PR【PR】ブックシェルフ/フロア型を徹底試聴
新しいリスニング様式に応えるスピーカー、ELAC「Uni-Fi Referenceシリーズ」の実力に迫る
ストリーミング、ハイレゾ、アナログリバイバルブームなど、リスニング音源が多様化した現代。そんな新しいリスニング様式に応えるスピーカーとしてELACから登場したのが“Uni-Fi Referenceシリーズ”だ。本稿ではブックシェルフ型「UBR62」とフロアスタンディング型「UFR52」にフォーカス。単なるサイズ違いに留まらない2モデルを大橋伸太郎氏が徹底分析する。
かつてはMM型カートリッジの欧州における特許を保有し、現在はドイツを代表するオーディオメーカーのELACにスピーカーの名シェフ、アンドリュー・ジョーンズが加わったのは2015年のこと。グローバルなエントリーラインのDebutシリーズが発売された。マーケット開拓の意欲が音作りに現れ、正直申して筆者もドイツ本国製と肌合いを異にした元気で屈託ない鳴り方に当初当惑を感じた一人だった(※ELACはドイツ以外の国にも開発チームを置いておりアンドリュー・ジョーンズはアメリカで活動)。
Debutは世界市場で受け入れられ、ELACアメリカとしてDebut Reference、Uni-Fi等続々と新シリーズが生まれていく。2019年のCarinaシリーズでELACのCI、JETトゥイーターを初搭載、Uni-Fiで本国のパーツとの共有化が進み、アメリカとドイツ本国製の音質の違いは当初ほど鮮明なものではない。しかし、音離れがよくからりとした音場にくっきりとした描線で音像を描く明快な表現を堅持、アンドリュー・ジョーンズが注ぎ込んだ新しい血が息づく。
ストリーミング、クラウド、ハイレゾ、ホームシアター、アナログリバイバルと音源が多様化した現代、このもうひとつのELACの流れがグローバルなニーズを受けとめる。現在・未来のリスニング海図の大洋へ。時代の潮目を見極めた舵取りだったことをいま筆者も認めたい。
そんなELACの最新製品がUni-Fi Referenceシリーズである。アンドリュー率いるELACアメリカの企画開発。前進となるUni-Fiシリーズは5年前に日本でリリースされ、一度2.0というシリーズに移行したが、Debut Referenceと価格帯が重なり2.0の導入は見送られた。
そして昨年秋、大幅なチェンジを経た第三世代Uni-Fi Referenceが発表され、価格もDebut Referenceより上にシフトしたので今夏日本での展開に踏みきった。設計に当たったアンドリュー・ジョーンズは昨年をもって契約が満了。これがELACで手掛けた最後の仕事になるらしい。
Uni-Fi(ユニファイ)とは同軸ドライバーユニットを表わす。今回の第三世代で大きな変更が加えられたのがここ。ドライバーユニットは日本未導入の2.0でも改良されていたが、今回のリファレンスではオリジナルのユニファイと比べドライバーユニット自体が大きく進化した。
一番大きな特徴は25mmトゥイーターのワイドバンド化にある。高域の再生周波数がオリジナルのUni-Fiの25kHzに対し今回35kHzまで上限を伸ばした。下の帯域に関してもクロスオーバーがオリジナルより下に移行し、ミッドレンジの100mmドライバーの受け持つ帯域の負担が減り同軸ユニット全体の音質の向上につながった。
同軸ユニットの構成を仔細にみると、振動板はトゥイーターがクロス布系のソフトドーム、ミッドレンジは「モールドアルミコーン」と命名の高剛性アルミ単板、磁気回路は両方ともにネオジムを使用しており、オリジナルのUni-Fiから大幅に大型化している。アルミダイキャストを削り出した銀色のフレーム(支持体)が高剛性のバスケットフレームに収められ振動対策は十分だ。
一方のウーファー。アルミダイキャストのバスケットフレームに収められた振動板は「ニュー・ディッシュ」と命名の高剛性アルミ単板を採用し、ミッドレンジとウーファーが同じ素材で揃えられている。磁気回路にはフェライトマグネットを使用している。この構成に見覚えがあるな、と思ったらCarinaシリーズのウーファーと非常に作りが似ているのだ。緩いお椀型のカーブの婉曲形状を微妙に変えて共振周波数を帯域外に追い出している。CarinaがELACアメリカのセカンドエピソードの始まりであることがわかる。
ユニット構成は、フロアスタンディング型UFR52は同軸ユニットプラス130mmウーファー×3、スタガーでなく3発パラレル駆動の3ウェイ5スピーカーシステム。ブックシェルフ型UBR62は同軸ユニットと165mmウーファーの3ウェイ構成となっている。
名エンジニア、アンドリュー・ジョーンズがELACに与えた影響
かつてはMM型カートリッジの欧州における特許を保有し、現在はドイツを代表するオーディオメーカーのELACにスピーカーの名シェフ、アンドリュー・ジョーンズが加わったのは2015年のこと。グローバルなエントリーラインのDebutシリーズが発売された。マーケット開拓の意欲が音作りに現れ、正直申して筆者もドイツ本国製と肌合いを異にした元気で屈託ない鳴り方に当初当惑を感じた一人だった(※ELACはドイツ以外の国にも開発チームを置いておりアンドリュー・ジョーンズはアメリカで活動)。
Debutは世界市場で受け入れられ、ELACアメリカとしてDebut Reference、Uni-Fi等続々と新シリーズが生まれていく。2019年のCarinaシリーズでELACのCI、JETトゥイーターを初搭載、Uni-Fiで本国のパーツとの共有化が進み、アメリカとドイツ本国製の音質の違いは当初ほど鮮明なものではない。しかし、音離れがよくからりとした音場にくっきりとした描線で音像を描く明快な表現を堅持、アンドリュー・ジョーンズが注ぎ込んだ新しい血が息づく。
ストリーミング、クラウド、ハイレゾ、ホームシアター、アナログリバイバルと音源が多様化した現代、このもうひとつのELACの流れがグローバルなニーズを受けとめる。現在・未来のリスニング海図の大洋へ。時代の潮目を見極めた舵取りだったことをいま筆者も認めたい。
そんなELACの最新製品がUni-Fi Referenceシリーズである。アンドリュー率いるELACアメリカの企画開発。前進となるUni-Fiシリーズは5年前に日本でリリースされ、一度2.0というシリーズに移行したが、Debut Referenceと価格帯が重なり2.0の導入は見送られた。
そして昨年秋、大幅なチェンジを経た第三世代Uni-Fi Referenceが発表され、価格もDebut Referenceより上にシフトしたので今夏日本での展開に踏みきった。設計に当たったアンドリュー・ジョーンズは昨年をもって契約が満了。これがELACで手掛けた最後の仕事になるらしい。
“新しいリスニング様式”を視野においたUni-Fi Referenceシリーズの構造
Uni-Fi(ユニファイ)とは同軸ドライバーユニットを表わす。今回の第三世代で大きな変更が加えられたのがここ。ドライバーユニットは日本未導入の2.0でも改良されていたが、今回のリファレンスではオリジナルのユニファイと比べドライバーユニット自体が大きく進化した。
一番大きな特徴は25mmトゥイーターのワイドバンド化にある。高域の再生周波数がオリジナルのUni-Fiの25kHzに対し今回35kHzまで上限を伸ばした。下の帯域に関してもクロスオーバーがオリジナルより下に移行し、ミッドレンジの100mmドライバーの受け持つ帯域の負担が減り同軸ユニット全体の音質の向上につながった。
同軸ユニットの構成を仔細にみると、振動板はトゥイーターがクロス布系のソフトドーム、ミッドレンジは「モールドアルミコーン」と命名の高剛性アルミ単板、磁気回路は両方ともにネオジムを使用しており、オリジナルのUni-Fiから大幅に大型化している。アルミダイキャストを削り出した銀色のフレーム(支持体)が高剛性のバスケットフレームに収められ振動対策は十分だ。
一方のウーファー。アルミダイキャストのバスケットフレームに収められた振動板は「ニュー・ディッシュ」と命名の高剛性アルミ単板を採用し、ミッドレンジとウーファーが同じ素材で揃えられている。磁気回路にはフェライトマグネットを使用している。この構成に見覚えがあるな、と思ったらCarinaシリーズのウーファーと非常に作りが似ているのだ。緩いお椀型のカーブの婉曲形状を微妙に変えて共振周波数を帯域外に追い出している。CarinaがELACアメリカのセカンドエピソードの始まりであることがわかる。
ユニット構成は、フロアスタンディング型UFR52は同軸ユニットプラス130mmウーファー×3、スタガーでなく3発パラレル駆動の3ウェイ5スピーカーシステム。ブックシェルフ型UBR62は同軸ユニットと165mmウーファーの3ウェイ構成となっている。