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5年先を見据えた技術の行く末は

東芝のテレビ開発撤退は本当か? 「やめるべきでない」いくつかの理由

公開日 2015/12/16 11:15 編集部:風間雄介
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東芝が揺れている。不適切会計に端を発した経営問題は、経営トップを刷新する事態に進展し、さらには様々な事業で利益の水増しが発覚。各事業の構造改革が急務とされ、同社の室町正志社長は、年内に経営改革について「踏み込んだ発表を行う」と述べている。

家電やPC部門も、もちろん例外ではない。白物家電やPCでは他社との連携が取りざたされているが、まだ何も確定した話はない。噂や憶測が乱れ飛び、それにおそらくは本社筋からのリークや観測気球も上がっていると考えられ、東芝を取り巻く報道は日増しに混迷の度を深めている。

東芝のテレビ事業はどうなるのか?

当サイトの読者であるAVファンにとって最も関心があるのは、同社テレビ事業の行く末だろう。

昨日付の日本経済新聞など各紙は、同社がテレビ・パソコンの開発拠点である青梅事業所を大幅に縮小し、7,000人程度の希望退職を募集すると報じた。記事中では、将来的に同事業所を閉鎖する可能性があるとまで踏み込んだ。さらにテレビ事業についても、開発からの撤退を検討し、テレビの国内販売も大幅に縮小するとしている。

かなりインパクトのある報道内容だが、この報道に対して東芝は、投資家向けに声明を発表。それぞれの内容について「当社から発表したものではない」とした上で、「白物家電やテレビ事業を含むライフスタイル事業について制約を設けることなく、事業体制のさらなる効率化や、他社との事業再編も含めさまざまな可能性を検討しておりますが、現時点で決定したものはありません」とコメントした。

遠からず室町社長の口から経営改革の内容が明らかにされるだろうが、同社の事業規模の大きさ、広さから考えて、そこではおそらく多岐にわたる同社の事業を俯瞰したうえで、大まかな方針や方策が発表されるにとどまるだろう。

たとえば同社がテレビの開発を縮小するのか、するとしたらどの程度なのかといった細かな内容については、経営改革の大枠が固まったあと、具体的に話を聞いてお伝えすることになるはずだ。

ただし現段階でも、報道内容についていくつかの考察を加えることは可能だ。

まず、青梅事業所を縮小するという報道内容について。これは規模はともかくとして、実施される可能性が高い。同社はすでに欧州・北米のテレビ事業の自社開発や販売・サービス業務を終息すると発表している(関連ニュース)。具体的には、台湾コンパル社への東芝ブランド供与へ移行する。さらにASEAN地域でも「北米・欧州と同様に、第三者へのブランド供与への移行について交渉を進めて」いることを発表している。

ブランド供与という事業形態になれば、各地域向けの商品を開発する必要がなくなり、開発体制をコンパクトにできる。テレビだけではない。白物家電やPCでも同様に、様々な構造改革が行われるはず。人員削減の規模はともかくとして、青梅事業所が縮小される確度は相当に高い。

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