始めよう!アナログレコード入門:レコードとアナログプレーヤーの仕組み
■アナログプレーヤーの仕組み
これらのレコードを再生するための機器が「アナログプレーヤー」です。その構成を見ると、決められたスピード(回転数)で回るターンテーブルとトーンアーム、それにカートリッジと呼ばれる再生針の3点セットが基本となります。
レコードのサイズと回転数に合わせて、プレーヤーの仕様が決められます。ターンテーブルは30センチか少し大きい程度。回転数数の方は33 1/3rpmと45rpmの2スピード対応が普通で、中には78rpmまで対応した3スピードの製品もありますよ。
例えば33 1/3rpmというと、1秒間にほぼ2回転というスローなもの。このゆっくりした回転をムラなく正確に、そして滑らかにキープするのは大変です。そこでターンテーブルの駆動方式としていくつかの方式が考えられました。主要3方式をまとめたのが、以下の図です。
回転の力を発生するのはもちろんモーターですが、ポイントはその回転力をどういう手段でターンテーブルに伝えるかです。初期のころは「ベルトドライブ」と「リムドライブ」が主流でした。モーターの回転を輪になったゴムベルトで伝達するのが、ベルトドライブです。ベルトではなく、アイドラーというゴムのアソビ車を介してターンテーブルを回すのがリムドライブ。リムとは縁(へり)という意味で、確かにターンテーブルの縁の部分に内側からアイドラーを押し当てます。
後者はガラードが有名で、ベルトドライブは海外ではトーレンス、リンなど新旧ほとんどの海外メーカーが採用。もっとマニアックなものとしては、糸ドライブ方式も一部の高級機にみられます。
これに対して、国産メーカーで多くみられたのがダイレクトドライブ。「DD方式」というタイプです。ベルトやアイドラーを使うと、ターンテーブルの回転精度や性能やがそれらに左右されてしまう……という考えから、モーターが直接ターンテーブルを回転させるようにしたものです。強いトルクで立ち上がりが速く、サーボやクォーツロックといった仕組みにより回転数が正確なのが利点です。少し前までは、中高級アナログプレーヤーの主流方式でした。
方式だけで音質が決まるわけではありませんが、ベルトドライブの支持は根強く、現在では海外を中心としたハイエンドプレーヤーの世界ではこちらが主流となっています。