PRVGP2025企画賞・金賞に選ばれたイヤホンシリーズ
英Nothingが贈る “才色兼備” イヤホン「Ear」レビュー。見た目、音質、ChatGPT連携までブランドのこだわりに迫る
Nothing EarとEar (a) には周囲のノイズ量を自動解析しながら消音効果を環境に適応させる「Smart ANC」が搭載されている。Nothing Xアプリを開き、ノイズコントロールの選択を「ノイズキャンセリング」「アダプティブ」ともにオンにするとSmart ANCの効果がかかる。
賑やかな街中の繁華街、地下鉄の車内で試すと、ヒラリー・ハーンの演奏に静かなスタジオで対峙しながら聴いているようなスリリングな音楽再生を楽しむことができた。静寂と演奏による音のコントラストがむやみに強調されることのない、自然なANCのバランスがとても魅力的だ。ANCについてはEarもEar (a) も同じベクトルでチューニングされていると感じた。
■会話感覚でChatGPTでのAIチャットが可能。生成AI連携の可能性にも着目
そしてChatGPT連携だ。NothingのスマートフォンにGoogle Playストア経由でChatGPTアプリを導入してから、ペアリングしたワイヤレスイヤホンで生成AIチャットボットを呼び出して音声操作を行うことができる機能だ。
NothingはEar/Ear (a) を今年4月下旬に発売してから、当初の予告よりも時期を前倒すかたちで5月22日にはChatGPT対応を実現してしまった。当時、筆者もそのスピード感と実行力に脱帽した。さらに現在は、オープンイヤー型モデル「Nothing Ear (open) 」と従来モデルの「Nothing Ear (Stick) 」、サブブランドであるCMFのワイヤレスイヤホン「CMF Buds Pro 2」にもChatGPT対応の勢いが拡大している。
Nothing Xアプリからの設定は「コントロール」を選択して、Nothing Earから呼び出す音声AIとしてChatGPTを選択する。イヤホンに内蔵するリモコンの「つまんで長押し」など、任意の操作からChatGPTが起動できるようになる。
ChatGPTの音声操作は日本語にも対応している。リモコンから一度起動すれば連続する音声コマンド入力をChatGPTが待機し続けるので、スマホの画面を見ることなく、まるでイヤホンと会話するような感覚でAIチャットが楽しめる。移動時にChatGPTを使う場合は、近くにあるカフェを探したり、交通経路を調べる用途にも使えた。
なお、Nothingのスマートフォンはホーム画面にChatGPTアプリのウィジェットを置くことができる。画面のスクリーンショットや、あらかじめクリップボードにコピーしたテキストからChatGPTのプロンプトにペーストして調べるという使い方にも対応する。今後もNothing OSのアップデートにより、ChatGPT対応を含む様々なワイヤレスイヤホン周りの機能が便利になることが期待できそうだ。
Nothingのワイヤレスイヤホンが先駆けて対応した生成AI連携の機能は、ライバルのプロダクトにも拡大しつつある。デザインと音質、AI機能の先進性において他を力強く引き離す、Nothingによる今後の展開からも目が離せない。
(協力:Nothing Japan)