「iPhone 5」は何を変えるのか? − AV関連機能の噂を読み解く
■NFCはどうなる?
近距離無線通信「NFC」に対応するかどうかも、iPhone 5にまつわる噂で話題に上ることが多いポイントだ。NFCに対応すればモバイル決済に道が開けるし、AV的な用途では、ソニーのヘッドホン「MDR-1」が実現した、NFCを使ったペアリングなどが可能になる。
ただしiPhone 5は筐体にアルミが使われると噂されていることから、NFCで用いる微弱な電波を通しにくいと考えられ、今回はNFCには対応しないのではないかという見方が強い。
■iPodとの垂直立ち上げ?
ここまでiPhone 5の噂を紹介してきたが、もう一つ注目すべきは、今回のイベントでiPhoneとiPodが同時に発表されるとみられていることだ。
上記の噂がすべて実現するとは思わないが、画面サイズとアスペクトの変更、またドックコネクターの変更などは、ほぼ確実に行われるだろう。アプリ開発者や周辺機器メーカーはもちろん、これまで使っていたものが最新機器になって使えなくなるケースもあると考えられることから、一般消費者にとっても影響の大きい変更だ。だから、アップルとしては新しい画面サイズや規格へのトランジションを、なるべく速やかに行う必要がある。
メーカーやアプリ開発者に新製品の開発を促すには、数の力が必要。となれば、iPodも一気に新しい画面サイズや規格に対応させるのが得策だ。iPod touchも4インチ画面を採用する可能性が高いし、筐体を変える新iPodファミリーすべてを、一気にミニコネクターへ変えてくることも十分考えられる。特にディスプレイは、同じものを大量発注すれば、より低コストで調達できる。そのあたりも踏まえて、iPod touchを中心としたラインナップの刷新が行われるだろう。
オーディオビジュアルに関連する部分を中心にiPhone 5の噂を見てきた。過去には、事前にかなり確度が高いと言われていた噂がまったく異なっていたこともあり、当たり前のことだが、発表されるまでは何一つ確かなことは言えない。ほかにもカメラ性能がどうなるか、イヤホンが変わるという噂の確度はどうなのかなども興味は尽きないし、ごく一部に、AppleがPANDORAのようなインターネットラジオサービスを展開するという噂もあるが、情報が少ないこともあり、これらについて語る時期では無さそうだ。
我々の期待を上回る仕様や機能が発表されることを期待しながら、13日早朝の発表を待ちたい。