PRVGP2023ピュアオーディオ部会の特別賞を受賞
プロが愛用する音響補正の威力を体験。ジェネレック「GLM」はホームオーディオにも効果絶大だ
■ホームオーディオ向けモデルでもGLMの効果は絶大
続いて、ジェネレックのホームオーディオ製品として新登場したSignatureシリーズの第1弾製品として注目を集める「6040R」でGLMを試した。6040Rは、スピーカースタンドと一体型となった姿が印象的な165mmウーファー搭載の密閉型2ウェイモデルだ。
Signatureシリーズは、ジェネレックの歴史の中でも特に象徴的なモデルを最新技術で「Re-Imagine(再構築)」することをコンセプトとしたシリーズで、本機は、今や同社の顔とも言えるハッリ・コスキネンによる音響工学に基づく曲線デザインを初めて採用した、2001年発売の「6040A」をルーツとしたものとなっている。こちらはジェネレックとしては珍しい密閉型が採用されており、さらに、ホームオーディオ向け製品としては、初めてGLMに対応することが大きな特長だ。
そのサウンドは、密閉型ということもあってか、ジェネレックらしい正確なサウンドをベースにしながら、他の同社製スピーカーよりも幾分タイトなレスポンスが楽しめる印象だ。様々なジャンルのソースを試聴してみたが、密度の高い低域のレスポンスを含め、先程の8351B同様に大変聴きやすいサウンドが実現されているのだ。
そして、GLMでの補正も先ほどと同様の着実な効果が得ることができた。設置スペースに制約が起きやすい家庭での使用にあたって、設置場所の影響を受けづらい密閉型ではあるものの、それでもGLMによる効果が実感できる。999mmという絶妙な高さ設定やその音質も含めて、GLMに対応する6040Rは非常に魅力的な選択肢と言える。
以上のように、GLMはスピーカーを再生する空間の音響特性も含めて、ユーザーへできるだけ忠実なサウンドを提供する、という理念を実現する上で極めて重要な存在であることを改めて体感できた。
スピーカー再生において、その再生空間が持つルーム・アコースティックの問題は、時にスピーカーの性能以上に大きいものだと常々実感するが、ジェネレックは、その問題に対してより高い次元で切り込むソリューションを実現した画期的な存在なのである。
ジェネレックのスピーカー、そしてGLMが持つクラウドベースによる膨大なデータベースを基にした音響空間での鳴り方を解析した上でスピーカーを最適化させる機能は、プロフェッショナルの現場だけでなく、ホームオーディオ・ユースにとっても、極めて有用なツールであると言えるだろう。
(協力:ジェネレックジャパン)