HOME > レビュー > 【Qobuzを楽しむシステムプラン】創業100年、尽きぬ進化。“ラックスマン・サウンド”でQobuzのハイレゾ・クオリティが活きる!

PR「NT-07」「DA-07X」コンビの実力をレビュー

【Qobuzを楽しむシステムプラン】創業100年、尽きぬ進化。“ラックスマン・サウンド”でQobuzのハイレゾ・クオリティが活きる!

公開日 2025/02/12 06:35 岩井 喬
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
ラジオ放送が開始されて100周年を迎える2025年。この歳月を共に歩んできたのがラックスマンである。100年の間に音楽を楽しむ手段も様変わりしているが、その時代に寄り添うようにリスナーが求める製品を世に送り出してきた、信頼の厚い老舗オーディオブランドといえるだろう。

今年創業100周年を迎えるラックスマン。長年培ってきた伝統のオーディオ技術を継ぎながら、新しい提案も積極的に行っている。最上段がUSB-DAC「DA-07X」、中段はネットワークトランスポート「NT-07」、下段はプリメインアンプ「L-507Z」を組み合わせ

そして今、音楽を聴く手段もフィジカルなパッケージメディアでなくともマスタークオリティを楽しめる、ハイレゾストリーミングが登場。昨年、待望のハイレゾストリーミングサービスであるQobuzも日本国内でのサービスを開始し、話題となっている。

ラックスマンもこのハイレゾストリーミングの時代を見据え、2023年ネットワークトランスポート「NT-07」を発売。さらに昨年、このNT-07とペア運用も可能なUSB-DAC「DA-07X」を世に送り出し、セパレート方式のネットワークプレーヤーシステムを構築できるようになったのである。今回はこのNT-07、DA-07Xの組み合わせによって、Qobuzでのハイレゾストリーミングのクオリティを確認することにした。

■NT-07、既存システムへアドオンできるトランスポート



試聴の前にNT-07とDA-07X、それぞれのハードウェアの概要についても触れておきたい。まずNT-07であるが、多くのリスナーがデジタル入力を持つプレーヤーやUSB-DAC、アンプを所有していると思われる現状に際し、既存のシステムへアドオンできるトランスポートスタイルにまとめ上げた、ミュージックストリーマーだ。

ラックスマン初の本格ネットワークトランスポート「NT-07」(594,000円/以下税込)

ネットワークとは有線LANで接続できるようになっており、QobuzやTIDAL、Spotify ConnectといったストリーミングやTuneIn、インターネットラジオにも対応。Open Home規格対応サーバーや外付けストレージとUPnP接続でのネットワーク再生に加え、Roon Readyについても昨年対応を果たした。

NT-07の背面端子。HDMI端子のIN/OUTを搭載しており、テレビ等の映像システムとの連携も可能

この他、HDMI端子(PCMステレオ・4Kパススルー)も備えているため、TVサイドでの活用も可能であり、TV音声やNetflixなどのストリーミングコンテンツの音声も本機経由で高音質に楽しむことができる。またフロント/リアにUSB-A端子を備えており、USBメモリや外部HDDなどのストレージを接続し、UPnP接続でファイル再生も実現。デジタル出力はS/PDIF同軸/光、USB-A端子、ARC対応HDMI端子を装備しており、S/PDIFやHDMIは192kHz/24bitまで、USB接続では768kHz/32bit・PCM&22.5MHz・DSDまで出力可能である。加えてMQAファイルについてもコアデコード機能を有しており、後段のDACに合わせて、OFF/コアデコード/パススルーの選択も可能だ。

NT-07の内部構造。左が電源部、右がデジタル基板。低ノイズ電源もネットワークトランスポートの音質には非常に重要

操作においてもiOS/AndroidそれぞれのOSに対応した専用の無料コントロールアプリ「LUXMAN Stream」を用意しており、携帯/タブレット端末からの直感的かつ快適な操作を実現。また元データのサンプリング周波数ごとにアップ/ダウンサンプリング設定が可能なPCM/DSDリサンプリング機能を内包していることも特徴の一つ。PCMは44.1 - 352.8kHz、DSDは2.8 - 11.2MHzまでの範囲で変換が可能な上、PCMからDSD、DSDからPCMといったフォーマット変換によるサウンドの違いを楽しめる。さらに付属リモコンからの操作も可能であり、慣れ親しんだスタイルで活用することもできる。

直感的な操作が可能な専用アプリ「LUXMAN Stream」

セットアップ画面の「プレーヤー」から「NT-07」を選択すればOK!

筐体は高さ10cm弱のスリムな高剛性ボディを採用。大容量OIコア型電源トランスや10,000μF×2本のカスタム・ブロックコンデンサーを取り入れたラックスマン伝統のハイイナーシャ(高慣性)電源回路によって、高いノイズ圧縮効果に加え、最新世代の高速アプリケーションプロセッサー・モジュールも安定的に駆動することが可能だ。

■DA-07X、ロームのチップを搭載し専用DACとしての性能を強化



そしてNT-07とペアを組むUSB-DAC、DA-07Xは、2013年に登場した「DA-06」の後継モデルであり、基本構成は先行するSACDプレーヤー「D-07X」のDAC部と同じ仕様だ。フラグシップSACDプレーヤー「D-10X」から採用されている、ローム製MUS-ICシリーズのハイエンドDACチップ「BD34301EKV」をデュアルモノ構成で搭載。低ジッター化を実現するクロックモジュールは、発振周波数付近のノイズを低減する超低位相雑音タイプを44.1kHz系/48kHz系と、2基備えている。

NT-07と同じ薄型筐体のUSB-DAC「DA-07X」(638,000円)

デジタルセンターとして入力は豊富に用意されており、USB入力はPCM・768kHz/32bit&DSD・22.5MHzまで対応。S/PDIF同軸/光は2系統ずつ、さらにはAES/EBU入力も備えており、192kHz/24bitまで入力が可能だ(S/PDIF入力はDoP方式でのDSD・2.8MHz入力にも対応)。またS/PDIF同軸/光を1系統ずつ設けたデジタル出力も装備し、USB入力を変換できるDDコンバーター機能も有している。

DA-07Xの背面端子。USB-typeB入力のほか、S/PDIFやOptical等の各種デジタル入力を搭載。アナログ出力はRCAとXLRの2系統を用意する

アナログ段はDACチップの差動出力を受ける完全バランス構成のI/V変換と、LPFステージを兼ねる高音質ディスクリートバッファー回路を搭載。アナログ出力もRCAアンバランスとXLRバランスの2種類を備えている。電源部はOI型の大型トランスの他、各回路の独立レギュレーター、10,000μF×2のカスタム・ブロックコンデンサーを用いた大容量ハイイナーシャ電源回路を採用。

DA-07Xの内部構造。ロームのDACチップをデュアルモノ構成で採用、CDプレーヤー「D-07X」譲りのデジタル回路を、ドライブメカがない分さらに強化している

同じDAC構成であるD-07Xに対してのアドバンテージはこの電源部にあるだろう。ドライブメカへの電力供給の必要性がないため、電源容量にも余裕が生まれ、DA-07Xの方がよりS/Nや解像度に優れ、音場の広がりもスムーズに感じられる。

筐体はNT-07より幾分奥行きが長い薄型フルサイズ仕様であり、グラウンド面積の増大や剛性強化に繋がる3.6mm厚の鋼板ボトムシャーシや、グラデーション鋳鉄製フットによって低重心化を実現。また、磁界やアースインピーダンス、デジタルノイズ対策を施したループレス&シールドシャーシの強固な複合構造も高音質化に寄与している。

大型ウインドタイプのフロントディスプレイはNT-07と同じサイズとなり、ともに高輝度・視認性に優れる有機EL方式を採用。また付属する電源ケーブルについてもOFCの導体断面積を大きくした新型の「JPA-10000i」が取り入れられている。

NT-07とDA-07Xの間はUSBケーブルで接続

■解像度高く音源への正確な追随性を確認



試聴はラックスマンの試聴室にて実施。スピーカーはフォーカル「Kanta N°2」、プリメインアンプにラックスマン「L-507Z」を用意。NT-07とDA-07XをUSB接続で結び、メインシステムにはRCAアンバランスで接続。「LAXMAN Stream」をインストールしたiPadにて操作を行った。

メインスピーカーにはフォーカルの「Kanta N°2」(1,540,000円/ペア)を使用

NT-07とDA-07Xによるセパレート・ネットワークプレーヤーで聴くQobuzのサウンドは、ストリーミングであることを忘れるほど滑らかで、音像の密度感とナチュラルな描写性を兼ね備えた耳当たり良いものである。ハイレゾ楽曲の再生では各楽器の分離の良さ、音場の広がりと余韻の表現についても緻密な空間性を実感できた。

「LUXMAN Stream」ではアプリ内でQobuzを連携し楽曲選択を行える

クラシック音源の諏訪内晶子ではヴァイオリンの弦のハリ感や艶やかさをクリアに引き出し、芯の明瞭さ、余韻の滑らかさも十分に表現できている。オーケストラの旋律も粒立ち細かく丁寧に描写。楽器のボディ感も厚く、鮮度良い質感である。太鼓の皮のハリも鮮明で、胴鳴りの堂々とした響きも制動良い。S/Nも良好であり、ハーモニーもリッチで伸びやかだ。

ジャズのオスカー・ピーターソン・トリオは、ピアノの響きも自然で低域方向のコシも太く安定感がある。ウッドベースの胴鳴りも深く厚みも十分。弦の軽やかな跳ね感もつぶれることなく鮮明だ。この「ユー・ルック・グッド・トゥ・ミー」ハイレゾ版は冒頭部、マスターテープ由来とみられる音揺れ(特にトライアングル)が強めに感じられる。このシステムでは、当該部分も克明に再現。音源への正確な追随性を実感するに至った。ドラムセットの太さとスネアブラシの細やかさのコントラストもちょうど良く、トリオの立体的な躍動感を味わうことができる。

さらにハイレートな192kHz/24bit音源であるTOTOを聴いてみたが、リズム隊の引き締まりの良さ、各パートの分離の良さから、解像度の高さを改めて感じることができた。ボーカルは口元の動き、ヌケ感の良さが際立ち、鮮やかに浮かび上がる。ギターサウンドはカリッとしたフォーカス良い輪郭を引き出す、シャープな傾向。特に印象的なサイモン・フィリップスの大口径なキックドラムの空気感、押し出しの再現性も良い。

「呼び声」においてもハイレゾならではの緻密な質感描写が味わえるが、ボーカルの温もり感、肉付きの良さを持たせた、アナログライクなサウンドである。リズム隊の分厚い低域の安定感と、ストリングスやピアノ、ギターが奏でるキレ良く澄んだアタックの明瞭さがバランス良く融合。情報量も多く、落ち着き良い音質傾向だ。

Qobuzで丁の「呼び声」(96kHz/24bit)を再生しているところ

ビリー・ジョエルの音源は44.1kHz/16bitのロスレス版と比較してみたが、96kHz/24bitハイレゾ版を再生したとたんにスピーカーの外側へ向け、数段音場が拡大。個々の音の繋がりは一層シームレスになり、レンジの広さも感じられる。特にピアノのハーモニクスの豊かさ、かけられたリヴァーブの余韻の深さ、長さはハイレゾ版の方が圧倒的に優位だ。ボーカルも口元の動きを丁寧にトレース。ラウドなドラムの響きも深く沈み、アタックのキレも鮮明である。音像の厚みを持たせながら、スッキリとしたほぐれの良さも同時に感じられ、余韻の爽やかさが印象的だ。

「KANTA」はフォーカルの中核グレードとなるシリーズ。逆ドーム型のベリリウム・トゥイーターやFLAXコーン振動板、高密度ポリマーのキャビネットなど、基幹技術を盛り込みつつシンプルでリビングにも配置しやすいデザインも特徴

■まとめ ストリーミングでも高精度で品の良いサウンドを楽しめる



NT-07とDA-07Xのペアによるハイエンド機譲りの優れたサウンド性によって、ストリーミングであってもダウンロード音源と遜色のない、高解像度でスムーズな音を楽しむことができた。

NT-07のフロントは有機ELディスプレイで、日本語のフォントも問題なく表示できる。またQobuzの再生時にはQobuzの文字と配信フォーマットも表示

Qobuzが持つハイレゾ再生の魅力、その精度の高さはもちろんのこと、それぞれの配信楽曲の表現力、元々持っている情報量をNT-07とDA-07Xは正確に引き出してくれることを今回の試聴で実感できた次第である。特にNT-07はQobuzの国内サービス開始により、その持てるポテンシャルを最大限に引き出すことができるようになった。

従来からのローカル環境だけでなく、ストリーミングもセパレートシステムで味わうことの優位性。億に上る楽曲を無制限に、そして高解像度かつ高精度で品の良いサウンドとして楽しめるのは、これまでの常識を超えた、新たな価値観の創造といえるだろう。NT-07/DA-07Xのペアによって、Qobuzがもたらす、ニューノーマルなハイレゾ・リスニング・スタイルを存分に味わっていただきたい。

(提供:ラックスマン)

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE