PRサブウーファーの効果は低域だけじゃない
Sonos「Arc」×「Sub」で極上の映画・音楽体験を。次元を高める“鍵”はサブウーファー
■Subを使うと部屋が映画館に。パワーアップは低音だけ“じゃない”
さて、いよいよテストに入ろう。今回は編集部の視聴室をお借りして実施した。テレビとArcはHDMIで接続。このArcをハブにして、「Sonos S2」アプリでOneとSubをWi-Fi経由で連携、オン/オフしてパターンを切替えた。
また、Sonos S2アプリには、部屋の環境に合わせて自動で音場を補正する「Trueplay」機能が搭載されている。各デバイスが発した音をスマホのマイクで拾い、スイートスポットや各所の音の反射などを検知して自動でチューニングするもので、アプリの指示に従うだけでものの数分で終わる。置く場所を移動する度に実施する必要があるが、簡単なので全く苦にならない。今回のテストにあたっても実施している。
まずはサウンドバーArcのみのシンプル構成から。Netflixで人気アニメ『SPY×FAMILY』を再生する。音が素直で粒が立っているため、会話が明瞭で聞きやすい。第2話終盤の戦闘シーンでは車が壊れる音や銃声といった効果音に厚みがある。縦方向の音場が広く、音に包まれる感じがたまらない。プレミアムクラスなだけあり、数万円クラスのサウンドバーよりも音の情報量が多く、重心が低い印象だ。これ1台でも十分なサラウンド効果を得られた。
続いてSonos S2アプリからSubを有効にすると、設定が切り替わった瞬間に鳥肌が立った。当初は「低域が強くなり、よりバランスの良いサウンドになるのかな」程度に考えていた。しかし、実際は低域がプラスされるどころか、音の立体感がグンと増し、これまでとは全く違った音に聴こえるのだ。
先ほども触れたとおり、サブウーファーの役割は低域を増強するだけではない。音楽ソースの低域部分を一手に引き受けることで、システム全体に余裕を生み、音質を底上げする。その効果が如実に発揮されているのだ。前後の音場空間が拡大し、人の声は一段前に定位。シーンのバックで流れているサウンドまでもが前に出てきて、映像と音の繋がりが強くなる。作品への没入感が高まった印象だ。
さらに驚いたのが、Subの「フォースキャンセリングドライバー」の効果。一般的にサブウーファーは、低い音を形成する低周波を発する。これが床や壁に伝わり共振しやすい。しかし、Subの場合、本体に直に触れても全く振動を感じない。迫力ある低音を出しつつも、見事に双方の振動をキャンセルしているのがよくわかった。これなら、ご近所迷惑にならないか心配なマンションでも気兼ねなく使えるだろう。
『SPY×FAMILY』がステレオ音声だったので、サラウンドはドルビーアトモス対応の人気サスペンスドラマ『イカゲーム』で試すことにした。Arcのみのパターンで、第1話の「だるまさんが転んだ」のシーンを観ると、ここでも肉厚で情報量に富んだ音であることを実感する。ドルビーアトモスの立体音響は素晴らしく、縦方向の音場が構築され、乾いた銃声が飛び交うのがよくわかる。
続いて、Arc+One×2のサラウンド構成に切替える。背後の空間が大きく拡がり、銃声が飛び交うのがよくわかる。Arc単体だと自分の前方を中心に左右の位置を捉えられる印象だったが、この構成では気配までもが分かるようになった感じだ。
最後にSubを加えてフル構成にすると、またもや別物と思えるほど音質が向上。思わず「こんなに変わるのか」と口に出してしまうほど、縦方向の空間が拡がった。音の立体感や艶が格段にアップし、前後左右の定位も数段明瞭になる。周囲が張り詰めた緊張感に包まれ、自然と心拍数が上がる。まるで映画館にいるような錯覚に陥る。
ただ、大きく異なるのが、映画館が刺激的なまでに低音を強調するのに対して、Subは過度な演出をしないこと。あくまでもソースの音に忠実で、濁りのない上品な低音を再生してくれる。