コンパクト完全ワイヤレスGLIDiC「TW-4000s」が超優秀！VGPコスパ大賞も“納得“の完成度だ

■キレ重視でボーカルの近い、ポップス系が楽しく聴けるサウンド

イヤホンの最重要ポイントである音質は、iPhoneと組み合わせ、各種配信コンテンツで確認した。前モデルのTW-4000は、コンパクトながら重低音サウンドに驚かされたのが印象的だった。今回のTW-4000sがどのような音作りなのか、音源の変化やトレンドに合わせたチューニングが施されているのか、興味深いポイントである。

まず、音質をも左右するフィット感について。定評のあるカナルワークス監修ハウジングに加え、イヤーピースは5サイズが付属。特にSより小さいXSとXXSが特徴で、小耳のユーザーにも合わせやすいよう配慮されている。「どうしてもイヤホンが耳に合わない！」という方には本機が救世主になるかもしれない。

固定は外耳道の中でイヤーピースが支える格好だが、軽量なのでピタッと決まる。本体が耳に当たって痛くなるようなこともないので、音質重視でベストなポジションを探ると良いだろう。

試聴はTWICEの「The Feels」から。ゴリっとしたベースとバスドラムが刻むダイナミックなリズム表現がポイントの楽曲だが、前モデルのTW-4000は、量感がたっぷりでバスドラムの重厚な響きが特徴。「このサイズでこんなに分厚い低域が出るのか！」という素直な驚きがある。

対する新しいTW-4000sは「キレ重視」。量感が整理され、リズムはアタックの鋭さで迫力と躍動感を高め、相対的にボーカルを含む中高域が前に出て解像感が高く感じられる傾向。「声」がより近く感じられ、ニュアンスが豊かで、余韻の見通しも良い。

良い悪いというよりは傾向の違いだが、ポップス系を楽しく聴きたいなら、TW-4000sにより好印象を持つユーザーは多そうだ。映画やドラマはシーンや視聴環境によって最適なサウンド傾向も異なるが、通勤・通学時に電車やバスで使うことを想定するなら、周囲に騒音が多く、イヤホンからの音が埋もれがちなので、「聴き取りやすさ」という観点では、TW-4000sが好適な印象。こうした音作りの変化は、情勢が変化して人々の移動が増えてきたことと関係あるのかもしれない。