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ゼンハイザー“HD 600シリーズ”の新境地!「HD 660S2」を従来モデル3機種と聴き比べ
端的にいえば、HD 660S2はHD 600シリーズのなかで最も歪み感の少ない、そして最も客観的なサウンドを持ち合わせているイメージだ。当時の主流だったDF(ディフューズ・フィールド)補正カーブに則ってチューニングされたHD 600は、客観的なサウンドを持ち、のびのびとした高域のキャラクターでいながら耳あたりの良さを備えていた。そのサウンドキャラクターは後に“ウォーム”と例えられたが、筆者としては“ウォーム”というよりも“ニュートラル”という言葉のほうが似合う気がしている。
これに近い客観性をもちつつ、最新モデルならではの素性のよさ、歪み感のない良質さを両立しているのがHD 660S2で、聴きやすく、それでいて音の特徴やディテールがよく分かるサウンドとなっている。おかげで、フルオーケストラは各楽器の配置がしっかりと分かり、丁寧なディテール表現とメリハリのよい抑揚が程よくバランスした、臨場感のある演奏が楽しめる。
ボーカルについては、前に出て来ることなく演奏と馴染みのよい歌声を聴かせる。例えばサラ・オレインはベストマッチで、セリーヌ・ディオンの声とも相性がよかった。フォーカスのよい低域も合わせて、ジャズやハードロックなどのグルーヴ感が大切な楽曲は、ノリの良い楽しい演奏を楽しませてくれた。
いっぽう、ボーカルに重きを置いたJポップは、ボーカルの立ち位置がすこし後ろになることで、普段とは異なる印象で聴こえてくる。この点は、前モデルHD 660Sとの違いだ。ポップスメイン、ボーカル重視で聴くという人は、HD 660Sもひとつの選択肢になると思う。
逆に、HD 650に関しては、音の歪みの少なさ、音色の特徴も合わせて、HD 660SとHD 660S2の2モデルにしっかり受け継がれている。スタジオ用として使い慣れている、という人を除けば、どちらかを後継に選んでも不満は感じないだろう。特に全体的なサウンドクオリティや低域の量感では、HD 660S2にアドバンテージがある。唯一、300Ωというインピーダンスはややヘッドホンアンプを選ぶ傾向はあるものの、同じ欧州系のブランドから選ぶなど、相性を含めていろいろと検討してみるのも楽しそうだ。
このようにHD 660S2は、HD 600シリーズのサウンドを踏まえながらも新ドライバーによって強化した、リスニングおよびその他の用途でも十分に魅力的なアッパークラスのヘッドホンといえる。ケーブルやイヤーパッド、ヘッドバンドインナーなど簡単に交換できる整備性のよさも含めて、長い期間にわたって愛機となってくれそうだ。
(企画協力:Sonova Consumer Hearing Japan)