日本を代表するマイクブランドの2本を検証
配信で“声映え”する良いマイクを使いたい!オーディオテクニカ「AT2040USB」と「AT2020USB-X」、どっちを選ぶべき?
■オーディオテクニカ協力、AT2040USBとAT2020USB-Xで「歌ってみた」
続いてはボーカル&アコースティックギターの曲のボーカル収録でのテストを行なった。ボーカルにAT2040USBとAT2020USB-X、ギターには別のマイクを立てての同時演奏、同時録音だ。そこからボーカルの音調には手を加えない、最小限のミックスで仕上げたものがこちらの動画の音となる。
なお歌唱・演奏・作詞・作曲・録音はオーディオテクニカ社員有志、収録場所もオーディオテクニカが誇るアストロスタジオだ。
実際の音を聴いてもらえる形なので多くは語らないが、両マイクの持ち味を筆者なりに簡潔に表すなら、AT2040USBは「声の肉感と厚み」、AT2020USB-Xは「声の質感と抜け」。歌全体が、AT2040USBでは落ち着いた沈み方に聞こえ、AT2020USB-Xでは細やかさ切なさが際立って聞こえる。ここは好み次第か。
だが歌の表現への追従性では、AT2020USB-Xに優位がありそうだ。例えば歌詞「It's a difficult love」の「It's(イッツ)」のところ。AT2040USBだと後ろの「ツ」、AT2020USB-Xだと頭の「イ」がアクセント強めに聞こえる。おそらく、やや抑えた声量での「イ」のアタックに前者ダイナミック型は追従しきれず、後者コンデンサー型は追従できる、その差からだろう。
歌に力を入れた配信や制作で繊細なボーカル表現まで余さずに捉えてリスナーに届けたいなら、それにはAT2020USB-Xの方が合いそうだ。
話を単純化するなら「普通の部屋でトーク配信ならAT2040USB、防音室で歌ってみた配信ならAT2020USB-X」とかになるだろう。実際それも間違いではない。
であるが、音調の好み、声質との相性、騒音をどれほど気にするかしないかなど、マイク選びで何を重視するかは人それぞれ。今回の内容も参考にしつつ、自分に合うマイクってどんなマイクだろう? を考えてみてほしい。
(協力:オーディオテクニカ)