PR「Solano FS 287.2」「Solano BS 283.2」をレビュー
キール生産のJET6トゥイーターを身近にするELAC「Solano 280.2」。最新世代の中核モデルの真価に迫る
■Solano BS 283.2を試聴 「音像定位の精度がきわめて高く、柔らかなハーモニー」
ブックシェルフ型のSolano BS 283.2で最初に聴いたリッキー・リー・ジョーンズ「Naked Songs」は、アコースティックギターが刻むリズムのキレの良さと、演奏会場の広さと空気の密度感を伝える豊かな臨場感が聴きどころだ。
リッキー・リーのヴォーカルは一番高い音域まで刺激的な要素がなく、ファルセットの音色は背筋がゾクゾクするほど美しい。声のイメージは細すぎず広がりすぎず、ちょうど良い大きさに感じられた。
金管アンサンブルのアーク・ブラスはトランペットのファンファーレが柔らかい質感をたたえ、トロンボーンとホルンを加えた厚みのあるハーモニーを再現。ブックシェルフ型とはいえテューバを含む低音の響きに物足りなさを感じることはなく、むしろ重心の低さを実感させる。
ステージ上に弧を描いて並んだ金管楽器群の音像定位はきわめて精度が高く、前後の遠近感も忠実に再現していることがわかる。全員の呼吸が揃う様子や息遣いの生々しさもしっかり聴き取ることができるが、楽音以外の演奏ノイズはどちらかというと目立たない。発音の鋭さやディテールを際立たせるスピーカーとは一線を画すスピーカーなので、長時間のリスニングにも積極的にお薦めできる。
マゴーニのヴォーカルはSolano FS 287.2に比べると音像が少しだけ引き締まっているが、高音も含めて線の細い声にはならない良さがある。リュートの鮮明な発音とハーモニーの柔らかさはJET6を導入したスピーカー群に共通する美点と言えそうだ。
■JET6を身近にしてくれる次世代の中核モデル
Solano 280.2シリーズはJET6を搭載したスピーカーのなかでは最も身近な存在だ。堅固なキャビネットや仕上げの質感の高さを考えると、ブックシェルフ型でペア33万円、フロア型でもペア66万円という価格は割安と言っていいだろう。次世代のELACの中核を担う位置付けにふさわしいスピーカーの登場を歓迎したい。
[SPEC]
「Solano FS 287.2」
●形式:2ウェイ・バスレフ型 ●スピーカーユニット:JET6 トゥイーター×1、150mm AS CONE ウーファー×2 ●クロスオーバー周波数:450Hz、2.4kHz ●周波数特性:30Hz〜50kHz ●能率:87dB ●インピーダンス:4Ω ●外形寸法:260W×985H×300Dmm ●質量:19.0kg
「Solano BS 283.2」
●形式:2ウェイ・バスレフ型 ●スピーカーユニット:JET6 トゥイーター×1、150mm AS CIONE ウーファー×1 ●クロスオーバー周波数:2.4kHz ●周波数特性:41Hz〜50kHz ●能率:85dB ●インピーダンス:4Ω ●外形寸法:190W×331H×248Dmm ●質量:8.0kg
(提供:ユキム)