PRDolby Atmos対応の7.2chエントリー機が刷新
デノン「AVR-X1800H」レビュー。サラウンド不要論を一蹴する説得力が、このAVアンプにはある
デノンはじつに8機種のAVサラウンドアンプをラインナップする。専門メディアがとかく注視するのは「AVC-A1H」のようなフラグシップ機だが、エンドユーザーの関心が集まるのはベーシックモデルであり、販売業界にとってはAVアンプ需要全体を底支えする米びつのような存在だ。価格の制約の中でいかに密度の高い「強いアンプ」を作るか……ベーシックこそメーカーの実力の見せ所といっていい。
今回、デノンAVアンプのベーシックモデル「AVR-X1700H」が「AVR-X1800H」に変わった。AVアンプのモアチャンネル化はいまも進行中で、内蔵アンプ数は同社ラインナップの中核機「AVR-X4800H」が9ch、インターミディエート「AVC-X6700H」が11ch、「AVC-X8500HA」で13ch、最上位AVC-A1Hでは15chに及ぶ。
一方、「映画もステレオ再生で」という方に向けたHDMI端子搭載ステレオHi-Fiアンプが各社から相次いで登場し、セールスも好調と聞く。簡便なシアターバーも堅調だ。それらに挟まれて7ch内蔵型の「素のサラウンドアンプ」がどれだけの存在感を発揮するか……興味が持たれる。
■機能面は前世代機とほぼ変わらず、しかし音質面に大きな進化がある
AVR-X1800Hのプロフィールをざっと紹介しておこう。現在のデノンのアンプは、設計に白河工場でプレミアムモデルを手掛ける高橋佑規氏をはじめ、ミドルクラスやエントリークラスにもそれぞれ専任の設計チームを擁し、音決めはサウンドマスター・山内慎一氏が手掛ける体制をとっているが、この体制下で誕生した最初のAVサラウンドアンプが、本機の前世代機、AVR-X1700H(2021年)であった。
その後AVC-X8500HA、AVC-A1Hといった大作が誕生し、それが一巡して振り出しに戻りAVR-X1800Hが生まれた。移り変わりの急なAVの世界で2年という時間が長いのか短いのか議論が分かれるが、スペックや機能面でAVR-X1700Hとの目立った差分は少ない。
内蔵アンプの定格出力が2ch駆動時70W+70W(8Ω)、実用最大出力175Wのアナログ構成は前世代機とほぼ同等。Dolby Atmos、DTS:X再生に対応するが、AURO-3Dは9chでないため非対応。ハイトスピーカーなしで高さ方向へ音場を拡張するDolby Atmos Height Virtualizer & DTS:Virtual XもX1700Hで対応済み。
HDMIが8K/60Hz、4K/120Hz対応(入力は各3系統の計6系統、出力1系統)で動画配信サービスや新世代ゲーム機に対応すること、デジタル放送のMPEG-4 AAC、eARCへの対応、音場補正機能に「Audyssey MultEQ XT」を搭載し、より詳細な調整が行える「Audyssey MultEQ Editor」アプリは有料ダウンロードとなるのも承前である。
山内氏はA1Hのチューニングにあたり、コンデンサや電子部品を吟味しカスタムパーツを多数投入した。機能面であれができるこれができる、でなく、上位機種での向上策が反映された音質がX1700Hとの差分なのである。エントリー機の枠に収まらない、サラウンド不要論を一蹴するベーシック7.2chの説得力……がAVR-X1800Hの開発ミッションとみた。
今回、デノンAVアンプのベーシックモデル「AVR-X1700H」が「AVR-X1800H」に変わった。AVアンプのモアチャンネル化はいまも進行中で、内蔵アンプ数は同社ラインナップの中核機「AVR-X4800H」が9ch、インターミディエート「AVC-X6700H」が11ch、「AVC-X8500HA」で13ch、最上位AVC-A1Hでは15chに及ぶ。
一方、「映画もステレオ再生で」という方に向けたHDMI端子搭載ステレオHi-Fiアンプが各社から相次いで登場し、セールスも好調と聞く。簡便なシアターバーも堅調だ。それらに挟まれて7ch内蔵型の「素のサラウンドアンプ」がどれだけの存在感を発揮するか……興味が持たれる。
■機能面は前世代機とほぼ変わらず、しかし音質面に大きな進化がある
AVR-X1800Hのプロフィールをざっと紹介しておこう。現在のデノンのアンプは、設計に白河工場でプレミアムモデルを手掛ける高橋佑規氏をはじめ、ミドルクラスやエントリークラスにもそれぞれ専任の設計チームを擁し、音決めはサウンドマスター・山内慎一氏が手掛ける体制をとっているが、この体制下で誕生した最初のAVサラウンドアンプが、本機の前世代機、AVR-X1700H(2021年)であった。
その後AVC-X8500HA、AVC-A1Hといった大作が誕生し、それが一巡して振り出しに戻りAVR-X1800Hが生まれた。移り変わりの急なAVの世界で2年という時間が長いのか短いのか議論が分かれるが、スペックや機能面でAVR-X1700Hとの目立った差分は少ない。
内蔵アンプの定格出力が2ch駆動時70W+70W(8Ω)、実用最大出力175Wのアナログ構成は前世代機とほぼ同等。Dolby Atmos、DTS:X再生に対応するが、AURO-3Dは9chでないため非対応。ハイトスピーカーなしで高さ方向へ音場を拡張するDolby Atmos Height Virtualizer & DTS:Virtual XもX1700Hで対応済み。
HDMIが8K/60Hz、4K/120Hz対応(入力は各3系統の計6系統、出力1系統)で動画配信サービスや新世代ゲーム機に対応すること、デジタル放送のMPEG-4 AAC、eARCへの対応、音場補正機能に「Audyssey MultEQ XT」を搭載し、より詳細な調整が行える「Audyssey MultEQ Editor」アプリは有料ダウンロードとなるのも承前である。
山内氏はA1Hのチューニングにあたり、コンデンサや電子部品を吟味しカスタムパーツを多数投入した。機能面であれができるこれができる、でなく、上位機種での向上策が反映された音質がX1700Hとの差分なのである。エントリー機の枠に収まらない、サラウンド不要論を一蹴するベーシック7.2chの説得力……がAVR-X1800Hの開発ミッションとみた。
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