10/29から先行販売、11/10に一般発売開始
「Nothing Ear (stick)」を早速体験!軽くて快適&クリアなサウンドと通話でリモートワークにもオススメ
Nothingからこの秋、新たな完全ワイヤレスイヤホン「Nothing Ear (stick)」(以下、Ear (stick))が登場する。スケルトンボディで注目を集めた「Ear (1)」に続く、ブランド第二弾のオーディオデバイスで、2022年夏に発売開始となった “光る” スマートフォン「Phone (1)」との連携も強化されている。
製品発表に先んじて、ロンドン・ファッションウィークのChet Loのショー内にて初披露されるなど、Nothing製品の大きな魅力の一つでもある、ファッションとの親和性も高いスタイリッシュなデザインも注目点だ。
今回、発売前にEar (stick)を試すことができたので、実際の音質や使用感などを簡単にレポートする。
Ear (stick)は、英・ロンドンを拠点とする「Nothing Technology」が展開するデジタルブランド「Nothing」の完全ワイヤレスイヤホン。ブランド第一弾製品は「Ear (1)」。密閉型の完全ワイヤレスイヤホンで、耳に入れる筐体部分から伸びたステムと呼ばれる部分に、中の機構が見えるスケルトンデザインを採用し、そのデザイン性から注目を集めた。
続いて登場したのは、光るスマートフォン「Phone (1)」。デザインで変化をつけるのが難しいアイテムだが、ここでもスケルトンデザインを取り入れて、背面部は中の基板が見えるようになっている。この内部の接続配置はニューヨーク地下鉄路線図から着想を得てデザインされており、さらに一部が光る仕様になっているのがポイントで、見える部分としてこだわりの詰まった、遊び心のあるデザインが好評を得ている。
……という感じで、真面目に紹介を始めたが、いろいろ細かいことは抜きにしてとにかくカワイイ、カッコイイ、なんかイイが詰まってる! それがNothing! 特にZ世代に人気というが、筆者はそんな時代は疾うに過ぎた30代、でも十分に響いている!
新登場のEar (stick)も、まずそのリップスティックをイメージしたという円筒形のケースに注目。手にとって、身につけて可愛いデザイン性がまずは目を引く。さらに、独自に開発したφ12.6mmのカスタム・ダイナミックドライバーを搭載し、低音補強する「Bass Lock Technology」を備えることで、ハーフインイヤー型でも低音豊かな高音質もアピールされている。
まずは、iPhoneと接続してApple Musicで音楽を再生した。「Bass Lock Technology」の効果を体感すべく、BLACK PINKの楽曲を聴いた。低音が無理に大きくなるということはなく、普段使っている密閉型と比較すればもちろん不足は否めないが、スカスカとして無くなってしまわない程度に補強されつつ、特に声が際立って聞こえてくる。全体的に軽やかで、どことなくソリッドな印象もある。
ちなみに、音量表示は半分より下の40%ほど。普段はもう少し大きめに再生しているのだが、洗濯機を回す音だったり、インターホンの音など、生活音が聞こえつつも、室内で音楽を聴く分には十分で、最適化の効果もあってか、しっかり耳に音が届いているように感じた。
Ear (stick)登場とあわせて進化する予定のアプリ「Nothing X」を使うと、イヤホンのEQ調整も可能に。基本設定のバランス、プリセットは低音/高音をそれぞれ強調したものと声を強調する3種類を用意。加えてカスタムも可能で、低音/中音/高音の3バンドを±6段階で調整できる。
さて、Bass Lock Technologyによる低音補強には、テストトーンによる測定が必要となる。装着するとまず、ピコンという高い音とブォンっという低い音が一緒になったような起動音が流れるのだが、これがテストトーンに該当し、内蔵マイクによって測定しているのだという。
この測定は左右それぞれ行われるのではなく、いずれかの片側イヤホンを装着した際に測定→音質補正し、左右両方のイヤホンに適用するとのこと。試す中で気になるような差は感じなかったが、耳内は完全なシンメトリーではないだろうから、それぞれで測定する方がより個々人の聴こえに合わせて最適化されて良いのでは、と思う。
なお、同時に装着しても、必ずいずれか片方のイヤホンをメインとして認識し、測定の上で低音損失を補強して、両方のイヤホンに適用するとのこと。同時と言っても完全一致は難しいので、早く装着したほうのイヤホンを識別するということらしい。なので、もともとイヤーピースサイズが左右で結構違うとか、自分の耳に大きく差を感じている人には向かないかもしれない。
操作はイヤホンのステム部分を挟むようにして行うプレスコントロール式で、再生/一時停止、音量アップダウンなど、反応も素早くて誤動作もなかった。「カチッ」というか、「ピコッ」というか、そんな感じのNothingらしい機械音で心地良い。
続いて、動画配信サービス「Disney +」で、いよいよ繰り返し視聴で何周目かに入った海外ドラマ『クリミナル・マインド FBI行動分析課』を見る。本作はカテゴリーで言うとクライムサスペンス。数多のシリアルキラーによる殺人事件が題材となっているため、描写はダークで、低音のおどろおどろしいサウンドが背景に流れることも多い。
Ear (stick)ではセリフが明瞭で、近い距離感ではっきりと聞こえてくる。背景サウンドは耳元や頭の後ろあたりで鳴っている感じで、場面描写として小さめの音量で流れていることもあり、低音はやはり抜けてしまっているように感じる。とはいえ、音が面で一体になって埋もれてしまうような感じはなく、それぞれちゃんと聞こえてくるし、夜静かな環境でソファーやベッドに座ったり横になったりして見る時には十分だろう。
通話性能も試す。まずPCと接続してZoomによるオンライン会議から。それなりに時間を要する会議の場合は、発言のたびに口が動き、連動して顎から耳あたりもよく動く。そのせいか、密閉型のイヤホンだと、外音取り込み状態にしていてもどうしても窮屈に感じることもあって、最近疲れ気味だったのだが、Ear (stick)はハーフインイヤー型のため、エアリーで開放的な使い心地がとても楽。圧迫感なく、相手の声も聞き取りやすかった。
外での電話は、休憩の散歩ついでに試してみた。結構交通量の多い道路脇を歩いていたため、実際にはロードノイズがかなり大きく、筆者としてはうるさかったのだが、通話相手いわく「車の音はほとんど聞こえない。声だけはっきりして、キレイに聞こえる」というから、驚いた。騒音下でも話者の声をピックアップし、さらに増幅して届けるという「Clear Voice Technology」は、実際に有用そうだ。
ちなみに、ハーフインイヤー型を外で使うということは、常にトランスペアレンシー状態なわけで、音楽の世界に没入するというのは難しい。ただ、BGM的にうっすら流す程度で良いなら十分だし、安全面はばっちりではある。外出時や移動時をどんな風に過ごしたいかによっては、密閉型イヤホンやヘッドホンとの使い分けをしたいところ。
残念だったのは、まずワイヤレス充電に非対応なこと。普段ワイヤレス充電なんて使わないので問題ないと言う人もいるだろうし、筆者も実はそうなのだが、Phone (1)を持つ身としては、背面において光らせたかった…という感じ。ear (1)を置くほかない。
また、マルチポイント機能がないのも、ぜひアップデートしてほしいところ。一回使い始めると、PC/スマホと2台同時にペアリングしておけるのは、リモートワーク中は特に便利に感じるところだったので、どうかアップデートを…!
屋外で使うならもはや必須と言えるノイズキャンセリング機能。非搭載となるEar (stick)はそれよりも、開放的な使い心地に魅力があるので、それはそれ、Ear (stick)はEar (stick)で、たとえば自宅でのオンライン会議やいわゆる “ながら聴き” したい時に活躍させたいと思った。
でも、可愛いから多分持ち歩くんですよね。とりあえず持っていたい。ちなみにポータビリティーの面では、やはりスリムでコンパクトな円筒形のケースは便利。タイトなジーンズにもねじこめる…が、その場合は歩くたびに気づけばくるっとケースが開いていたりしたので、程よい余裕を持って持ち運びたいところ。
総合して、最近イヤホン疲れしている人や楽に快適に使いたい人や、とにかくかわいいから欲しいひと、Nothing好きな人にはおすすめ。これ一台で全てカバーするというよりは、2台目として活用したい。
製品発表に先んじて、ロンドン・ファッションウィークのChet Loのショー内にて初披露されるなど、Nothing製品の大きな魅力の一つでもある、ファッションとの親和性も高いスタイリッシュなデザインも注目点だ。
今回、発売前にEar (stick)を試すことができたので、実際の音質や使用感などを簡単にレポートする。
Ear (stick)は、英・ロンドンを拠点とする「Nothing Technology」が展開するデジタルブランド「Nothing」の完全ワイヤレスイヤホン。ブランド第一弾製品は「Ear (1)」。密閉型の完全ワイヤレスイヤホンで、耳に入れる筐体部分から伸びたステムと呼ばれる部分に、中の機構が見えるスケルトンデザインを採用し、そのデザイン性から注目を集めた。
続いて登場したのは、光るスマートフォン「Phone (1)」。デザインで変化をつけるのが難しいアイテムだが、ここでもスケルトンデザインを取り入れて、背面部は中の基板が見えるようになっている。この内部の接続配置はニューヨーク地下鉄路線図から着想を得てデザインされており、さらに一部が光る仕様になっているのがポイントで、見える部分としてこだわりの詰まった、遊び心のあるデザインが好評を得ている。
……という感じで、真面目に紹介を始めたが、いろいろ細かいことは抜きにしてとにかくカワイイ、カッコイイ、なんかイイが詰まってる! それがNothing! 特にZ世代に人気というが、筆者はそんな時代は疾うに過ぎた30代、でも十分に響いている!
新登場のEar (stick)も、まずそのリップスティックをイメージしたという円筒形のケースに注目。手にとって、身につけて可愛いデザイン性がまずは目を引く。さらに、独自に開発したφ12.6mmのカスタム・ダイナミックドライバーを搭載し、低音補強する「Bass Lock Technology」を備えることで、ハーフインイヤー型でも低音豊かな高音質もアピールされている。
まずは、iPhoneと接続してApple Musicで音楽を再生した。「Bass Lock Technology」の効果を体感すべく、BLACK PINKの楽曲を聴いた。低音が無理に大きくなるということはなく、普段使っている密閉型と比較すればもちろん不足は否めないが、スカスカとして無くなってしまわない程度に補強されつつ、特に声が際立って聞こえてくる。全体的に軽やかで、どことなくソリッドな印象もある。
ちなみに、音量表示は半分より下の40%ほど。普段はもう少し大きめに再生しているのだが、洗濯機を回す音だったり、インターホンの音など、生活音が聞こえつつも、室内で音楽を聴く分には十分で、最適化の効果もあってか、しっかり耳に音が届いているように感じた。
Ear (stick)登場とあわせて進化する予定のアプリ「Nothing X」を使うと、イヤホンのEQ調整も可能に。基本設定のバランス、プリセットは低音/高音をそれぞれ強調したものと声を強調する3種類を用意。加えてカスタムも可能で、低音/中音/高音の3バンドを±6段階で調整できる。
さて、Bass Lock Technologyによる低音補強には、テストトーンによる測定が必要となる。装着するとまず、ピコンという高い音とブォンっという低い音が一緒になったような起動音が流れるのだが、これがテストトーンに該当し、内蔵マイクによって測定しているのだという。
この測定は左右それぞれ行われるのではなく、いずれかの片側イヤホンを装着した際に測定→音質補正し、左右両方のイヤホンに適用するとのこと。試す中で気になるような差は感じなかったが、耳内は完全なシンメトリーではないだろうから、それぞれで測定する方がより個々人の聴こえに合わせて最適化されて良いのでは、と思う。
なお、同時に装着しても、必ずいずれか片方のイヤホンをメインとして認識し、測定の上で低音損失を補強して、両方のイヤホンに適用するとのこと。同時と言っても完全一致は難しいので、早く装着したほうのイヤホンを識別するということらしい。なので、もともとイヤーピースサイズが左右で結構違うとか、自分の耳に大きく差を感じている人には向かないかもしれない。
操作はイヤホンのステム部分を挟むようにして行うプレスコントロール式で、再生/一時停止、音量アップダウンなど、反応も素早くて誤動作もなかった。「カチッ」というか、「ピコッ」というか、そんな感じのNothingらしい機械音で心地良い。
続いて、動画配信サービス「Disney +」で、いよいよ繰り返し視聴で何周目かに入った海外ドラマ『クリミナル・マインド FBI行動分析課』を見る。本作はカテゴリーで言うとクライムサスペンス。数多のシリアルキラーによる殺人事件が題材となっているため、描写はダークで、低音のおどろおどろしいサウンドが背景に流れることも多い。
Ear (stick)ではセリフが明瞭で、近い距離感ではっきりと聞こえてくる。背景サウンドは耳元や頭の後ろあたりで鳴っている感じで、場面描写として小さめの音量で流れていることもあり、低音はやはり抜けてしまっているように感じる。とはいえ、音が面で一体になって埋もれてしまうような感じはなく、それぞれちゃんと聞こえてくるし、夜静かな環境でソファーやベッドに座ったり横になったりして見る時には十分だろう。
通話性能も試す。まずPCと接続してZoomによるオンライン会議から。それなりに時間を要する会議の場合は、発言のたびに口が動き、連動して顎から耳あたりもよく動く。そのせいか、密閉型のイヤホンだと、外音取り込み状態にしていてもどうしても窮屈に感じることもあって、最近疲れ気味だったのだが、Ear (stick)はハーフインイヤー型のため、エアリーで開放的な使い心地がとても楽。圧迫感なく、相手の声も聞き取りやすかった。
外での電話は、休憩の散歩ついでに試してみた。結構交通量の多い道路脇を歩いていたため、実際にはロードノイズがかなり大きく、筆者としてはうるさかったのだが、通話相手いわく「車の音はほとんど聞こえない。声だけはっきりして、キレイに聞こえる」というから、驚いた。騒音下でも話者の声をピックアップし、さらに増幅して届けるという「Clear Voice Technology」は、実際に有用そうだ。
ちなみに、ハーフインイヤー型を外で使うということは、常にトランスペアレンシー状態なわけで、音楽の世界に没入するというのは難しい。ただ、BGM的にうっすら流す程度で良いなら十分だし、安全面はばっちりではある。外出時や移動時をどんな風に過ごしたいかによっては、密閉型イヤホンやヘッドホンとの使い分けをしたいところ。
残念だったのは、まずワイヤレス充電に非対応なこと。普段ワイヤレス充電なんて使わないので問題ないと言う人もいるだろうし、筆者も実はそうなのだが、Phone (1)を持つ身としては、背面において光らせたかった…という感じ。ear (1)を置くほかない。
また、マルチポイント機能がないのも、ぜひアップデートしてほしいところ。一回使い始めると、PC/スマホと2台同時にペアリングしておけるのは、リモートワーク中は特に便利に感じるところだったので、どうかアップデートを…!
屋外で使うならもはや必須と言えるノイズキャンセリング機能。非搭載となるEar (stick)はそれよりも、開放的な使い心地に魅力があるので、それはそれ、Ear (stick)はEar (stick)で、たとえば自宅でのオンライン会議やいわゆる “ながら聴き” したい時に活躍させたいと思った。
でも、可愛いから多分持ち歩くんですよね。とりあえず持っていたい。ちなみにポータビリティーの面では、やはりスリムでコンパクトな円筒形のケースは便利。タイトなジーンズにもねじこめる…が、その場合は歩くたびに気づけばくるっとケースが開いていたりしたので、程よい余裕を持って持ち運びたいところ。
総合して、最近イヤホン疲れしている人や楽に快適に使いたい人や、とにかくかわいいから欲しいひと、Nothing好きな人にはおすすめ。これ一台で全てカバーするというよりは、2台目として活用したい。