PR高音質&多機能&コンパクトに「快適な操作感」がプラス
令和にミニコン、むしろアリ! デノン「RCD-N12」がHEOSアプデで全方位隙なしシステムになっていた
■お手軽システムなのに「オーディオの感動」が味わえる
今回、純正スピーカーのSC-N10を組み合わせて試聴を行なった。まずはSpotifyから、キタニタツヤ「青のすみか」を再生。タイアップ作品である『呪術廻戦 懐玉・玉折』の世界観を表現したのだろう、空のようにどこまでも広がる音場が印象的で、個人的にはスピーカーで聴いて初めて真価を発揮すると思っている楽曲だ。
N12で再生すると、イントロから伸びやかに広がる音場や、音が空気中に溶けゆくようなリヴァーブ感を綺麗に表現してくれる。ハイハットやギター、シンセサイザーといった上物も繊細かつ高解像度で、楽曲が持つ爽やかさ、透明感を余すことなく描き出す。
ミズノマリのソロアルバム「Salon de Mari Platinum Songs 〜Special Edition〜」の1曲目「Hot Butterfly」では、ハスキーで甘いボーカルを中央に据えつつ、ピアノは向かって右手、ベースは左手、ドラムは奥と、ステージ構成までくっきりと描写。ややベースがぼやけているきらいはあるものの、ピアノやドラムは瑞々しく、粒立ちもはっきりしている。
ちなみに、N12には純正SC-N10専用のフィルターが搭載されている。試しにオフにしてみると、一気に低音の量感がアップ。ボーカルもふくよかで距離感の近い、よりエモーショナルな聴こえ方になった。
このフィルターはSC-N10に最適化して作ってあるそうだが、意外とオフでも悪くないように思う。YOASOBI「アイドル」のように低域がタイトな曲はもちろん、ベースの強いビリー・アイリッシュ「bad guy」でもパワフルさが増しつつ、ボーカルや上物がかき消されることはない。感覚的にはフィルターオンは高解像度でオーディオ的、オフは勢いとパワーがあってライブ感のある印象を受けたので、好みや楽曲に合わせて積極的に変えてみていただきたい。
続いてUSBメモリからミズノマリ「Hot Butterfly」のハイレゾ音源(96kHz/24bit)を聴いてみると、ボーカルはよりシルキーになり、楽器隊の音はより輪郭がくっきりとしていることが分かる。ハイレゾだからストリーミングより音が良いのは当たり前なのだが、このお手軽ミニコンで「ハイレゾってこんなに違うんだ」というオーディオ原体験を味わわせてくれることに驚かされた。
また、HEOSの再生中画面からのEQ設定や、EQをパススルーして高音質化をはかる「ソースダイレクトモード」の選択が可能。こちらをオンにしてみると一気にS/N感が上がり、無音にある種の緊張感が生まれる。ぜひ積極的に使っていきたい機能だ。
最後にHDMIでテレビと接続して、YouTubeからAdoの「唱」ライブ映像を視聴。Adoの歌唱力の高さは今更言うまでもないが、N12で聴くライブは別格。エッジの鋭いがなりからクリーンなファルセットまで、まるでその場にいるかのように生々しく聴かせてくれて、改めて彼女の凄さを体感できた。
もうアップデートされたので言ってしまうが、正直、以前のHEOSは結構もっさりしていた。それがどうだろう、今回の刷新で「これが欲しかったんだよ」なアプリに見事大進化を果たした。おそらく往年のHEOSユーザーの方々はガッツポーズをしているのではないだろうか。
そして、ただでさえ高音質&多機能&コンパクトなオールインワン機だったRCD-N12は、「快適な操作感」を獲得し、全方位に隙のないミュージックシステムへと大進化を遂げた。リビングで使うのはもちろん、寝室や書斎のデスクに置くも良し、1周して大学入学のお祝いにしてみても、スマホネイティブ世代ならきっと問題なく使いこなせることだろう。
今はストリーミングや完全ワイヤレスのクオリティも高くなっているとはいえ、やはりスピーカーリスニングで初めて得られる迫力や感動がある。ぜひ令和の最先端ミニコンポ・RCD-N12で自宅の音を最高にしてみていただきたい。
(協力:ディーアンドエムホールディングス)