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ゼンハイザー「HD620S」音質徹底レビュー!人気シリーズに登場した貴重な密閉型機の実力は?
おかげで、エレキベースなど埋もれがちな楽器の音もしっかり届き、存在感を主張するようになった。名盤ロックではエレキベース、クラシックのオーケストラ演奏ではチェロやコントラバスなどの低域担当楽器が、心地よい響きの魅力的な音色を聴かせてくれた。
オススメは4.4mmバランスケーブルの導入だが、様々な作業中のBGMとして長時間聴き続けたい場合などは、聴きやすい音色である標準ケーブルのほうがオススメできる。
開放型モデルとは“似て非なるもの”。それぞれに異なる魅力がある
さて、気になるHD600シリーズとの比較をしてみよう。まずは「HD650」から、こちらに別売の4.4mmバランス着脱式ケーブルを繋いて試聴してみる。
一聴して似て非なるもの、どちらもそれぞれに魅力ある製品だと感じた。
音像のフォーカス感、定位の正確さなどでは新モデルであるHD620Sがあきらかにリードしている。先ほどの「五等分の気持ち」では方向こそピタリ一致するものの、フォーカスが僅かに甘いのでなんとなく曖昧な印象となる。逆にそれが功を奏して、左右方向への音移動はHD650のほうがナチュラル。紛うことなく “自然に音が広がる” と表現できるサウンドだ。
いっぽうで、音色的にはHD650のほうが高域に鋭さ、ピークの強さが感じられる。このあたりはモニターヘッドホンとして長い間慕われ続けている “HD650らしさ” といえるところであり、リスニング向けヘッドホンとしての聴きやすさはHD620Sのほうに惹かれる。
HD620Sをお供にすれば「音楽ライフがいちだんと楽しくなる」
最後に、HD600シリーズの元祖といえる「HD600」とも比較してみる。ちなみにHD650と同様、こちらも個人的に愛用している製品で、個体としての使用時間は200時間ほどとなっている。
それほど使い込んでいることもあり、好みでいえばこちらの方が好きな音。素っ気ないほど自然な低域の量感や、繋がりのスムーズな中低域、フォーカスが高くメリハリ表現がしっかり伝わるヴォーカルやメイン楽器、ヌケのよい高域など、音楽を活き活きと描いて切れる魅力溢れるサウンドだ。
しかしながらHD600を聴くことで、HD620Sならではの魅力もハッキリと感じられる。帯域バランスというか、特性的にはHD620Sのほうがクセがなくフラット、そのおかげで聴き心地のよいサウンドに纏まっている。高域が鋭く感じることもなく、またイヤーパッドやヘッドバンドの柔らかも相まって、長時間聴き続けたい場合はHD620Sのほうが有利。
そもそも、HD600やHD650は基本的に音漏れが大きいため、ひとりきりになることができる環境でなければ心情的に使いにくいという悩ましさもある。屋外で活用することはそれほど多くないだろうが、テレワーク中の自宅はもとより、会社のデスク、カフェでのノマドワークなど、様々な環境で“よい音”を楽しみたい時には圧倒的に有利な製品となる。
ワイヤレスの使い勝手も魅力だが、これを機会に、音質最優先のハイクラス有線ヘッドホンをひとつ手元に置いてみてはいかがだろうか。HD620Sによって、音楽ライフがいちだんと楽しくなってくれるはずだ。
(提供:Sonova Consumer Hearing Japan)