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PRJBL初のハイブリッド・ドライバーを採用

音も機能もトップクラスの“全方位特化型”完全ワイヤレス。JBL「Tour Pro 3」を徹底レビュー

公開日 2024/10/04 06:30 高橋 敦
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■いまほしい機能はすべてある! 全方位に“特化”



驚くほどのサウンドを叩き出しながらも、象徴的なタッチディスプレイが示すように、本機はいわゆる音質特化型的な性格のモデルではない。機能性や使いやすさもトップレベルだからだ。「オールラウンダー」といういい方だと音も機能も平均程度と誤解されてしまうかもなので、矛盾した言い方にはなるが、「全方位特化型」とでも評すればよいだろうか。

Tour Pro3とTour Pro 2との比較

その機能面で特に大きな驚きを与えてくれたのはノイズキャンセリング性能の向上だ。これまた前モデル時点で大満足の性能だったが、そこからさらに性能をアップ。今回試用期間中に飛行機に乗る機会もあったが、本機の消音性能は最新ハイエンド完全ワイヤレスイヤホンの中でノイズキャンセリング性能に特に優れるトップグループに準ずるレベルと体感できた。

環境に応じたノイキャン強度の自動調整も、徒歩→駅→電車内→飛行機という路程において、常に自然に、そして最大限の効果を得られるように動作。この大きな進化はノイズキャンセリング用マイクの性能アップ、耳の形の個人差や装着状態のズレを吸収するリアルタイム適応の仕組みなどによって実現されているとのことだ。


アダプティブノイズキャンセリングに対応
なお、さらなる静かさを求める方に向けて今回は、Mサイズのみとなるがフォームイヤーチップも付属。加えてシリコンチップにもXSとXLを追加。アプリでの装着状態テスト機能も活用し、自身にフィットするイヤーチップを吟味してほしい。前モデルから継承のオーバルシェイプ&ショートスティック形状による基本的なフィットも、細かな調整によって高められている。


新たにシリコンのXSとXL、低反発も1サイズ追加された

ノズルは楕円形状になっている
そのほかにもマイク性能アップと機械学習アルゴリズムによるノイズ低減で通話性能も向上。ヘッドトラッキング対応など強化された空間オーディオ、個人最適化機能「Personi-Fi」のアップデートもそれぞれ見落とせないポイントだ。


自分の耳の聞こえ方を測定して、補正する「Personi-Fi」も3.0にアップデートして精度を高めている
ただしLDACを選択した際は、Personi-Fiや空間オーディオ等との併用が不可となっている。iPhoneならそもそもLDACは選択できないが、LDACよりAAC+Personi-Fiの方が総合的に好印象となる場合が少なからずあり、LDAC使用が常にベストとは限らないので、アプリをインストールしてぜひ試してほしい。


デフォルトでは「ハイレゾオーディオ(LDAC)」の項目はOFFになっており、ONにすると空間オーディオなどの一部機能が使用できなくなる
最後に大きくピックアップすべきはやはり、アイコニックなスマートタッチディスプレイ搭載ケースの進化。まずディスプレイサイズが拡大され、それを生かして再生中の楽曲名とアルバム名の表示などを実現。日本語表示にも対応だ。ケースで操作や設定変更できる要素も諸々追加されている。細かなところでは、バッテリー残量と接続コーデックをロック画面の時点で、つまりロック解除せずに確認できるようになったのも便利だ。


画面を表示するだけでイヤホンだけでなくケースのバッテリー残量が一目でわかる
そして今回ケースには新たにトランスミッター機能まで追加された。スマホやPC、テレビ等とケースをケーブルで接続し、オーディオデータをケース経由でイヤホンへとBluetooth送信。この際のコーデックは遅延が少ないLC3plusだ。さらに複数機器への同時伝送を実現するAURACAST規格にも対応。JBLではイヤホンやスピーカーのAURACAST対応を進めているので、今から注目しておきたい。


ケースにはトランスミッター機能を追加。その際、ケースとイヤホンの伝送コーデックはLC3plusになるため、遅延が気になる動画視聴にもお薦めだ
正直なところテスト前には、Tour Pro 2の完成度があまりにも高かったこともあり、今回は小幅なアップデートにとどまっているのではないかと想像していた。しかしそんな不安を吹っ飛ばすこの進化っぷり! 完全ワイヤレスイヤホンの最先端をその手にしたいならTour Pro 3は最有力候補のひとつといえるだろう。

(協力:ハーマンインターナショナル株式会社)

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