PRC735/C635シリーズ
いま4K液晶テレビをコスパで選ぶならコレ!TCLのQLED搭載モデルにプロも大注目
操作画面は遊びや演出がなくシンプルに整理されていて、操作しやすく好感が持てます。視聴モードは、ダイナミック/標準/スマートHDR/スポーツ/映画。音質モードは、ダイナミック/標準/映画/音楽/会話/ゲーム/スポーツを用意。テレビ任せで快適に視聴できますが、詳細設定に入ると階層は深く、国産テレビ上級機に遜色なく豊富なパラメーターがユーザーに開放されています。
全項目を一覧表示しないのと、項目にまたがってパラメーターが重複するのでやや分かりにくく慣れが必要ですが、腕の覚えのある人にも使いこなしがいのあるテレビとなっています。
まず、地上デジタル放送の映像から見ましょう。NHK地上デジタル 大相撲中継の画質はたいへん良好です。C735シリーズから液晶パネルが120Hz倍速駆動となり、BFI(黒挿入)で残像感を抑制したことが奏功し、大画面で気になりやすい動画ボヤケが抑えられています。力士のアップが平板な描写にならず、解像感をキープ、肉付きのふくよかさときめ細かさが印象的です。紅潮した肌のみずみずしい表現に量子ドットが生み出す広色域を実感します。
日常的に視聴機会の多いニュースバラエティは、ライブ映像の生々しい実況感が問われます。液晶方式のテレビでは女性キャスターのアップで解像感が足りず、アニメのような平板な描写になるケースが多いのですが、C735シリーズの映像はデジタル臭が少なく自然で、AlgoエンジンProの精細感復元による画質向上ぶりがうかがえます。BS放送まで各種放送ソースを通じてノイズ感が少なく、目に優しい端正な画質といえます。
ただし、視聴環境や室内照明の明るさにもよりますが、標準のままではやや明るすぎるので、本機の優れた特徴をきわだたせるように、輝度、シャープネスや濃度を積極的に調整してみるといいでしょう。
Google TVの本機は、いまや映画視聴の主流の座をうかがうVODサービスに幅広く対応します。Netflixで配信されている(記事執筆時)『DUNE/砂の惑星』は映画モードを選択、動きの補間をオフにして濃度と輝度を調整すると、みるみるハードSFの硬質なトーンが現れ、気が付くと映画の世界に浸っています。
大画面とハイコストパフォーマンスを両立しただけでありません。シネフィル、マニアックな映像ファンまで広く魅了する懐の深いテレビといえるでしょう。
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