PRaptX接続も対応で活躍の場が広い
ELAC「DCB41」徹底レビュー!HDMI/フォノ搭載アクティブスピーカーでテレビもレコードも上質な“エラックサウンド”に
■しなやかな高域とパワフルで躍動的な低域表現
DCB41の音質をチェックしていこう。まずは、PCとUSB接続で96kHz/24bitのハイレゾ音源を試聴。高域は繊細で音離れが良く、シルキーで上質な雰囲気。ソフトドームらしい、しなやかで滑らかな表現が好印象だ。松任谷由美の「水の中のASIAへ[Remastered 2019]」は、流れるようなメロディーがより流麗でスムーズに。また低域はコンパクトながら奥行の表現に伸びがあり、余裕を感じるほどのスケールの大きさで、懐の深いサウンドだ。
「X bass」が想像以上に “使える” のも発見だ。単に低域の量感が増幅されるのではなく、むしろ引き締まる印象。量感はそのままにアタックや押し出しが強くなり、パワフルで躍動感が増す。音質面で劣化は感じず、常時オンでもよさそうだ。この引き締まった低域には、ダクトのS字構造も大きく貢献しているのだろう。
次にスマホとBluetooth接続して、apt Xの音質を確認。藤井風の「きらり」は、“静” が生み出すコントラストがHi-Fiライクで心に沁みる。ボーカルの適度な太さも心地よい。高域も歪み感を覚えず、気持ちよく伸びる。パワフルな低域が生み出す躍動感は、イヤホン・ヘッドホンやBluetoothスピーカーでは出会い難い体験で、本機で聴けば “いつもの曲” も新しい一面を発見できるだろう。
■PHONOは繊細で明瞭、HDMIは空気感の表現が秀逸
注目のPHONO入力のクオリティは、同社のアナログレコードプレーヤー「MIRACORD 50」を組み合わせて確認した。The Bill Evans Trio「My Foolish Heart」を試聴してみると、キリっと引き締まった印象。中高域の輝きが印象的でピアノのタッチが鮮明で、ベースは明瞭なリズムで聴かせてくれる。総じて近代的なサウンドに映る。
MIRACORD 50の内蔵のフォノイコライザーを使用してLINE入力した場合は、情報量が多くリッチな音色、低域が厚く、ベースの響きも豊かだ。DCB41のLINE入力の優秀さも確認できた。
最後にHDMI入力の音質を検証。eARC/ARCに対応するパナソニックの4K有機ELテレビ「TH-42LZ1000」と接続した。テレビのNetflixで映画『トップガン マーヴェリック』を試聴してみると、本機のHi-Fiらしい “静けさ” が随所に表現力の高さとして現れる。
ダークスターを背景にした格納庫のシーンは、残響音から空間の雰囲気の変化がわかりやすく、デッドに転じた瞬間の静寂からは畏怖感も濃く感じ取れる。明瞭でありながらささくれを感じない肉厚なセリフ。ジェットやバイクのエンジン音が轟く感も堂々としており、映画の世界に惹き込まれる。
映画『エルヴィス』は、ステージの熱気が印象的。スーパーヒーローの誕生から、さらにヒートアップする過熱感、そしてリズムも怒涛の如く押し寄せてくる。映画においても音楽性や熱量を感じたいユーザーには、DCX41のサウンドを一聴してほしい。老舗のスピーカーブランドとして、HDMIを備えた意義が見えた。
[SPEC]
●形式:2ウェイ・バスレフ型 ●ユニット:19mm ソフトドーム・トゥイーター×1、115mm ポリプロピレン・コーン・ウーファー ●アンプ:ClassD 50W+50W ●再生周波数帯域:50Hz〜25kHz ●入力端子:HDMI×1(ARC対応)、光デジタル音声×1、USB-B×1、アナログ音声RCA×1(LINE/PHONO切替) ●出力端子:サブウーファー×1 ●外形寸法:140W×245H×203Dmm ●質量:3.5kg(アンプ内蔵側)、2.85kg(パッシブ側)
(提供:株式会社ユキム)