【特別企画】フォノイコとプレーヤーでテスト
フルテックの電源ケーブルでレコードの音をクオリティアップ! グレードごとに4モデル聴き比べ
音質改善の効果レポート
■イコライザーではケーブルの特質が表現力の確実な向上に直結
フォノイコライザーC-47の電源ケーブルをフルテックの「Astoria」に替えると、管弦楽のニュートラルな周波数バランスを維持しながらも、金管楽器のアタックの鋭さと音圧の強さに引き込まれる。ヴォーカルは力感豊かなベースとドラムスに声がマスクされず、最高音まで澄んだ質感をキープ。オーディオグレードの電源ケーブルとしては身近な存在だが、確実なグレードアップ感が味わえる製品だ。
次に聴いた「Roxy」は、「Astoria」とは異なる導体と構造を採用しながら価格はほぼ同等。しかし音の違いは大きく、特にオーケストラの低弦は量感と実在感が両立して力強い。しかも内声を含む各楽器の動きを把握しやすく、演奏の特徴が素直に浮かび上がる良さもある。ヴォーカルはベースのサポートが厚めだが、声の輪郭が鮮明なので見通しは良好だ。
「Empire」は「Astoria」と導体が共通ながら線径と数が異なり、プラグも後者の銅メッキから金メッキに変更するなど、構造と素材の両面でチューニングに違いがある。管弦楽は瞬発力や音の勢いに加えて、余韻が広がる音場がひとまわり大きくなったようなスケールアップ感を味わうことができた。ヴォーカルは声の高音域の澄んだ質感を引き出しながら、ベースのドライブ感と厚みを印象づけ、リズム楽器のサポート力がアップしたように聴こえる。これは管弦楽にも共通するこのケーブルの長所のひとつだ。
「Powerflux NCF-18」に替えてオーケストラを聴くと、解像度の高さに加え、3次元に展開する楽器配置や広大なパースペクティブなど空間再現力が1ランク向上。ヴォーカルはバスドラムの安定感が5割増しぐらいに強化され、声の高音域を潤い豊かに再現。低音から高音まで質感の向上が著しい。