【特別企画】優れたシステムの実力をさらに引き出す!
フルテック最上級電源ケーブルと「NCF Booster」、その相乗効果は強力極まりない
電源周りのアクセサリーや各種ケーブルで、高い評価を得るフルテック。その最高峰電源ケーブル「Powerflux-NCF-18」の音の魅力と、さらなるクオリティアップ効果を図るアクセサリー「NCF Booster」を使い、実力がどこまで高まるのか相乗効果を探った。
「PowerFlux」はフルテックのフラグシップとなる電源ケーブルだが、一昨年の2021年にプラグを一新して大いに話題を呼んだ。今回はもう一段踏み込んで、もうひとつ上の次元を探ってみることにしたい。「NCF Booster」との併用がそれである。
「PowerFlux」は精密な構造を持った3芯タイプの電源ケーブルで、導体には径0.127mmのα-OCC素線を使用し、7本の撚り線を束ねた形としている。α-OCCは、OCC銅線に独自の深冷処理及び物性処理アルファ・プロセッシングを施した導体で、フルテック固有の線材である。絶縁は特殊ポリエチレンだが、特に注目されるのがシースの構成だ。
3本の芯線をまとめた上に、まずインナーシース。シールドを挟んでその上にアウターシースという厳重な二重構造である。材質はカーボンパウダーを調合した高機能PVCで、制振性と外来ノイズの遮断、さらに柔軟性も備えている。またシールドはアルファ導体による編組である。
この精密なケーブル本体に「FI-50M NCF(R)」/「FI-50 NCF(R)」という最高グレードのプラグとIECコネクターを装着したのが、この「Powerflux-NCF-18」というバージョンである。このプラグについてはすでにあちこちで紹介されているので詳述する必要はなさそうだが、鍵はNCF(ナノ・クリスタル・フォーミュラ)である。フルテック独自の素材で、静電気を強力に吸収・排除する。以前から各種製品に採用されてきたが、ここではプラグのボディに調合している。この効果は思いのほか強力で、その後の製品展開によっても驚異的な音質改善を実現して、聴く人を驚かせているものである。
ハウジングはステンレス合金で、制振性特殊樹脂とシルバーカーボンファイバーの3層構造。制振性特殊金属のケーブルクランプ部、ロジウムメッキ純銅製の電極部など随所にきめ細かな配慮が行われている。さらにケーブルの中間部にはシルバーカーボン仕上げの電磁波吸収材GC-303が装着され、ノイズ除去を徹底する。
さてここでは、システムの要となるプリアンプに装着して試聴してみたい。電源ケーブル「Powerflux-NCF-18」自体の基本的な特質としては、エネルギーが非常に豊かに乗って彫りが深い。特に大音量の部分ではなく、ごく普通の何気ないパッセージでも一音一音の起伏が大きく取れているため、表情が深く陰影が濃いのだ。そしてそれが重苦しくならず、重厚な弾みとなって現れてくるところに凄みがある。
これに「NCF Booster」を加えて、一層の音質向上を図ろうというのが本稿の目的だ。NCF Boosterシリーズはすでによく知られていると思うが、ケーブルや端子を支持し、挟んで装着を確実にするアクセサリー。使用したのは上部にスタビライザーを備えて、静寂感を増した最上級モデルである。
エネルギーが逃げない。例えばそれはジャズでも顕著で、ウッドベースやトロンボーンの重心が下がって質感が厚く、また弾力に富んで起伏が常に軽く揺れていることでも分かる。活きがいいのである。単に厚い、力感が高いというのならこれまでにもあったが、それがこうした弾みとなって音の生命力になっているのは初めてのことだ。
バロックは瑞々しい鮮度の高さが聴きものだ。バロック・ヴァイオリンの繊細な表情と同時に、コントラバスやヴィオラの強靭な立ち上がりにも注目したい。スピードの速い証拠で、それが低域の切れの良さとなってシャープな弾みを作り出している。
ピアノも和音のがっしりとした力感と響きの厚さ、肉質感の暖かみが、一瞬で聴く人を捉えてしまう。タッチがデリカシーに富んで、ことに弱音部の表情がきめ細かな変化を見せて彩り豊かだ。
オーケストラは粘りと潤いを備えた弦楽器の音調が頼もしいが、当たりがよく、ふくよかな手触りで響きに大きく包まれるようなイメージがある。音色の濁りがなく純粋だ。そして起伏がどこまでも伸び伸びと高まって、振幅の大きなうねりが描き出されている。
低ノイズ・高エネルギーの基本的な性能を、「NCF Booster」がさらに引き立てて信号を逃さない。フラグシップの威力が遺憾なく発揮されている。音楽を鳴らすための源が強力に整えられた印象である。
【Powerflux-NCF-18】●端子の電極部:高伝導性を有する純銅にロジウムメッキ、さらにαプロセス処理●プラグボディ部:特殊素材NCF 調合●ケーブル導体:α- 導体(68本/0.127mm×7)×3、外径2.8mm ●ケーブル絶縁体:特殊PE(赤、黄、自然色)、外径:5.4mm●ケーブルシース:1→ RoHS指令適合カーボンパウダー調合柔軟性PVC(内層)、2→ RoHS指令適合柔軟性PVC(外層)、外径16.5mm ●ケーブルシールド部:0.12mm α- 導体撚り合わせ編組●ケーブル仕上がり外観:ナイロン糸編組、外径約17.5mm●※長さの特注品は別途見積もり
【NCF Booster】●構造:独自調合マルチマテリアルハイブリッド構造●クレイドル素材:オーディオグレードABS 樹脂とNCF 調合ナイロン樹脂(静電気および振動対策)●クレイドル:カーブドタイプ●トップクランプ素材:特殊ステンレスブロックとオーディオグレードNCF 調合ナイロン樹脂●外部サイズ:約94×99.7mm ●高さ:基本88mm /延長147.5mm(オプション追加可能)●質量:基本580g、延長630g●ベースユニット素材:オーディオグレードABS 樹脂、鉄製カウンターウェイト、衝撃吸収プレート●付属品:エクステンションシャフトバー×2、固定リング×2
(協力:フルテック)
本記事は『オーディオアクセサリー189号』からの転載です。
NCF版の最高峰電源ケーブル「導体から構造まで独自に設計、表情が深く陰影が濃いのが特徴」
「PowerFlux」はフルテックのフラグシップとなる電源ケーブルだが、一昨年の2021年にプラグを一新して大いに話題を呼んだ。今回はもう一段踏み込んで、もうひとつ上の次元を探ってみることにしたい。「NCF Booster」との併用がそれである。
「PowerFlux」は精密な構造を持った3芯タイプの電源ケーブルで、導体には径0.127mmのα-OCC素線を使用し、7本の撚り線を束ねた形としている。α-OCCは、OCC銅線に独自の深冷処理及び物性処理アルファ・プロセッシングを施した導体で、フルテック固有の線材である。絶縁は特殊ポリエチレンだが、特に注目されるのがシースの構成だ。
3本の芯線をまとめた上に、まずインナーシース。シールドを挟んでその上にアウターシースという厳重な二重構造である。材質はカーボンパウダーを調合した高機能PVCで、制振性と外来ノイズの遮断、さらに柔軟性も備えている。またシールドはアルファ導体による編組である。
この精密なケーブル本体に「FI-50M NCF(R)」/「FI-50 NCF(R)」という最高グレードのプラグとIECコネクターを装着したのが、この「Powerflux-NCF-18」というバージョンである。このプラグについてはすでにあちこちで紹介されているので詳述する必要はなさそうだが、鍵はNCF(ナノ・クリスタル・フォーミュラ)である。フルテック独自の素材で、静電気を強力に吸収・排除する。以前から各種製品に採用されてきたが、ここではプラグのボディに調合している。この効果は思いのほか強力で、その後の製品展開によっても驚異的な音質改善を実現して、聴く人を驚かせているものである。
ハウジングはステンレス合金で、制振性特殊樹脂とシルバーカーボンファイバーの3層構造。制振性特殊金属のケーブルクランプ部、ロジウムメッキ純銅製の電極部など随所にきめ細かな配慮が行われている。さらにケーブルの中間部にはシルバーカーボン仕上げの電磁波吸収材GC-303が装着され、ノイズ除去を徹底する。
NCF Boosterの併用効果「音の生命力が引き出されて、音楽を鳴らす源が強力に整う」
さてここでは、システムの要となるプリアンプに装着して試聴してみたい。電源ケーブル「Powerflux-NCF-18」自体の基本的な特質としては、エネルギーが非常に豊かに乗って彫りが深い。特に大音量の部分ではなく、ごく普通の何気ないパッセージでも一音一音の起伏が大きく取れているため、表情が深く陰影が濃いのだ。そしてそれが重苦しくならず、重厚な弾みとなって現れてくるところに凄みがある。
これに「NCF Booster」を加えて、一層の音質向上を図ろうというのが本稿の目的だ。NCF Boosterシリーズはすでによく知られていると思うが、ケーブルや端子を支持し、挟んで装着を確実にするアクセサリー。使用したのは上部にスタビライザーを備えて、静寂感を増した最上級モデルである。
エネルギーが逃げない。例えばそれはジャズでも顕著で、ウッドベースやトロンボーンの重心が下がって質感が厚く、また弾力に富んで起伏が常に軽く揺れていることでも分かる。活きがいいのである。単に厚い、力感が高いというのならこれまでにもあったが、それがこうした弾みとなって音の生命力になっているのは初めてのことだ。
バロックは瑞々しい鮮度の高さが聴きものだ。バロック・ヴァイオリンの繊細な表情と同時に、コントラバスやヴィオラの強靭な立ち上がりにも注目したい。スピードの速い証拠で、それが低域の切れの良さとなってシャープな弾みを作り出している。
ピアノも和音のがっしりとした力感と響きの厚さ、肉質感の暖かみが、一瞬で聴く人を捉えてしまう。タッチがデリカシーに富んで、ことに弱音部の表情がきめ細かな変化を見せて彩り豊かだ。
オーケストラは粘りと潤いを備えた弦楽器の音調が頼もしいが、当たりがよく、ふくよかな手触りで響きに大きく包まれるようなイメージがある。音色の濁りがなく純粋だ。そして起伏がどこまでも伸び伸びと高まって、振幅の大きなうねりが描き出されている。
低ノイズ・高エネルギーの基本的な性能を、「NCF Booster」がさらに引き立てて信号を逃さない。フラグシップの威力が遺憾なく発揮されている。音楽を鳴らすための源が強力に整えられた印象である。
【Powerflux-NCF-18】●端子の電極部:高伝導性を有する純銅にロジウムメッキ、さらにαプロセス処理●プラグボディ部:特殊素材NCF 調合●ケーブル導体:α- 導体(68本/0.127mm×7)×3、外径2.8mm ●ケーブル絶縁体:特殊PE(赤、黄、自然色)、外径:5.4mm●ケーブルシース:1→ RoHS指令適合カーボンパウダー調合柔軟性PVC(内層)、2→ RoHS指令適合柔軟性PVC(外層)、外径16.5mm ●ケーブルシールド部:0.12mm α- 導体撚り合わせ編組●ケーブル仕上がり外観:ナイロン糸編組、外径約17.5mm●※長さの特注品は別途見積もり
【NCF Booster】●構造:独自調合マルチマテリアルハイブリッド構造●クレイドル素材:オーディオグレードABS 樹脂とNCF 調合ナイロン樹脂(静電気および振動対策)●クレイドル:カーブドタイプ●トップクランプ素材:特殊ステンレスブロックとオーディオグレードNCF 調合ナイロン樹脂●外部サイズ:約94×99.7mm ●高さ:基本88mm /延長147.5mm(オプション追加可能)●質量:基本580g、延長630g●ベースユニット素材:オーディオグレードABS 樹脂、鉄製カウンターウェイト、衝撃吸収プレート●付属品:エクステンションシャフトバー×2、固定リング×2
(協力:フルテック)
本記事は『オーディオアクセサリー189号』からの転載です。