた。フランスのアーキソフト・グループが送り出したREAVON「UBR-X200」はオーディオビジュアルの世界で最大の注目機といえるだろう。
アーキソフト・グループはフランスの有力リテールチェーン(AV機器、PC販売店)である。既存のメーカー各社がブルーレイディスクプレーヤー、ユニバーサルプレーヤーの生産を次々に終了して久しい。新たな製品の登場を望む声に応え、ディスクメディアの堅持のために自ら設計と生産に踏み切ったのである。フランスが映画を発明した国であることを思い出してほしい。古今東西の膨大な映像資産へのリスペクトから生まれたプロジェクトなのだ。
パナソニックのディーガやoppoとの技術上の関連性は一切ない。実際に操作していくと、GUI等のグラフィックにパイオニアのユニバーサルプレーヤーを連想させる。未確認だがパイオニア出身の技術者がソフトウェア面で協力したのかもしれない。
下位機種「UBR-X100」が同時に発売されたが、どちらもメカはソニー製で映像回路は共通。100はスイッチング電源でHDMI出力のみのデジタルトランスポート。一方の200はリニア電源を積み、SACD再生までをサポートする完全なユニバーサルプレーヤーといった次第だ。搭載される基板部品についてもグレードアップが図られており、アナログオーディオマルチチャンネル出力が可能となっている。
DACには、マルチチャンネル用のTI(テキサス・インスツルメンツ)社製バーブラウンPCM1690と別にアナログ出力専用段にPCM1795を2基搭載。さらに、フロントスピーカーのLRchに対応するアナログXLR出力を装備、というこだわりようである。成立の背景と出自の通り、ユニークでマニアライクなユニバーサルプレーヤーの新星といえよう。
どこまでも原画に忠実な本機だが、画質調整項目は非常に豊富だ。Video Parameterを開くと、「メモリー」1/2/3、「テレビタイプ」プロジェクター/リファレンス/LCD TV/OLED TV、「明るさ」「コントラスト」「色合い」「彩度」±10、「シャープネス」 0-16、「DNR」0/1/2/3、「HDR-SDR ADJ.」100−700(SDRのディスプレイで視聴する時のターゲット輝度設定機能 初期設定値300)など、細かな設定項目を用意するが、今回はUBR-X200の持ち前の素顔の美を重視してデフォルトで視聴に臨んだ。
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