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ティアックの「NT-505-X」にアクセサリーを追加しよう

ネットワークオーディオはアクセサリー追加でもっと楽しめる! 最新7アイテムをトコトン聴き比べ

公開日 2023/06/05 06:40 炭山アキラ
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TELEGARTNER 光アイソレーター「OPT BRIDGE 1000M」



さぁお次は光アイソレーター、テレガートナー「OPT BRIDGE 1000M」の登場だ。デジタルの不要なノイズを伝送ラインから排除するためにいろいろなフィルターや除去回路が考案されているが、これはメタルのLANケーブルを光ファイバーに変換することで、ノイズ成分を完璧に排除するというものである。光ラインは外部の光環境や振動などに敏感だから、筐体へ収めて厳重に遮蔽されている。

TELEGARTNER 光アイソレーター「OPT BRIDGE 1000M」(349,800円)

クラシックのオケ物は情報量が激増するが、それで音がグイグイ前へ出るのではなく、前後左右へ音が定位し、それを広大なホール音場が包むさまを明快かつ精密に表現する感じだ。ソロのチェロは美しいがほんの僅かハイ上がりにも聴こえる。

LANケーブル2本で接続しネットワークに「挟み込む」形で使用する

歌物はピアノがサラリとした質感で流れ、歌手は少し遠くへ定位、しかし歌へ込めた情感や抑揚はよりはっきりと伝わってくるから面白い。音源そのものへ含まれている音場成分がしっかりと再現できた結果と考えられる。

ジャズは全体に優しくたおやかな質感になるが、それで一閃のパワー感が削がれるかというとそうでもないのが実に良い。余分な重みがつかず、一段と生々しい楽器の表現になっているのは、やはり余分なノイズや歪みが除去されたせいであろう。ここまでいろいろなノイズ対策を試してきたが、一つとして同じ音がないのが面白いものだ。

ポップスは声にも伴奏楽器にも潤いが増し、しかしダミ声の質感はまったく損なわれない。特に低域方向の分解が改善され、ドラムスのビートにボーカリストの囁きと呟きがしっかり乗っていることが実感できる。いい表現だ。

Silent Angel ネットワークハブ「NX」



今回の試聴ではこれが “横綱” だろう。サイレントエンジェルのハブ「NX」である。55万円という価格も凄いが、モノとしての存在感もちょっとしたハイエンド・アンプ並みのオーラをまとう。内部回路も凝ったもので、軍事用レーダー・グレードの電源を搭載し、さらにその周辺へ起因するノイズを信号ラインから完全に遮断、何と25MHzのマスタークロックまで内蔵しているというから恐れ入る。シャーシは極めつけの頑丈さと美しさを両立しているし、それやこれや考え合わせると、この価格もむしろ割安に見えてくるから大したものである。

Silent Angel ネットワークハブ「NX」(550,000円)

クラシックのオケ物は再生装置が何ランクも上がったような堂々たる鳴りっぷりに痺れる。先程もハブの電源向上でたまげたが、やはりハブというのは曲者だ。トゥッティは爽やかに広がり、ソロはガシッと締まった音像から艶やかで瑞々しい音楽がノーストレスであふれ出してくる。歌物はもう自然の一言。ピアノはやや遠くに控えめながら堂々と定位し、流麗に流れる。歌は体へ力を入れずに朗々と歌っているさまが眼前に現れる。

アンプのような重量感と存在感!

ジャズもドラムスの実体感がケタ外れで、ウッドベースはやはり等身大に定位しつつ猛烈な実体感を聴かせ、よく弾んで軽快な演奏に思わず耳を奪われる。まったく、ハブ以外同じ装置だとはとても思えない。

ポップスはボーカルの品位が数倍に上がり、バックの演奏も粒立ち良くしっかり分離する。いやはや、こんな表現を聴かされては降参だ。ハブの交換で音が大きく変わるという現象はこれまで何度か体験してきたが、こんな変化は空前である。脱帽せざるを得ない。

アクセサリーを多数組み合わせるとどうなる?



ここまでは1つのグッズを試し終わるたびに一旦デフォルトへ戻し、それぞれの効果を単独で聴いてきた。ここからは、「合わせ技」が有効そうなグッズを複数使い、効果を確かめてみることにした。まずは5個バンドルパックのLAN iSilencerを、すべての空き端子という空き端子へ挿入してみることとした。

一番違いの分かりやすいボーカル系のクラシックを聴いた結果、S/Nなどはとても良くなるのだが、ちょっと静かすぎるというか、ほんの若干ながら楽音にも影響している気がする。そこで、少しずつ数を減らしながら音楽を聴き続けたら、実に良い塩梅が見つかった。声の質感が一段と生々しさを増し、ピアノとの距離感もより明確に出た。うん、この表現は素晴らしい。

続いて、その状態にCrystal Epを2個シリーズにしたものを追加すると、何だか伴奏ピアノの質感と実体感が大きくなり、満開の桜のトンネルの奥から妙なる声が流れ出してくるような表現になる。これはちょっと意外な効き方だったが、これはこれで面白い。いろいろな変わり方があるものだ。

そこへさらにクロックを追加するとピアノのタッチが明快になり、スタインウェイ的な輝きがしっかりと味わえるようになった。声も定位がピシリと決まり、装置によっては幾らか痩せて乾燥した質感になりがちの声が芳醇に朗々と伸びるようになって仰天する。



まだまだやりたい実験は残るが、残念ながらここでタイムアップだ。改めて、ネットワークオーディオの世界はアクセサリーを加えるとどこまでも深く、広大な世界になることが分かった。これらを一度に実験することは大変かもしれないが、一つずつ試していかれると、さらに実り多い音楽再生の道が開けることを保証しよう。

それにしても、ネットオーディオに限らないが、オーディオアクセサリーというのは本当に汲めど尽きせぬ泉の趣がある。楽しい世界だな、としみじみ感じた今次の取材だった。

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