PR待望のアクティブノイズキャンセリング機能も体感
音楽制作のプロが直接チューニング! ビクター完全ワイヤレス「HA-FX150T」速攻レビュー
それでは、これら3つのサウンドモードを実際に聴き比べていこう。まずはデフォルトのサウンドモードである『FLAT』で再生。なお、こちらのチューニングも音響設計技術者とビクタースタジオのエンジニアによる監修が入っているとのことだ。
iPhone 12 ProMaxと接続し、Apple Musicで星野源「喜劇」を再生。バスンと響くキックと深みのあるベースラインが心地よく、ふくよかで穏やかな低域が魅力的。ローズ・ピアノの温かみのある音色やウィンドチャイムの粒の細やかさ、ボーカルの質感などもバランス良く描写されており、柔らかな印象を受けつつもメリハリがついて引き締まっている印象は、新ドライバーユニットとメタルプレーティングチャンバーの恩恵を受けたクリアな再現性によるものだろうか。空間表現も自然で窮屈さを感じない。
Victorは音作りに対して「いつまでも聴いていたくなる心地よい音」を掲げているが、まさにそれを象徴するような居心地の良い音だった。
これを『PROFESSIONAL 1』に切り替えてみるとどうだろう。低域の主張感が抑えられ、ボーカルの質感がより一層緻密に感じられる。耳当たりとしてはより柔らかく、歌声にじっくり浸れるようなチューニングだ。
iri「friends」を再生してみると、トラックのビートを程よく効かせつつ、キレのあるラップやクールなメロディを歌い分けるボーカルを堪能できる。東山奈央「群青インフィニティ」では、疾走感のある爽やかなロックサウンドのパワーにも負けず、伸びやかでハリのあるボーカルが楽しめた。歌モノを楽しむならうってつけのサウンドだ。
細かなニュアンス感をしっかりと補ってくれるような音作りの巧さ
『PROFESSIONAL 2』で改めて上記の楽曲を聴き返してみる。デフォルトである『FLAT』と比べると、音の質感や量感は通ずるところがありつつ、より前後左右にふわりと広がるような空間表現の余裕感を備えている。個人的には、(ノイズキャンセリング機能が搭載されているとはいえ)周りが静かな環境でじっくり聴きたくなるようなチューニングだと感じた。
そして『PROFESSIONAL 3』は80〜90年代の洋楽にフォーカスしたというやや特殊なサウンドモード。せっかくならということで、Michael Jacksonの「Smooth Criminal」を再生。確かにこれは……合う! 太く、厚みのあるディテール感と、抜けが良くハッキリした「強い」グルーヴに身を任せられる安心感がある。逆にBackstreet Boys「I Want It That Way」のようなゆったりとしたロックでも、リバーブの伸びや空気感がよく見えた。
次ページ装着感も良好。ノイズキャンセリングもしっかりとした効果を実感