PR高い実用性と音質を兼ね備えるモデル
「全力でオススメしたい」ワイヤレスヘッドホン入門機。ケンウッド「KH-KZ30」実力チェック!
イヤーパッドはオンイヤータイプ。ハウジング部がスイーベルして最適な角度になるうえ、中のクッションが柔らかいため、フィット感は高い。装着すると耳たぶに優しく重なるイメージだ。側圧は筆者には弱すぎず、強すぎずで、ちょうど良い力加減。これなら、オンライン会議が連続しているケースでも痛くなりにくいだろう。なお、スイーベルでハウジングが180度開いた状態になる。カバンのすきまにスッと忍ばせて持ち運びやすい。
試聴はAndroidスマホの「Google Pixel 6」とペアリングし、音楽サブスクサービスのAmazon Music Unlimitedから再生した。まずは、藤井風の「きらり」を聴く。サウンドモードは「ノーマル」だ。イントロから、粒立ちよく、密度のあるずっしりとしたベース音が、鮮烈に耳に音に飛び込んで来る。ボーカルは明瞭で、エネルギー感に溢れる。サビで楽器が増えると、それと比例して音の厚みも増す。
筆者のこれまでの経験から、エントリークラスのモデルは、ドンシャリ傾向でパッと聴いた印象はよいが、じっくり聴くと音の密度が低く疲れやすい印象が強い。この製品のサウンドはその傾向とは真逆の印象。それもそのはず、ケンウッドのサウンドボリシーである「原音再生」が本機でもしっかり貫かれているのだ。
本機の開発にあたり、「わずかな音色の違いや、消えゆく余韻にまで表現される演奏者の一音一音に込められた想いを再現する丁寧な音作り」を目指したそうだ。微細さこそ上位クラスの製品に譲るが、音の分離感も解像度も狙いに違わぬクオリティ。エントリーモデルだからと一切妥協がない。
KH-KZ30は「日常使いにちょうどいい」。高い実用性と音質を兼ね備えるモデルだ
続けてノーマルモードのまま、あいみょんの「ハルノヒ」をプレイ。ギターはトランジェント感に富み、ボーカルはウォーム傾向で瑞々しい。余裕を持って質量を伴った低域がどっしりと楽曲を下支えし、中域と高域の高い表現力を引き出しているようだ。
このままサウンドモードを「バス」にすると、バスドラやベースといった低域の中でも低い音の厚みがグンと増す。中高域の明瞭さが変わらず聴きやすいため、楽曲全体のバランスは絶妙に保たれている。電車の中のような騒音に低音が負けそうな場面で重宝しそうだ。「クリア」に切り替えると、ギターやボーカルが半歩前に位置する。女性ボーカルやアニソンのように声をしっかり聴くのに向いている。
最後にオンライン会議でマイクミュートを試したが、やはり物理スイッチは使いやすい。前面がオン、背面がオフということさえ覚えてしまえば、自分が話す場面に合わせてサッとオン/オフできる。また、サウンドモードを「クリア」にすると、声が前に出てきて聞き取りやすくなる。本機を試す機会があれば、ぜひとも実践いただきたい。
KH-KZ30はBluetoothヘッドホンのエントリーモデルでありながら、高い実用性と音質を兼ね備えている。様々な物の値段が上がっている昨今だが、それの流れに逆行したかのような高いコストパフォーマンスを実現した、日常使いにちょうどいいモデルだ。
(提供:JVCケンウッド)