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Bluetoothもレコードもイケる「今ドキ」スピーカー。カナダ発・Kanto Audio「YU4」のコスパがスゴい

公開日 2024/05/17 07:00 草野晃輔
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■アナログらしい表現力豊かなサウンドに感涙



次にアナログ再生を試していこう。筆者が所有するアナロブプレーヤーはフォノイコライザーを搭載していないため、RCA端子とアース用ケーブルを接続した後、YU4の入力切替を「Phono」とした。ラックの中央にアナログプレーヤーを、両脇にYU4を置いたシンプルな構成だ。

普段聴いている荒井由実のデビューアルバム『ひこうき雲』から、1曲目の「ひこうき雲」を再生する。パチパチというアナログ特有のノイズが聞こえ、ピアノの美しいイントロが始まる。歌声はハリと潤いが共存し、繊細さを帯びつつも力強い。中高域の情報量が多く表現力が豊かなことがよく分かる。

ベースラインはやや控えめながらも芯が明瞭。シンプルながらもメロディアスな旋律で心地よくリズムを刻む。もっとデジタルっぽい、近代的なサウンドかと思いきや、アナログらしい雰囲気たっぷりの密度ある音色を楽しませてくれる。

レコードプレーヤーと組み合わせた様子。本体がBluetoothに対応しているため、サブスクからレコードまで、このシステムで対応することができる

続けて、2015年に発売されたシュガー・ベイブの40周年記念盤『SONGS -40th Anniversary Edition-』から「Show」をかける。最新リマスタリング音源から作られただけあり、音が濃密で立体的だ。定位が正確で楽器の定位が分かりやすく、音場の奥行きもしっかり感じられる。山下達郎のボーカルは高域まで気持ちよく伸び、デジタルでありがちな擦過音がきつい感じも全く感じられない。音の分離感も素晴らしく、コーラスは塊にならず一人ひとりの声を聴き分けられるほど。

洋楽も聴いてみたい。オアシスの名盤『モーニング・グローリー』から「Don't Look Back in Anger」に針を落とすと、いい意味で枯れた深みのあるギターの音色が流れる。ボーカルも演奏も音が分厚く、サビでは幾重にも重なりエネルギッシュ。

熱量の高いアナログのサウンドを聴いていると、筆者がこの曲をCDで繰り返し聴いていていた頃をふと思いだし目頭が熱くなった。いい音は聴いて心地よいだけでなく、その時の思いを心に刻み、聴く度に蘇らせてくれる。これも、アナログで聴く醍醐味の一つだろう。



本格的にアナログとデジタル再生の両方を楽しもうと思えば、スピーカーとプレーヤーの他にアンプも必要だ。設置場所には気を使うしコスト面でも気軽に、とは行かない。その点、YU4ならアンプは不要。パーソナルスペースでアナログもデジタルもいい音を楽しみやすい。実勢価格も税込63,800円からと、ちょっと高価なBluetoothスピーカーやブックシェルフスピーカーと変わらないほど手頃だ。

デジタルならスマホをハブにして、外出先と家でシームレスに音楽を楽しめ、さらには昨今ブームのアナログもカバーする。YU4は今の時代にマッチしながらいい音を気軽に楽しめる、長く使えるアクティブスピーカーといえるだろう。

Kanto Audioのヘッドホンスタンド「H2」と組み合わせた図

(協力:完実電気)

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