Radius270/90/180
■2chでも5.1chでも適用可能な高汎用システム
Radiusシリーズには色々なシステム構成が考えられるが、ここでは代表として3つの例を聴いてみることにしたい。まず最も一般的な組み合わせとして、フロントに270、リアに90、センターに180を使用し、サブウーファーを組み合わせたシステムである。5.1チャンネルだが、2チャンネルにもそのまま適用することができ、汎用性の高い構成ということができる。
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シリーズ共通の
C-CAM Gold Domeトゥイーター(写真はRadius270) |
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その2チャンネルはこのスリムなスタイルからは意外なほど豊かな音調が得られる。焦点がよく合って楽器や声の存在感が高い。モニター・オーディオらしい明晰な再現力が、ここでもしっかりと確保されている。本来このスリムなスタイルは平面型ディスプレイとのシステムアップを想定したものといえる。それだけに5.1チャンネルはぴったりの組み合わせということになる。
映画の音には色々な楽しみ方があると思うが、ここで聴かれるのは誇張のないナチュラルな音調である。それが鋭敏な瞬発力とレンジの広いレスポンスで鮮明に描かれる。『HERO』の戦場の場面を見てみると、例えば騎馬や兵士の足音がざくざくという明瞭な靴の音とともに、砂を踏む細かな音が高度に解きほぐされて聴こえてくるのがわかる。また『マスター・アンド・コマンダー』では船の周囲の風や波の音が、小さいがはっきりと描かれる。こうした細かな音まで取り出して適確に再現してみせる力は、モニター・オーディオの最も大きな特質である。 |