【特別企画】上位機譲りの妥協のないアナログ回路もポイント
洗練された新デザイン、マランツ「CD60」は理想的なCDプレーヤー入門機
「Modern Musical Luxury」を掲げる新生マランツから、新たな筐体デザインを採用したミドルクラスのCDプレーヤー「CD60」が登場した。本機は、伝統的なデザインエレメントを継承しながらも、現代的な解釈で生み出されたハウジング、そして最新の技術が高次元に融合している。
32bit対応高性能DAコンバーターや、HDAM+HDAM-SA2搭載のフルディスクリート・アナログ出力回路を採用するなど、高音質プレーヤー設計技術を惜しみなく投入した本機の魅力について、オーディオ評論家の林 正儀氏が解説する。
CD60はシンプルな使い勝手で、洗練された新デザインを採用した、新世代マランツ初となるCDプレーヤーだ。
発売の背景には、現代のライフスタイルにあわせたマランツの新しい思想である「Modern Musical Luxury」が色濃く反映されている。バリエーション豊かなマランツのアンプ群と組み合わせて、さらなる理想的なシステムが構築できる。
とりわけ昨今は、同社の「MODEL 40n」に代表されるように、アンプにネットワーク再生機能が内蔵されたワンボディアンプがトレンドとなり、アンプ一台とスピーカーでシステムが完結しているユーザーもいる。
でもその中には、やはり「CDでも音楽を聴きたい」といった、オーディオファイルの声も多い。本機は、そんなニーズに応えつつ、シンプルだからこそ、洗練された妥協のないクオリティが魅力的だ。その上、11万円の価格も嬉しい。
搭載された技術は、ネットワーク再生に対応する「ND8006」と同じ、32bit高性能DAC+オリジナルデジタルフィルターMMDFをはじめ、MODEL 40nで開発された低歪み型HDAM搭載のフルディスクリートアナログ回路を採用。歪み率は30%近い改善を実現している。
カラーバリエーションは、シルバーゴールドとブラックの2種類を用意。精悍なフロント部からトレイが引き出され、操作感は上々だ。それではスピーカー再生を中心にレビューしよう。
軽快かつ安定感のあるメカ動作だ。雄大なレンジの広がりで、音調は明るく鮮明で低歪み。ヴォーカルの声質やギター、ピアノなど楽器の生っぽい質感を引き出してくる。包まれるような倍音のニュアンスなど細部の情報量にも不足がなく、ステージの見通しが実に良い。ミドルクラスのイメージを覆す表現力だ。
ライヴやスタジオ録音を問わず、しっかりしたプレゼンス(実像感)と空間の広がりがこのプレーヤーの特徴と言える。ジャズはキレがあり、掛け合う様がリアルで、気風の良さがそこにある。CD60に込められた真剣さや熱気がストレートに伝わった。
フルディスクリートのヘッドホンアンプも搭載しており、ヘッドホン再生もかなりのクオリティだ。ゼンハイザー「HD650」にて試聴したところ、鮮度の高い開放的なサウンドで、スピーカー再生のような雰囲気を味わえた。専用の音量つまみも用意されていて、実用性も特筆に値する。
価格をしっかり抑えながらも実力が高く、デザインも優れたCD60。「MODEL 30、MODEL 40nのユーザーで、デザインを揃えたい」、「SACD 30nは魅力的だけど、SACD再生やネットワーク機能までは使いこなせない」、「この際、CDプレーヤーを買い替えたい」、「初めてのCDプレーヤーで悩んでいる」など、様々なニーズに確実に応えてくれる実力派プレーヤーと言える。
Specification
●再生可能ディスク:CD、CD-R、CD-RW●再生周波数範囲:[PCM]2Hz〜96kHz(サンプリング周波数192kHz)、2Hz〜20kHz(サンプリング周波数44.1kHz/PCM)、[DSD]2Hz〜100kHz●再生周波数特性:[PCM]2Hz〜50kHz(−3dB、サンプリング周波数192kHz)、2Hz〜20kHz(サンプリング周波数44.1kHz)、[DSD]2Hz〜50kHz(−3dB)●SN比:[PCM]110dB、[DSD]110dB(可聴帯域)●ダイナミックレンジ:[PCM]118dB(24bit)、101dB(16bit)、[DSD]110dB(可聴帯域)●高調波歪み率:[PCM]0.0010%(24bit)、0.0016%(16bit)、[DSD]0.0010%●ヘッドホン出力:28mW/32Ω(可変最大)●消費電力:46W(スタンバイ時0.3W)●サイズ:442W×129H×396Dmm●質量:8.0kg
(協力:株式会社ディーアンドエムホールディングス)
本記事は『季刊・Audio Accessory vol.185』からの転載です
32bit対応高性能DAコンバーターや、HDAM+HDAM-SA2搭載のフルディスクリート・アナログ出力回路を採用するなど、高音質プレーヤー設計技術を惜しみなく投入した本機の魅力について、オーディオ評論家の林 正儀氏が解説する。
CD再生に特化した妥協のないクオリティ
CD60はシンプルな使い勝手で、洗練された新デザインを採用した、新世代マランツ初となるCDプレーヤーだ。
発売の背景には、現代のライフスタイルにあわせたマランツの新しい思想である「Modern Musical Luxury」が色濃く反映されている。バリエーション豊かなマランツのアンプ群と組み合わせて、さらなる理想的なシステムが構築できる。
とりわけ昨今は、同社の「MODEL 40n」に代表されるように、アンプにネットワーク再生機能が内蔵されたワンボディアンプがトレンドとなり、アンプ一台とスピーカーでシステムが完結しているユーザーもいる。
でもその中には、やはり「CDでも音楽を聴きたい」といった、オーディオファイルの声も多い。本機は、そんなニーズに応えつつ、シンプルだからこそ、洗練された妥協のないクオリティが魅力的だ。その上、11万円の価格も嬉しい。
搭載された技術は、ネットワーク再生に対応する「ND8006」と同じ、32bit高性能DAC+オリジナルデジタルフィルターMMDFをはじめ、MODEL 40nで開発された低歪み型HDAM搭載のフルディスクリートアナログ回路を採用。歪み率は30%近い改善を実現している。
カラーバリエーションは、シルバーゴールドとブラックの2種類を用意。精悍なフロント部からトレイが引き出され、操作感は上々だ。それではスピーカー再生を中心にレビューしよう。
ミドルクラスのイメージを覆す表現力
軽快かつ安定感のあるメカ動作だ。雄大なレンジの広がりで、音調は明るく鮮明で低歪み。ヴォーカルの声質やギター、ピアノなど楽器の生っぽい質感を引き出してくる。包まれるような倍音のニュアンスなど細部の情報量にも不足がなく、ステージの見通しが実に良い。ミドルクラスのイメージを覆す表現力だ。
ライヴやスタジオ録音を問わず、しっかりしたプレゼンス(実像感)と空間の広がりがこのプレーヤーの特徴と言える。ジャズはキレがあり、掛け合う様がリアルで、気風の良さがそこにある。CD60に込められた真剣さや熱気がストレートに伝わった。
フルディスクリートのヘッドホンアンプも搭載しており、ヘッドホン再生もかなりのクオリティだ。ゼンハイザー「HD650」にて試聴したところ、鮮度の高い開放的なサウンドで、スピーカー再生のような雰囲気を味わえた。専用の音量つまみも用意されていて、実用性も特筆に値する。
価格をしっかり抑えながらも実力が高く、デザインも優れたCD60。「MODEL 30、MODEL 40nのユーザーで、デザインを揃えたい」、「SACD 30nは魅力的だけど、SACD再生やネットワーク機能までは使いこなせない」、「この際、CDプレーヤーを買い替えたい」、「初めてのCDプレーヤーで悩んでいる」など、様々なニーズに確実に応えてくれる実力派プレーヤーと言える。
Specification
●再生可能ディスク:CD、CD-R、CD-RW●再生周波数範囲:[PCM]2Hz〜96kHz(サンプリング周波数192kHz)、2Hz〜20kHz(サンプリング周波数44.1kHz/PCM)、[DSD]2Hz〜100kHz●再生周波数特性:[PCM]2Hz〜50kHz(−3dB、サンプリング周波数192kHz)、2Hz〜20kHz(サンプリング周波数44.1kHz)、[DSD]2Hz〜50kHz(−3dB)●SN比:[PCM]110dB、[DSD]110dB(可聴帯域)●ダイナミックレンジ:[PCM]118dB(24bit)、101dB(16bit)、[DSD]110dB(可聴帯域)●高調波歪み率:[PCM]0.0010%(24bit)、0.0016%(16bit)、[DSD]0.0010%●ヘッドホン出力:28mW/32Ω(可変最大)●消費電力:46W(スタンバイ時0.3W)●サイズ:442W×129H×396Dmm●質量:8.0kg
(協力:株式会社ディーアンドエムホールディングス)
本記事は『季刊・Audio Accessory vol.185』からの転載です