PRアーカムとの組み合わせレビューも掲載
新世代「JBL」を告げる驚異的コストパフォーマンス。「Stage 2シリーズ」3モデルをレビュー
新開発のアノダイズド・アルミニウム・ドームトゥイーターに、音響レンズと次世代型JBL(HDI)ハイディフィニション・イメージング ウェーブガイドを搭載した、JBLのエントリーライン「Stage 2シリーズ」。その驚きのコストパフォーマンスで、オーディオ銘機賞2025にて銅賞の栄誉に輝いた本機の魅力に迫る。
ホームシアターも可能なラインナップだが、ここでは2チャンネル・オーディオに絞って試聴してみたい。その再現力はエントリー・レベルに留まるようなものではなく、広くオーディオファンにも注目してほしいからである。
まず先に最も大型のStage 280Fから始めたい。色々な意味で一回り大きな再現性は、誰が聴いても余裕を感じるに違いない。バランスに不自然さがなく、出方が滑らかで自然な均整を保っているところが大きなポイントだ。
バロックでもごく自然に入ってゆける親しみやすさを感じる。低域の安定した再現力が安心感を高め、高域の緻密さと抜けの良さが表情を豊かなものにしているのが特質だ。これだけ大型のシステムでありながら継ぎ目を感じさせず、一体感が高いのはそのためである。
ピアノのタッチは骨格が太く芯のがっしりとした感触だが、それがこもらずくっきりとした質感を備えて立ち上がりも速い。動きが軽快なのがその要因のようだ。
オーケストラは空間の実在感といい雄大なスケールといい、ぴったりのイメージがある。ピントが揃って遠近が明瞭だし、アンサンブルの色彩感が実に鮮やかだ。
大太鼓やコントラバスなどの低音は、どっしりと沈んで強力なエネルギーを発揮する。起伏に富み、クライマックスではフォルテの炸裂が強烈だ。じっと聴き入ってしまう表現力である。
続いて今度は最も小型のブックシェルフStage 240B。280Fとの落差がさぞ大きいだろうと思うところだが、これはこれで別の存在感がある。そこに気がついてもらいたいのである。
スケールは確かに違う。しかし貧弱になったわけではなく、音場がコンパクトに凝縮され、よく整っているように感じる。
バロックでは楽器どうしの分離がよく、それぞれの表情が混じり合わずに鳴っている。スケールに不満を感じないのはそのためで、音色の良さにも注目したい。
ピアノはさらに豊かな鳴り方が目覚ましい。ピントがよく、ステージが目の前にでき上がって実在感が高いのだ。タッチの芯がしっかりして余韻もたっぷりと乗り、低音は肉質感に厚みがある。
オーケストラは切れの良さが圧倒的な印象を残す。低域のエネルギー感も十分で瞬発力が高く、新鮮で活きがよく、バイタリティに富んで音楽を生き生きと描き出す。フォルテの充実感が最後の決め手と言ってよさそうである。
Stage 250Bは一回り大きなブックシェルフ型で、シリーズの本命と言ってもいいようにひそかに思っている。ブックシェルフらしいピントと空間性が聴きものである。
バロックですぐ気がつくのは瞬発力で、一音一音の立ち上がりがぐっと高い。だからエネルギーの乗り方が違う。
同じヴァイオリンやチェンバロでも彫りの深さや表情の鮮明さがまるで変わって聴こえる。鮮度感に溢れた再現である。
ピアノは小型機の引き締まった響きとフロア型の深い低音を兼備した出方で、タッチのひとつひとつが精密に彫り込まれた鳴り方をする。表情が影の濃いものとなって、自由自在の表現力を発揮するのである。動きに愚鈍なところがなく、センシティブで陰影の深い再現が強い印象を残すのである。
オーケストラは解像力とスケール感とがほとんど理想的にマッチした再現で、スピードの速さも加わってリアリティに富んだ鳴り方を発揮する。
空間の遠近が明確でそれが、アンサンブルをいっそう鮮やかにしていることも見逃せない。どの楽器も強靭な瞬発力に乗って表情が雄弁。フォルテの峻烈さは言うまでもなく、壮絶なクライマックスを演出するのである。
自然な均整を保つフロア型「Stage 280F」
ホームシアターも可能なラインナップだが、ここでは2チャンネル・オーディオに絞って試聴してみたい。その再現力はエントリー・レベルに留まるようなものではなく、広くオーディオファンにも注目してほしいからである。
まず先に最も大型のStage 280Fから始めたい。色々な意味で一回り大きな再現性は、誰が聴いても余裕を感じるに違いない。バランスに不自然さがなく、出方が滑らかで自然な均整を保っているところが大きなポイントだ。
バロックでもごく自然に入ってゆける親しみやすさを感じる。低域の安定した再現力が安心感を高め、高域の緻密さと抜けの良さが表情を豊かなものにしているのが特質だ。これだけ大型のシステムでありながら継ぎ目を感じさせず、一体感が高いのはそのためである。
ピアノのタッチは骨格が太く芯のがっしりとした感触だが、それがこもらずくっきりとした質感を備えて立ち上がりも速い。動きが軽快なのがその要因のようだ。
オーケストラは空間の実在感といい雄大なスケールといい、ぴったりのイメージがある。ピントが揃って遠近が明瞭だし、アンサンブルの色彩感が実に鮮やかだ。
大太鼓やコントラバスなどの低音は、どっしりと沈んで強力なエネルギーを発揮する。起伏に富み、クライマックスではフォルテの炸裂が強烈だ。じっと聴き入ってしまう表現力である。
存在感を放つブックシェフ「Stage 240B」と「Stage 250B」
続いて今度は最も小型のブックシェルフStage 240B。280Fとの落差がさぞ大きいだろうと思うところだが、これはこれで別の存在感がある。そこに気がついてもらいたいのである。
スケールは確かに違う。しかし貧弱になったわけではなく、音場がコンパクトに凝縮され、よく整っているように感じる。
バロックでは楽器どうしの分離がよく、それぞれの表情が混じり合わずに鳴っている。スケールに不満を感じないのはそのためで、音色の良さにも注目したい。
ピアノはさらに豊かな鳴り方が目覚ましい。ピントがよく、ステージが目の前にでき上がって実在感が高いのだ。タッチの芯がしっかりして余韻もたっぷりと乗り、低音は肉質感に厚みがある。
オーケストラは切れの良さが圧倒的な印象を残す。低域のエネルギー感も十分で瞬発力が高く、新鮮で活きがよく、バイタリティに富んで音楽を生き生きと描き出す。フォルテの充実感が最後の決め手と言ってよさそうである。
Stage 250Bは一回り大きなブックシェルフ型で、シリーズの本命と言ってもいいようにひそかに思っている。ブックシェルフらしいピントと空間性が聴きものである。
バロックですぐ気がつくのは瞬発力で、一音一音の立ち上がりがぐっと高い。だからエネルギーの乗り方が違う。
同じヴァイオリンやチェンバロでも彫りの深さや表情の鮮明さがまるで変わって聴こえる。鮮度感に溢れた再現である。
ピアノは小型機の引き締まった響きとフロア型の深い低音を兼備した出方で、タッチのひとつひとつが精密に彫り込まれた鳴り方をする。表情が影の濃いものとなって、自由自在の表現力を発揮するのである。動きに愚鈍なところがなく、センシティブで陰影の深い再現が強い印象を残すのである。
オーケストラは解像力とスケール感とがほとんど理想的にマッチした再現で、スピードの速さも加わってリアリティに富んだ鳴り方を発揮する。
空間の遠近が明確でそれが、アンサンブルをいっそう鮮やかにしていることも見逃せない。どの楽器も強靭な瞬発力に乗って表情が雄弁。フォルテの峻烈さは言うまでもなく、壮絶なクライマックスを演出するのである。