【特別企画】素材を厳選し振動対策をさらに強化
力強さとスピード感、静寂感を実現。AETのフラグシップ電源ケーブル「EVIDENCE NI AC」の魅力
AETの電源ケーブル「EVIDENCE NI AC」は、素材や構造、導体の処理技術など、同社が培ってきた技術を惜しみなく投入したフラグシップモデルである。そのサウンドの魅力を確認してみた。
AETは2002年に設立されたオーディオアクセサリーブランドで、多彩な高音質ケーブルやインシュレーターなどのアクセサリー類を豊富にラインアップしているため、市場で高い人気を獲得している。
メイドインジャパンを標榜し、プレミアム・バージン無酸素銅(PVC)導体など、使用素材を厳選してきた経緯もあり、マルチ・プロセス・クライオ処理や硬質金コーティングといった新技術も積極的に採用して高音質化を実現している。
そんなAETから最上位の電源ケーブル「EVIDENCE NI AC S」が発売された。この電源ケーブルは、革新的な素材や技術を駆使し、かつ最高水準のクオリティを目指した製品である。これまで様々なケーブルで採用していた帯電防止素材をさらに進化させ、新しいケーブル構造、振動防止効果の高い特殊素材などが投入されている。
従来、ケーブルの振動抑制はケーブルの外側から実施するというのが一般的であった。しかし新開発のNIインシュレーションロッドは同社が近年取り組んでいた帯電防止素材を棒状に成形することで、ケーブルの構成素材として振動発生源至近での振動抑制を可能にした。
独自技術である高周波ノイズの原因となる電磁波を遮蔽するカプラーの大型化を敢行し、大径モデルに対応している。さらに内部構造の見直しを図り、従来以上の電磁波防止能力を実現した第2世代のカプラーとなっている。近年、電源ケーブルは大径化傾向にある。本機もその例外ではなく適度な硬さはあるが、得られる良質なサウンドを考えたら十分に妥協できる範囲といえる。
そしてEVIDENCE NI AC Sの表現力を向上させるため、新開発のハイセパレーション構造を採り入れている。前述のNIインシュレーションロッドに加えて、絶縁材の進化やこれまでに研究してきた静電ノイズや高周波ノイズへの対策など、同社技術を結集させた。これにより音楽のダイナミズムとセパレーションの向上を実現している。
また音楽制作、レコーディングスタジオやライヴ等の現場で培った力強さとスピード感、静寂感の実現など高い表現力を有するケーブルとなった。
以上のような新技術と新素材が投入されているが、近年注目されている同社の独自技術には、アコースティック・コンディショナーもある。これはケーブルの抵抗値を制御する技術だが、独自に素子を開発した。従来のモデルにもこれを小型化し搭載していたが、このケーブルには、次世代型アコースティック・コンディショナーとして改良を加えられたものが投入されている。
ケーブルメーカーの多くは生産拠点が海外であるのに対し、前述のようにAETは、メイドインジャパンにこだわり、音質面で影響の大きい素材や工程は、全て自社で開発・生産を行っている点が好ましい。導体は長年使用してきた国産のPVC導体で太さは6φmm、2芯ハイセパレーション構造を採っている。
同ブランドの最上位モデルだけに、優れた広帯域特性と高いSN比が確保されている。特にボトムエンドまでスムーズに伸び、低音楽器などは豊かな響きが得られている。ウッドベースなどは量感があるが、音像を膨張させることなく厚みのある音が聴けた。
ブルックナー『交響曲 第5番』は、シンプルな方式のデジタル録音らしく、鮮度感をスポイルせずにクリアなサウンドで、無音部は静けさが漂い音場空間にも濁りが感じられない。高音弦楽器のボウイングの擦過音は滑らかさがあり艶やかな響きが感じられる。
『ジュビレーション』は、フロント2本のトロンボーンに適度な温もりがあり、スピード感のあるアドリブソロの早いパッセージが生き生きと再現された。ランディ・クロフォードのソウルフルなヴォーカルや最高のリズム・セクションが送り出すグルーヴ感などを実在感あるサウンドで再構築してくれる高い音楽表現力を備えた製品である。
ケーブルアイソレーターのショートバージョンとアンプなどの機器の空き端子に接続し、電気ノイズを放電させることで低減させるノイズイジェクターも好評発売中となっている。
(提供:AET)
本記事は『季刊・Audio Accessory vol.188』からの転載です。
革新的な素材や技術を駆使したAET最上位の電源ケーブル「EVIDENCE NI AC」
AETは2002年に設立されたオーディオアクセサリーブランドで、多彩な高音質ケーブルやインシュレーターなどのアクセサリー類を豊富にラインアップしているため、市場で高い人気を獲得している。
メイドインジャパンを標榜し、プレミアム・バージン無酸素銅(PVC)導体など、使用素材を厳選してきた経緯もあり、マルチ・プロセス・クライオ処理や硬質金コーティングといった新技術も積極的に採用して高音質化を実現している。
そんなAETから最上位の電源ケーブル「EVIDENCE NI AC S」が発売された。この電源ケーブルは、革新的な素材や技術を駆使し、かつ最高水準のクオリティを目指した製品である。これまで様々なケーブルで採用していた帯電防止素材をさらに進化させ、新しいケーブル構造、振動防止効果の高い特殊素材などが投入されている。
従来、ケーブルの振動抑制はケーブルの外側から実施するというのが一般的であった。しかし新開発のNIインシュレーションロッドは同社が近年取り組んでいた帯電防止素材を棒状に成形することで、ケーブルの構成素材として振動発生源至近での振動抑制を可能にした。
独自技術である高周波ノイズの原因となる電磁波を遮蔽するカプラーの大型化を敢行し、大径モデルに対応している。さらに内部構造の見直しを図り、従来以上の電磁波防止能力を実現した第2世代のカプラーとなっている。近年、電源ケーブルは大径化傾向にある。本機もその例外ではなく適度な硬さはあるが、得られる良質なサウンドを考えたら十分に妥協できる範囲といえる。
そしてEVIDENCE NI AC Sの表現力を向上させるため、新開発のハイセパレーション構造を採り入れている。前述のNIインシュレーションロッドに加えて、絶縁材の進化やこれまでに研究してきた静電ノイズや高周波ノイズへの対策など、同社技術を結集させた。これにより音楽のダイナミズムとセパレーションの向上を実現している。
また音楽制作、レコーディングスタジオやライヴ等の現場で培った力強さとスピード感、静寂感の実現など高い表現力を有するケーブルとなった。
以上のような新技術と新素材が投入されているが、近年注目されている同社の独自技術には、アコースティック・コンディショナーもある。これはケーブルの抵抗値を制御する技術だが、独自に素子を開発した。従来のモデルにもこれを小型化し搭載していたが、このケーブルには、次世代型アコースティック・コンディショナーとして改良を加えられたものが投入されている。
ケーブルメーカーの多くは生産拠点が海外であるのに対し、前述のようにAETは、メイドインジャパンにこだわり、音質面で影響の大きい素材や工程は、全て自社で開発・生産を行っている点が好ましい。導体は長年使用してきた国産のPVC導体で太さは6φmm、2芯ハイセパレーション構造を採っている。
音場空間には静けさが漂い、鮮度が高く濁りも感じない
同ブランドの最上位モデルだけに、優れた広帯域特性と高いSN比が確保されている。特にボトムエンドまでスムーズに伸び、低音楽器などは豊かな響きが得られている。ウッドベースなどは量感があるが、音像を膨張させることなく厚みのある音が聴けた。
ブルックナー『交響曲 第5番』は、シンプルな方式のデジタル録音らしく、鮮度感をスポイルせずにクリアなサウンドで、無音部は静けさが漂い音場空間にも濁りが感じられない。高音弦楽器のボウイングの擦過音は滑らかさがあり艶やかな響きが感じられる。
『ジュビレーション』は、フロント2本のトロンボーンに適度な温もりがあり、スピード感のあるアドリブソロの早いパッセージが生き生きと再現された。ランディ・クロフォードのソウルフルなヴォーカルや最高のリズム・セクションが送り出すグルーヴ感などを実在感あるサウンドで再構築してくれる高い音楽表現力を備えた製品である。
ケーブルアイソレーターとノイズイジェクターも発売中
ケーブルアイソレーターのショートバージョンとアンプなどの機器の空き端子に接続し、電気ノイズを放電させることで低減させるノイズイジェクターも好評発売中となっている。
(提供:AET)
本記事は『季刊・Audio Accessory vol.188』からの転載です。