「この価格でいいの?」 ベルキンのヘッドホン「SoundForm Isolate」が破格の高コスパ機だった
そのほか、マルチポイント、最大再生60時間、急速充電など、基本的なスペックや機能の不足もなし。折り畳み機構も採用されており、カバン等に入れて持ち運ぶ使い方をしたい方でも問題なしだ。

加えて3.5mmアナログまたはUSB-Cデジタルの有線接続での利用も可能。後ほど触れるがこのおかげで用途も広がる。
なおベルキンは同社イヤホン&ヘッドホン向けに「SoundForm」アプリを用意しているが、このモデルにおいてそのアプリが必要になる場面は、おそらくほとんどない。悪い意味ではなく、このモデルにおいては本体ボタンだけで全ての操作を何の不自由もなく行えるからだ。
「SoundForm Isolate」音質レビュー:「勢いや迫力の表現が得意」
さて最後に「Belkin Signature Sound」とされているそのサウンドについて。
傾向としては繊細さの表現よりも勢いや迫力の表現を得意とし、ロックやヒップホップなどのアグレッシブなサウンドの魅力を特によく引き出してくれるタイプ。
例えばヨルシカ「晴る」は、キレのよいバンドサウンドと伸びやかな歌声が特徴的だが、このヘッドホンで聴くとそのバンドサウンド側の印象が強まる。
スネアドラムの「バシッ」、クラッシュシンバルの「ジャーン」、ギターの「ジャキッ」などの、アタックやエッジの濁点成分が適度な荒さで押し出され、バンドサウンドの雰囲気がポップスよりもロックに寄るイメージだ。
とはいえポップス、歌物としての魅力を損なうほど荒っぽくなるわけではないので、そこは安心してほしい。逆に元からロックな楽曲を聴くのであれば、このヘッドホンはその魅力をよりストレートにブーストしてくれる。
強いて言えば超低域の再生能力は普通程度なので、多弦ベース&ギターやダウンチューングを活用した現代的なバンドサウンドのローエンドを完全再現するのは難しい。しかし一般的なバンドサウンドの音域であれば、ロックにせよポップスにせよ快活に再生してくれるので、不満を感じることはあまりないだろう。
加えてこのエッジが効いて迫力のあるサウンドは、激しめのゲームサウンドとの相性もよい。格闘ゲーム「ストリートファイター6」で試してみたところ、打撃のヒット/ガード音の炸裂感や重みの感触が爽快だった。格ゲーなどタイミングにシビアなゲームではBluetooth接続による音の遅れが問題になるが、このモデルは有線接続にも対応するのでそこもクリアできる。

なお以上はノイキャンオンでのテスト印象だが、ノイキャンオフでも印象が大きく変化することはなかった。ヒアスルーモードでは音場中央のボーカルの位相感が少し甘くなったが、ヒアスルーを常用するつもりでもなければ、そこはさほど気にならないだろう。
破格のコスパ。「この価格でいいの?」
というようにSoundForm Isolateは、信頼のベルキンブランドらしいクオリティにして破格のコスパ。「この価格でいいの?」という疑念はやはり拭えないが、あちら様がよいと言うのだから「ではありがたく」と受け取っておけばよいのだろう。そんな不思議な気分にさせられるヘッドホンだ。
(提供:ベルキン)