“大きい方のHomePod” の進化した点とは?
第2世代「HomePod」レビュー!新旧モデルを比較試聴してみた
■フラットになった天面デザイン。iPhoneからのハンドオフにも対応
続いて、第2世代HomePodのオーディオ性能について検証する。まず初めに、新旧モデル間で変更された点から振り返っていこう。
外観の違いについては、本体の背丈は4mmほどコンパクトになり、天面のTouchサーフェスをHomePod miniと同じフラットな形状としている。初代HomePodの「スペースグレイ」に対して、第2世代機の「ミッドナイト」はやや青みがかった黒系の色彩だ。Apple WatchやiPhone、MacBook Airのミッドナイトほど「青い」感じはしない。
内部のスピーカーユニットは、構成が少し変更されている。中高域は複数のビームフォーミングトゥイーターによるアレイシステム、低域は1基のウーファーでまかなう基本構成は一緒だが、第2世代のHomePodはトゥイーターの数が7基から5基になった。音声コマンドの「Hey Siri」を常時待機したり、低音域の調整にも活躍するマイクアレイも数が6基から4基になっている。
スピーカーシステムの駆動、センサーとソフトウェアを活用する自動調整機能「室内検知テクノロジー」などを正確かつリアルタイムに動かすため、アップル独自設計のSiP(システムチップ)である「S7」を内蔵。Apple Watch Series 7が搭載するチップだ。なお、初代HomePodはiPhone 6シリーズと同じA8チップを内蔵していた。
音声操作に対する速度と正確さは、文句なしに良い。設置環境や使い方にもよるので、一概に比べることは難しいが、Siriの音声操作に対するレスポンスはiPhone 14 Proよりも、Apple Watchのそれに近い感じがする。
音楽再生中に声で話しかけた際でも、コマンドを賢く聞きわける。マイクの感度も良い。少し離れた隣室から話しかけても、Siriが小気味よく応答する。新旧世代間で内蔵マイクの数が減ったことも、影響はないとみていいだろう。
初代HomePodでは、発売後のソフトウェアアップデートで追加されたApple Musicの空間オーディオ/ロスレス再生だが、今回の第2世代HomePodでは出荷時から対応してくれる。
さらに、UWB(超広帯域無線通信)により、U1チップ搭載のiPhoneからのハンドオフにも対応した。HomePod miniが先にサポートした機能で、iPhoneを近づけると再生中の音楽、インターネットラジオ、ポッドキャストのサウンドをHomePodにバトンタッチして続きが聴ける。
Apple MusicはSiriによる音声検索・再生に対応しているが、Amazon MusicやSpotify、YouTubeなど他社製アプリのオーディオは、iPhoneで再生をスタートして、ハンドオフでHomePodによるAirPlay再生に引き継ぐと操作がスムーズに行える。
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