HOME > レビュー > 日本発、高コスパイヤホン新本命。final「ZE3000SV」は機能充実、そして何より音が良い!

PRノイキャン搭載など大進化を遂げた「ZE3000」後継機をレビュー

日本発、高コスパイヤホン新本命。final「ZE3000SV」は機能充実、そして何より音が良い!

公開日 2024/12/12 07:00 山本敦
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

■コンテンツへの敬意を感じさせる“音質優先”ノイキャン「コンフォートANC」を搭載



筐体のフィット感の高さに加え、前世代機にはなかったノイキャン機能を搭載。音質優先だという「コンフォートANC」を有するところにこだわりを感じさせる

finalが「finalのブランド」で展開するANC搭載のワイヤレスイヤホンには最上位モデルの“ZE8000シリーズ”がある。ZE8000は極めて自然な8K SOUNDのリスニング感を重視した結果、FF(フィードフォワード)マイクだけを実装してマイルドなアクティブノイズキャンセリング機能を実現していた。

ZE3000SVにはサウンドのバランスを重視しつつ、同時に消音効果を高めるためにFB(フィードバック)マイクも追加したハイブリッド方式のANC機能を搭載。しっかりしたノイキャン効果を持ちつつ、音質にもこだわった「コンフォートANC」を標準装備している。

イヤホンの左右側面にはタッチセンサー方式のリモコンを内蔵する。左側をシングルタップするとANCと外音取り込み(アンビエントサウンド)が切り替わり、左右のどちらかを長押しすると風切り音防止(ウィンドカットモード)が有効になる。

ANCの効果は絶妙と言うほかない。屋外を歩いたり、賑やかな商業施設の中や地下鉄の車内など様々な場所で試したが、ANCが環境騒音のレベルだけをすっと落としてZE3000SVによるリスニングに集中させてくれる。外音取り込みをオンに切り替えてもそのバランスは崩れない。ウィンドカットモードの作り込みも丁寧だ。

筆者は上位モデルのZE8000も愛用しているが、コンテンツのサウンドに対する敬意を感じさせるANCのチューニングがfinalの真骨頂だと確信した。

■圧倒的なリアリティに引き込まれる。1万円台とは思えぬ透明感



ZE3000SVをスマホに接続して音楽を聴いた。

上原ひろみのアルバム「Sonicwonderland」から『Polaris』は、トランペットが奏でるメロディの優しさと温もりが香り立つ。ピアノの音色がとても美しく澄んでいる。ベースはいたずらに量感を誇張することなく正確に熱いリズムを叩く。ドラムスのビートは立ち上がりが鋭く、抑揚の鮮やかさと躍動感をライブステージの目の前で聴いているみたいに鮮やかに再現する。

リスニング開始後から徐々に演奏のリアリティに引き込まれた。本機はファーストインプレッションも好感触だが、聴きこむほど圧倒的なリアリティに包み込まれてしまう説得力を持っている。

ZE3000の系譜なだけあって音質の良さは健在

もう1曲ボーカルも聴いた。原田知世のミニアルバム「カリン」から先行配信が始まった『カトレア』だ。息を吞むほどに高い音の明瞭度。ボーカルは強く前に迫り出してくる感じではなく、少し離れた場所で音像が鮮やかに定位する。中規模なコンサートホールの1階・やや後方の席から演奏を聴いているような感覚だ。

ボーカルが優しく煌めいたり、ゆらゆらとたゆたう様子を心落ち着かせながら静かに観察できる。アコースティックギターの音色をとても自然に響かせるイヤホンであることも、ギターを愛する筆者にとって肝心なポイントだ。

試聴用の音源以外にも、筆者が普段からよく聴いている楽曲もZE3000SVでひたすら聴いた。やはりこの透明感は他のイヤホンでなかなか味わえないと思う。そして本機が1万円台のワイヤレスイヤホンであることを思い出してため息をついた。本機もまた相当なロングランヒットモデルになりそうだ。

(協力:final)

前へ 1 2

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク